■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議
スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、LINEの統合について会議します。
ソフトバンク宮川社長がしびれを切らした
房野氏:Zホールディングス(以下ZHD)、LINE、Yahoo!の3社が合併を発表しました。実は2019年にもZHDとLINEは経営統合を発表していて、その時はYahoo!の川邊健太郎氏とLINEの出澤 剛氏がZHDの共同CEO(Co-CEO)になっています。今回は出澤氏の単独CEO体制になって、LINEを作り上げた慎ジュンホ氏が代表取締役に加わり、川邊氏は会長という立場になります。
Zホールディングス株式会社 代表取締役社長Co-CEO 川邊 健太郎氏(役職名は2022年10月1日現在)
Zホールディングス株式会社 代表取締役Co-CEO 出澤 剛氏(役職名は2022年10月1日現在)
Zホールディングス株式会社 取締役 GCPO 慎 ジュンホ氏(役職名は2022年10月1日現在)
房野氏
石川氏:2年前は、50対50のイーブンな関係だったので、何も変わらなかった2年間という感じだったのかなと思いました。先日、ソフトンバンクの第3四半期の決算会見で宮川さんにこの2年間について質問しましたけど、宮川さんとしては相当しびれを切らしていた。「それぞれのメンバーは頭が良くて素晴らしいんだけども」と言いつつ、一緒になったら……。
ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一氏
石川氏
法林氏:行間にものすごく含みのある回答だったよね。あんなに行間に思いが詰まった回答は歴史に残るレベルだった。
法林氏
石野氏:うわっ〜と思いましたもんね。
石野氏
房野氏:「僕はがっかりしたよ」という宮川さんの気持ちが感じられました。
石川氏:相当待ったけど、何も変わらなかったんだろうなと。入居するビルすら同じにならなかった、みたいなことも言っていた。両者、何も歩み寄ろうとしなかったんだろうなと感じた。
法林氏:対等な合併って、双方の現場がどうこうじゃなくて、トップ同士が「おい、やるぞ」って決めていかないと難しい。あの2人(川邊氏、出澤氏)の組み合わせでは何もできなかったってことですよね。
石川氏:お互いが強すぎるというか、Yahoo!はYahoo!で今まで培ってきたものがあるし、LINEはLINEで勢いがあるし。
法林氏:Yahoo!はポータルをはじめ、ショッピングもニュースもヤフオクも色々ある。統合したんだったら、例えばトップページにLINEの通知が出るとかね。LINEにメッセージが届いたら、Yahooのページを開いた時にポップアップが出るとか、そういうことってできそうだって、みんな思うじゃないですか。それすらもなかった。
石野氏:そもそも、Yahoo!とLINE、広報が別々にいるんですよね。
石川氏:ZHDにもいる。
石野氏:無駄といったら言い過ぎだけど……
法林氏:抱えているテリトリーがそれぞれ大きいからね。
石野氏:仕方がないんですけど、ただ、管理部門を統一できないでどうするんだろうというのは、ちょっと思ったところです。
石川氏:2年前に統合するという話になった時に、一般メディアは「これでGAFAに対抗する」みたいなことを言っていた。実際はGAFAまでいかなくても、せめてアジアでは何とか存在感のあるインターネットカンパニーになればいいかなってくらいだったんですけど、それにもならなかった。下手したら、これ、一緒にならない方が良かったんじゃないのかなって気もしていて……
法林氏:対抗軸として競争力を示しあえればね、良かったかもしれない。
石野氏: まぁ、統合するにあたって、普通に考えてCo-CEOとか結構、無理がありますよね。
法林氏:金銭的には一緒になる方向に進んだけど、本人たち的には「相手が消えていくだろう」っていうことしか考えてない。だって2年間やってきて、何一つ具体的なものが出ていない。
石野氏:一応、LINE PayがPayPayのQRコードを読んで支払えるようにはなりましたけど。
法林氏:それは、巨大なPayPayに対して、LINE Payが小さいからでしょ。
石川氏:2022年の12月に、Yahoo!、LINE、PayPayの合同の記者会見があって、スーパーとかでメーカーの製品を買うとマイレージが貯まりますよ、購買データで販促ができますと、という発表会で、そのサービス名が、なんだっけ……「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」っていう、センスのかけらもない名前を出してきて。
房野氏:一応、法人向けにわかりやすくしたという言い訳はしていましたね。
石川氏:まぁ、わかりやすいのは確かにそうだけど、自分からすると、毎回、社名の順番を考えちゃうわけですよ。
石野氏:法人向けだとしても、本当にわかりやすいかなぁ……。
石川氏:先日、別の発表会で「石川さん、よく質問してくれました。私もそう思ってました」って言われた(笑) 社内的に「どうなんだ?」っていう疑問はあったらしいんだけど、3社の社長がいる中で、お互いが譲れなかったんだろうなと。そういう中での先日の統合の話だから、まぁ、そうだよな、みたいな。宮川さんがキレたのもわかるよな、みたいな。
LINEが主導でどこまで統合できるか
房野氏:結局、どうなるんですか?
