自分が上司の立場にあるとき、部下とのコミュニケーションに悩んだ方も多いのではないでしょうか。特に同性よりも異性(ここでは女性)の部下とは「どう接すればいいかわからない」と苦手意識を持つ方が多いようです。そんな方に向けて、今回は女性部下を苦手を思ってしまう原因と、接する際に意識するといいポイントをご紹介します。
女性部下とのコミュニケーションに悩んでしまう3つの主な原因
まず初めに、なぜ女性部下とのコミュニケーションに悩んでしまっているのか、その主な原因を考えていきましょう。その原因を知ると、漠然とした苦手意識を払拭することができたり、対処方法が明確になりこともありますのでぜひチェックしてみてください。
1.女性の考えがわからないと思い込んでいる
「男性脳」「女性脳」という言葉があるように、男女では考え方や価値観の違いがある、とその女性部下とのコミュニケーションをとる前に思い込んでいる人がいます。その先入観こそがコミュニケーションがうまくいかない原因です。
確かに、脳科学では「男性は論理性、女性は感情に基づいて行動する」と言われていることもありますが、そもそも考え方、価値観の違いは、男女関係なく全員が違うもの。まったく同じ考え方、価値観の人なんてまず存在しません。それなのに女性というだけで「わからない」、「理解できなくて仕方ない」と思い込んでしまってはないでしょうか。
2.男女の違いを必要以上に意識している
女性であることを意識しすぎているのも、苦手意識を作る原因となります。
1.と同様に、女性であるという先入観によって、目の前の女性部下の人となりを理解しようとしていない可能性があります。その先入観を自分の中で認識して払拭しない限り、部下との距離はずっと遠いままになってしまうでしょう。
3.ハラスメントを気にしすぎている
今は、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど、各種ハラスメントが周知されています。周知だけではなく、国も2020年6月にパワハラ防止法を施行するなど、ハラスメントの予防・防止への意識は高くなっています。
もちろん、上司の立場として、ハラスメント対策に取り組むことは間違ってはいません。しかし、部下に気を遣いすぎている状況で信頼関係を築くことは難しいでしょう。コミュニケーションがうまくいかないのも当然かもしれません。
女性部下を接するときに意識するポイントは3つ
女性部下とのコミュニケーションに悩んでしまう主な原因がわかったところで、次に意識するといいポイントをお伝えします。
1.女性であるという先入観を捨て、男女関係なく公平に接する
まず取り組んでもらいたいのは、女性であるという先入観をなくすことです。原因で解説した通り、先入観を持ったままでは、目の前の女性部下の人となりをちゃんと見ることはできません。
男女関係なく、考え方、価値観は全員違います。女性だからといって特別視する必要はありません。フォローが必要な場合は上司としてサポートすればいいのです。
2.感謝を言葉で伝える
部下とのコミュニケーションで大切なのは、感謝を言葉で伝えることです。こちらの方法も女性に限ったことではなく、部下とのコミュニケーションに限定されることでもありません。すべての人とのコミュニケーションにおいて大切にしてもらいたいポイントです。
部下とのコミュニケーションにおいては、上司が頼んだ仕事に対して感謝なんて言う必要はない、と思っているのであれば、まず前提としてその考えは改める必要があります。
なぜなら、上司など上の立場の人から感謝されることは、「自分の存在を認めてもらえている」と相手が実感できる行動だからです。また、感謝を伝えるという行動は自然と相手の良い面を意識することでもあります。上司として部下の良いポイントに注目するクセをつけることは、部下との信頼関係につながります。
褒めるポイントは、「いつもありがとう」などでも構いませんが、仕事の内容であれば、結果よりも「仕事の進め方がとても良かったよ」というように、仕事で結果を出すために必要な行動(プロセス)を褒めるようにしてみてください。仕事のプロセスを褒めることでどのように仕事を進めればいいのかという部下自身のスキルアップや、やる気につながります。
3.一方的に伝えるだけではなく、話を聞く時間を作る
最後の3つ目は、部下の話を聞く時間を意識的に作ることです。これは相手との信頼関係を築く上でとても大切なことになります。
最初から「何か困ったことはない?」と質問するよりも、まずは話しやすい空気を作るために雑談など軽い話題からコミュニケーションをとっていくといいでしょう。
部下との間に信頼関係が築くことができていけば、部下のほうから報告や相談をしてくるようになるはずです。
部下から報告や相談をする行動は、成長するために必要なステップです。そのステップを部下が行いやすいように、一方的に仕事の内容を伝えるだけでなく、話を聞く時間を作ることを意識してみてください。
文・構成/藤野綾子
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