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電通デジタルが入社式で新入社員にNFTを配った理由

2023.04.07

デジタルマーケティングの領域では国内最大級の規模を誇る電通デジタルが、2023年4月3日に4年ぶりとなるリアルでの入社式を開催、総勢139名の初々しい社員たちに、入社証明としてNFTアートを配布する取り組みを行なった。

同社が配布した入社証明書は、新入社員一人ひとりの個性に合う形でのイメージ画像を、人工知能(AI)が作成し、NFTアートとしたものである。

NFT(non-fungible token)とは、Web3.0を実現するためにも使う「ブロックチェーン技術」を活用して作成する。所有権を証明し、偽造を防止する鑑定書の機能を持つデジタルデータである。

なぜ電通デジタルはNFTアートを配布したのだろうか。またこれを受け取った新入社員はどのように感じたのか。

入社式の取材を通じてわかった目的や狙いを本記事でまとめた。

世の中を動かす最先端の技術に触れてもらいたい

 新卒社員にNFTアートを配布しようと企画した クリエイティブプランニング第1事業部 有益伸一さんはこう話す。

「様々なテクノロジーが世の中に急速に登場し、我々の社会生活をより良いものにしてくれている。この潮流を実際に感じてもらう良いきっかけになればと考えました。また、入社証明書には、それを受け取った社員のアイデンティティがあるので、感情移入しやすい特長があります。社会人経験を積んでいく中で、ふと振り返ってこのNFTアートを見たときに、自分の成長を感じたり、新たな気づきを得たりといった効果も期待できます。」(有益さん)

■電通デジタル入社式:NFTアートを新入社員へ配布する同社の企画者たち

入社証明書となるNFTアートをスマホの専用アプリで受け取るため、黙々と操作を進める新入社員と、その説明を行なう登壇者たち。スクリーンに表示されているのが、実際に配布されたNFTで、社員一人ひとりの個性に合わせて、動物を擬人化した唯一無二のアートであり、その社員の成長に応じて画像も変化していくという。

■変化していくNFTアートの例

画像提供:電通デジタル
たとえば、新入社員のときは子犬の状態で、乗っている自転車も小ぶりなものだったが、入社後に成長した社員では、犬も成長し、自転車も大人が乗るイメージになった。背景画像は、ライフスタイルを表すシーンが追加されており、成長・成熟していく様子がわかる。このような表現を、AIが社員の成長に合わせて、適切に変化させてくれるというわけだ。

■新入社員同士のコミュニケーション活性化ツールとしての機能もある

受け取った新入社員は事前に、自分を動物に例えると何か?趣味や興味のあることは何か?といった質問に回答している。その回答をベースに、AIを使って生成したこのアートには、彼らのパーソナリティが凝縮されていると言っても過言ではない。

我々のインタビューに対しては、

「このアートはまさに私のことを表していると思います」

「NFTの名前だけ聞いていたのですが、実際に受け取ってみることで、どのように使ったらいいのかイメージが湧きました」

「アートが1年に1回変化すると聞いたので、それに合わせて、自分も社会人としてマネジメント能力などを身に着けてしっかりと成長できたらいいなと思います」

と総じてポジティブな声が、新入社員たちから聞こえてきた。

また早速、新入社員同士で、“なぜこのアートが出力されたのか”“このアートがどう進化したら嬉しいか”といったコミュニケーションが始まっていた。

Web3.0が拡大する社会に対して、価値創造の試金石でもある

NFTを配布したり、それぞれの個人が保管したりするには、専用のウォレットアプリが必要になる。広く使われているものだと「MetaMask」というウォレットがあるが、電通デジタルのように企業や特定の組織内でのWeb3.0への取り組みには、実は使い勝手が悪い。

そこで今回電通デジタルが注目したウォレットが「UPBOND Wallet」というウォレットだ。その特長を一言でいえば、Web3.0の世界を実現しつつ、企業や組織がウォレットを持つ人々の個人情報を適切に管理できることだ。

「Web3領域のビジネスについて様々な可能性を探っている段階ではあるもののUPBONDとは、様々な取り組みを行なっています。当社のパーパスである『人の心を動かし、 価値を創造し、 世界のあり方を変える』ために、新しいことに、今後もどんどんチャレンジしていきます。今回のNFT配布の取り組みは、対象が新入社員のみでしたが、他の社員への配布や来年はまた違う施策を考えたりと、出来ることはたくさんあります。」(有益さん)

電通デジタルは、2022年12月20日に、UPBONDとの業務提携を発表している。

クライアントに対するWeb3.0関連事業の立ち上げ支援や、共同でのWeb3プラットフォーム/サービス開発がその内容だが、どれも、数年、数十年先を見据えた最先端のデジタル施策であるといえる。

■UPBONDウォレットの特長

引用元:UPBOND Wallet
デジタル資産管理とそれを配布する企業や組織、受け取る個人それぞれの情報管理を適切にできて使いやすい。という触れ込みで “Web3.0とWeb 2.0の両方の良さを合わせ持つ”特長がある。

この記事を読んでくださっている読者の中にウォレットを持っている人はどれくらいいるだろうか? 
ウォレットはいわばWeb3の世界へのパスポートといっていいものだが、暗号資産やNFTの分野に興味がある人を除けばまだまだ一般的であるとは言えないだろう。今回の取り組みはそういったウォレットやNFTに触れる機会を与えるという意味でも大きなものになるだろう。これを体験した新入社員たちがWeb3、AI時代にどんな新しいフロンティアを切り拓いていくのか、今後が楽しみな取り組みだ。

取材・文/久我吉史

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