法林氏:どうにもならないですよ。
石野氏:統合しちゃいますよ。
法林氏:最終的に、LINEを作った慎ジュンホさんがどういう風に動くのかはわからないけど、LINEカラー、NAVERカラーが若干強くなった。強権発動するのかなと思う一方、日本のインターネットカンパニーとしてYahoo!はあまりにも大き過ぎるので、どうやって折り合いをつけていくのかなってところ。
石野氏:少なくとも、まず同じ場所で働けと。住所を1つにして、拠点も揃えろと。外側からゴリゴリやっていくことはしている感じです。
法林氏:グループ内で人の異動も活発になっているようです。経営層としては、社員をシャッフルしたいという意識が感じとれる。でも、LINEとYahoo!、ZHDの現場の人たちがどう思っているのか。あと、お金がらみではPayPayが圧倒的に強いので、そこはそれでまとまっていくでしょう。
房野氏:LINEのアプリとか、今後は何か変わってくるでしょうか。
石野氏:LINEアプリを変えるのは難しそうな気がする。
法林氏:LINEアプリなんて、戦えないがゆえにこうなっている。iPhoneとAndroid間でデータを移せない問題がずっとあったけど、総務省の会合で「流動性を下げている」という話になって、慌てて「すみません、やります」と言い出した。なんだろう、自分の会社の立場だけを守る昔っぽい意識がここにも生きていたという感じで、やっぱりダメな気がする。最終的には中で潰し合いをしていくしかない。そこでLINEがちょっとイニシアティブを取るかもしれない。ただ、金融とPCポータル、PayPayとYahoo!は絶対離れない。
石川氏:結局3つなんですよね、どれも強いから。ユーザー視点として、その3つがつながるかといったら、そうじゃない。そこが最大のネックのような気がする。楽天はもう、金融もインターネットサービスも「楽天」で統一しているじゃないですか。
法林氏:IDが1つだもんね。
石川氏:そう。
法林氏:ログインは違ったとしても、一応、それぞれ紐付けができるものね。楽天IDを持っている人は証券の口座も作れるし、証券のログイン口座は別だけど、一応紐付けられる。それに楽天ポイントを証券で使える。
石野氏:LINE、Yahoo!の方はグループ感がまったくないんですよね。名前を変えちゃった方がいいんじゃないかなって思いますね。
法林氏:LINEをやめる?
