ブルーライトによる肌への影響と対処法を専門家が解説
今回の調査によって、ブルーライトによる肌への影響が認知されていないことが明らかになった。これらの結果を踏まえて、ブルーライトが及ぼす肌への影響、またその対処法について、第一三共ヘルスケアの研究員が解説したので、詳細をお伝えしていこう。
■「太陽光」のブルーライト強度は「スマホ・パソコン」よりも圧倒的に高い
ブルーライトとは、波長が約380~500nmの青色の光で、目に見える光線の中で最も短い波長の光のことです。
肌にしみやしわを誘発することで知られる紫外線と波長が近いですが、より長波長であることから、紫外線よりも肌の奥まで到達されることが予想され、一般的なサンスクリーン剤では防ぎきれず、肌の内部へと影響を及ぼすと考えられています。
今回の調査結果からも分かる通り、近年ではLEDライトなどの照明機器にブルーライトを使用するようになったことから、「ブルーライト=デジタル機器」のイメージを持たれる方が多くいらっしゃいますが、実際には「太陽光」にも多くのブルーライトが含まれます。
今回の調査の中で、7割以上の人が「太陽光」よりも「スマホ・パソコン」の方がブルーライトの照射量が多いと回答していましたが、実際には「太陽光」によるブルーライトの照射強度は、「スマホ・パソコン」よりも高く、影響が大きいことが分かっています。
■ブルーライトはしみ・しわなどの肌の光老化を誘発し促進する
ブルーライトと聞くと、「視力への影響」を多くの方が連想されますが、ブルーライトに当たることで、肌に炎症が生じ、しわの原因となるコラーゲンの低下やしみの原因となるメラニンの産生促進を誘発することが研究結果により明らかになりました。
さらには、好中球といわれる免疫細胞にも働きかけ、それらを殺してしまうことが分かりました。そのため、ブルーライトはしみ・しわなどの肌の光老化を誘発するだけでなく、好中球の細胞死を引き起こし、光老化を促進させると考えられます。
■「トラネキサム酸」にはブルーライトによる光老化促進の要因を抑制する作用あり
第一三共ヘルスケアが行った研究では、「トラネキサム酸」にはこれらのブルーライトによる光老化促進の要因を抑制する作用があることが分かりました。
そのため、トラネキサム酸が配合されたスキンケア製品を使うことで、ブルーライトの影響を低減できる可能性があると考えられます。スキンケア製品を選ぶ際は、ぜひ一度成分表を確認し、「トラネキサム酸」が配合されているかを確認してみてください。
太陽光だけではなく、その他ライトやスマホ、パソコンなど、多くの人が生活のあらゆる場面で無意識に「ブルーライト」と接触し、長時間その影響を受け続けています。
今回の調査を通して、ブルーライトの影響を正しく理解し、日々の生活の中でもブルーライト対策を心掛けましょう。
第一三共ヘルスケア株式会社 研究開発部 研究センター 久保 沙耶香(くぼ さやか)
大学院では生命機能学を専攻。第一三共ヘルスケア株式会社に入社後、医薬品やスキンケア製品の安全性・有用性の評価を行う他、探索研究を推進している。
関連情報:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/sunlight-01/
構成/Ara