石川氏:Yahoo!ブランドって、一時アメリカに何百億円というライセンス料を払ってたから、Yahoo!をやめるかたちで全部LINEブランドで統一するっていうのはアリだったんですけど、Yahoo!のライセンス問題は解決しちゃったので。
石野氏:国内での永久使用権を買っちゃったんですよね。
石川氏:使えるようになったので、残し続けるんだろうなと。
法林氏:石川君が言ってたっけ。Yahoo!では海外に出て行けないけど、LINEでは出て行けるっていう話もあるよね。つまり、Yahoo!は海外では各国にそれぞれあるので。例えばアメリカでYahoo!事業をやろうとしても、Yahoo!ブランドではできない。日本でのYahoo!の使用に関してはライセンスがある。日本でYahoo!がすごく強くなったから、「頑張って国外にも出て行こう」ってなると、「それ、ウチの商標なんです」ってところが出てくる。LINEだったらそうならない。
房野氏:Yahoo!をLINEにすると、海外でも使えると。
石野氏:LINEにすればできる。ポータルの需要が果たして全世界にあるのかっていうのはさておき、LINEブランドで開発したメッセンジャーアプリもそうだし、○○Payみたいなのとか、そのほか、デリバリーとか金融とか広告サービスとか、そういうのはとりあえず海外にLINEの名前だったら持って行けなくはないかなと。
石川氏:LINEが頑張っていた時、台湾やタイあたりでLINEが強かった時代があったけど、結局そこまでが限界だったというか、それ以上には進出して行けなかった。その後、情勢が厳しくなってYahoo!と一緒になったみたいな感じもするので、これから海外展開を頑張る、メッセンジャーアプリで頑張っていくといっても、結構厳しい。すでに決着がついちゃっている感じがするので。
石野氏:まぁ、そうですねぇ。
法林氏:LINEが普及している国、例えばタイだったらLINEのキャラクターを街中のいろんなところで目にするくらい普通に普及しているんだけど、その先に何か商売があるかというと……。中国系のメッセンジャーアプリとかもたくさん出ていて、それに押される可能性も当然ある。
IDの統合ができるか
房野氏:統合によるメリットは、どの辺にあるのでしょうか。
石川氏:Yahoo!はPC向けサービスで強かったけど、これだけスマートフォンが浸透した中で、LINEというスマートフォンユーザーにリーチするプラットフォーム、それが一緒になることによって、最強のインターネットカンパニーだよね、決済はPayPayだよね、という風になろうという狙いがある。ソフトバンク全体で見ると、ソフトバンク(モバイル)のユーザーを増やせる。そして、ソフトバンクのスマートフォンユーザーがLINEやPayPay、Yahoo!を使ってくれる。それによって経済圏が発展する、という両軸で回そうとしていたけど、インターネットカンパニー側が統合してもうまくいかなかった状況に、宮川さんがキレたってこと。
石野氏:決算などを見ているとYahoo!ショッピングは、かなり伸びているんですけど、そこにLINEを全然活かすことができなかった。一応、Yahoo!ショッピングとLINEを連携させて、お知らせとかは送ってくるんですけど、それだけか、みたいな感じがある。
房野氏:この統合にあたって、何か具体的な施策はないんですか?
石川氏:仕切り直しなんじゃないですかね。今まではYahoo!とLINEがにらみ合っていたのが、一応、LINE主導で統合されていくので、LINEを中心にどうしていくのか考えていくような気がします。金融系では、LINE銀行を作る、作らないといった話があるので、それをどうするかって話もあるし。
石野氏:銀行の話は継続するようですね。
石川氏:ああいうのがもったいないよね。
石野氏:そうなんですよ。
法林氏:LINEって大多数の人が使っているけど、周辺の金融系とかはどうにもならないし、逆に若い人たちからすると、LINEがつながるインターフェースの1つになっているから、例えば人にちょっとプレゼントするのはLINEギフト、みたいな話になっちゃってる。
Yahoo!の世界はどうかというと、もちろんYahoo!ショッピングでも贈れるけど、相手の住所を知らないと送れない。LINEだとLINEのアカウントで繋がっていれば送れる。そういうところは文化の違いというか。
房野氏:先ほど、Yahoo!ショッピングとLINEの連携の話が出ていましたけど、IDを統一するとか、そういうことはありえますか?
石川氏:それをしないといけない。
石野氏:しないとダメですよね。
法林氏:まずはそこからですよね。
房野氏:それもLINEが主導していくことになるんですか?
石川氏:でも、LINEってアカウントのイメージがないんだよな。
法林氏:アカウントは一応あるけど。
石野氏:あるけど、どちらかというと後付けだった。
房野氏:LINEは電話番号というイメージです。電話だから、ソフトバンクが主導するとかはないですか?
石川氏:ソフトバンクもIDっていう感じが薄い……
法林氏:結局、PayPayと同じで、紐付けしていくしかないんですよ。PayPayのIDとYahoo! JAPAN IDとソフトバンクの電話番号ってそれぞれ紐付くようになっている。なぜそこにLINEのアカウントが紐付かないのか。そういうところですよね。例えば、LINE Payに今いくらお金が入っているかわからないとか、LINE Payのお金をなぜPayPayに入れられないかとか。ソフトバンクポイントはPayPayのポイントになるけど、LINEポイントはなぜそっちに持って行けないのかとか、たくさんあるわけじゃないですか。なんか閉じている部分がある。お金の話になってくると、当然マネーロンダリング対策をどうするかって課題も出てくる。そういうことも含めて、今回はLINEに主導権が渡っているけど、努力していないのは、僕はLINEだと思います。
房野氏:ソフトバンクとY!mobileのアカウントも連携していますよね。
法林氏:別々だけど、両方とも正式名称はソフトバンクIDのはず。ただ、基本的に1電話番号に1アカウントなので、ソフトバンクとYahoo!とか、ソフトバンクとY!mobileの両方を持っていると、結局アカウントは2つ持っていることになる。
房野氏:IDとしてはソフトバンクIDなんですか?
法林氏:名前だけね。例えば、「石川」っていうソフトバンクIDを持っている中で、例えば石川君がY!mobileを使ってIDを持つとすると「石川2」とかになるわけですね。同じアカウント名を作れないから。
石川氏:IDはPepperにもありましたよ。あれも電話番号ベースというか、11桁の数字が割り振られていて、色々やり取りする、みたいな感じでした。
Pepper
房野氏:Yahoo!とLINEとソフトバンクだと、どこが1番アカウント数が多いんでしょう。
石野氏:アカウント数が多いのはYahoo!じゃないですか。
房野氏:LINEじゃないんですね。
法林氏:基本的に、ソフトバンクは全員、Yahoo!プレミアム、Yahoo! JAPAN IDが付いてくるはずなので、アカウント数としては同数以上。ソフトバンクを使わないYahoo!ユーザーはかなりいる。
房野氏:Yahoo!とLINEにはソフトバンクユーザーじゃない人たちがいて、それを統合できれば、ソフトバンクにとってもメリットがあるということになりますよね。
法林氏:LINEはみんなが使っているから、世間はLINEのアカウントが多いと思っているかもしれないけど、1番多いのはYahoo! JAPAN IDだと思いますよ。
石野氏:Yahoo!は月間アクティブユーザーが8400万です。
房野氏:LINEの月間アクティブユーザー数は9400万人だから、なかなか難しいところですね。
法林氏:どちらかに統合していくしかないけど、かつてソフトバンクのユーザーに「全員、Yahoo!を使ってください」と言い出したら、みんな「ん?」って思ったわけです。LINEでユーザーに対して同じことを言ったら、LINEのユーザーが「ん? じゃあもうLINEはやめる」って話が出てくる可能性はある。だから、アカウントって簡単に統合できないんだけど、ただ、それをやらなきゃいけない。でも、それを2年間放置した。
石川氏:アカウント戦略でいうと、たぶん、めちゃくちゃ出遅れていますよ。
法林氏:本当に遅い。
石川氏:その辺、楽天は楽天IDだし、ドコモはdアカウントだし、KDDIはau IDだし。それいろんなものが紐付いているけれど、ソフトバンクはいろんなものがありすぎた故に、何もできてないっていう。
法林氏:KDDIは最初、auのユーザーにだけau IDを発行していたのに、UQのユーザーにも発行し、かつオープン化してauカブコム証券やauじぶん銀行なんかもau IDで紐付くようになった。アカウントの統合や紐付けはKDDIは割と上手くやったと思います。
石川氏:そうですね、どこに行ってもPontaポイントが表示される。
法林氏:そう。逆にいうと持っていて良かった感がある。
房野氏:ソフトバンクはかつてTポイントを活用していましたよね。
石川氏:それが出遅れた原因になっている。
石野氏:ソフトバンクは、ソフトバンク、Yahoo!、LINE、PayPayと、いくつアカウント作らせる気だよっていう。さらに、ショッピングだって、Yahoo!とZOZO、ZOZOも今はZHDなので、2つある。ショッピングだけで「なんでファッションはこっちのIDで、雑貨はこっちのIDなんだよ」みたいことがあったりする。
石川氏:本来、IDを融合できていれば、「これを買った人には、こっちではこれを勧めればいいんじゃないか」といったマーケティングができて、シナジーが統合の魅力じゃないですか。でも、紐付けができていないから、結局そういう提案もできていない。
石野氏:ZHDとZOZOは楽天に別モノとして別のグラフにされてしまう始末。合わせれば、楽天市場ともっと接戦になるんじゃないの? ってちょっと思ったんですけど(笑)
房野氏:iPhoneの普及で、結局Apple IDとかに重きを置かれて、ソフトバンクに持ってこられなかったっていうようなことは考えられますか?
法林氏:それが原因ではないかな。Yahoo! JAPAN IDとの紐付けの仕方は、結構、右往左往したんだと思います。昔、ウィルコムを引き継いでY!mobileを始める時の記者発表会で、寺尾さん(ソフトバンク 常務執行役員 寺尾洋幸氏)だったかな、質問したんですよ。プレゼンテーションの資料で、Yahoo!メールが使えますと書いてあったから、Yahoo! JAPANのメールが送受信できるのかと聞いたら、「いや、それとは別です」と。それじゃドメインはどうするの? と聞いたら「別です」と。それはYahoo!メールなのかって突っ込んだ覚えがあった。それくらいですよ。要するに、最初はブランドだけ持ってきている感しかなかった。それが、Yahoo!のポータルとしての力もあるし、ヤフオクみたいなものが出てきてるから、それをちゃんと何とかしましょうよっていうことで、途中から、1ソフトバンク電話番号に対して必ずYahoo!のIDを付けて、Yahoo!プレミアムを載せて、ということになった。
石川氏:当初のY!mobileから比べると、全然Yahoo!色はなくなっていますよね。昔はYahoo!との連携をアピールしていたけど。
法林氏:「パケットマイレージ」というサービスもあって、Yahoo!のポータルにアクセスするとポイントやパケットが貯まるとか。
石野氏:あの、一応残ってますからね。
石川氏:全然アピールしなくなった。
法林氏:そうやって、ただでさえとっちらかっている中で、「今さらY!mobileだからYahoo!っていうイメージは強くないか」と思っていたところに、もう1つ、強力なLINEというブランドを持ってきちゃったから、もう破綻しているわけですよ。
房野氏:そうですね。
法林氏:強いブランドを持ってくるところまで行くんだけど、「それで?」みたいな感じですよね。それをどうやって活かすのか。auがカブドットコム証券を買収した時に、au証券にしなかった。auカブコム証券にして元の名前を残したじゃないですか。結局、ああいうことだと思うんですよ。かといって、さっきのLINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージというのは、それもまたどうかと思うわけですよ。
房野氏:銀行とかって、一旦、とまと銀行とかさくら銀行とか三井住友銀行とかにしているじゃないですか。そのやり方で、ミックスしたりできませんかね、LINEYahoo!みたいに、とりあえずまとめるとか。
石川氏:うーん、そういう風にするか、新しいブランドを作るか、どっちかなんじゃないですかね。
法林氏:新しいブランドを作った方が早そう。
石川氏:それくらい思い切ったこと、「同じ釜の飯を食う」じゃないけど、それくらいしないといけないんじゃないですかね。
石野氏:リモートワークのしすぎなのかも。
房野氏:実際、それもありそうです。
石野氏:同じ釜の飯なんて食えないじゃないですか。
石川氏:タイミングも悪かったと。この2年間、コロナ禍であまり出社もしなかったし。
石野氏:みんなバラバラなところにいた。会社が統合されましたといわれても、社員からしたら「何それ?」って話ですもんね。
房野氏:では、コロナ禍も収まってきたことですし、みんな出社しましょうよということですね。
法林氏:顔を合わせて話していないだろうしね。
石野氏:リモートワークだけじゃ、ダメかも(笑)
……続く!
次回は、KDDI、ソフトバンクが提供する「デュアルSIMサービス」について会議する予定です。ご期待ください。
法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。
石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。
石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。
房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。
構成/中馬幹弘
文/房野麻子