やらなければいけないことはあるのに、どうもやる気が起こらない……。そんな瞬間は誰にでもあるのではないでしょうか。個人指導塾の某CMのように“やる気スイッチ”があればいいのですが、人間にはそんな便利なスイッチは装備されていません。
しかし、やる気のスイッチは簡単な方法で入れることができます。いつもやる気がない人はもしかしたらそのスイッチの入れ方を間違えているだけかもしれません。
そこで今回は、自分のやる気スイッチを入れる方法をお伝えしていきます。
そもそも“スイッチが入る”状態って?
まずは“スイッチが入る”という状態について説明します。小学館「デジタル大辞泉」によると、意味は<あるきっかけで、急に考えや気持ちが切り替わる。特に、あることがきっかけになって、意欲的になる。>状態とのこと。
急に考えや気持ちが切り替わるとあるように、“スイッチが入る”状態は、スイッチのように一瞬で切り替わるような、短期的な変化のきっかけを指します。
また、今回はやる気のスイッチと表現していますが、怒りの場合にも「注意を受けて、怒りのスイッチが入った」という表現もあります。
やる気のスイッチが入る3つの方法
続いて、やる気のスイッチが入るきっかけを意図的に起こす方法を伝えします。
1.まず、5分だけチャレンジしてみる
やる気が起こらないときに人は、モチベーション、つまりやる気のスイッチを先に入れてから行動しようとします。しかし、この考え方では外部からのきっかけがない限りなかなか行動は起こせません。
そんなときは逆の方法を試みてください。その方法とは、まずは5分だけやる気がなくても先に行動を起こすことです。
例えば、掃除が億劫で取り組めないとき、とりあえず目につくところだけと掃除を始めたらどんどん止まらなくなって部屋中を掃除してしまった、という行動がそうです。行動を先に起こすことによって、やる気が後から引き出された状態です。
やる気のスイッチが入っていない状態で、最初の行動を起こすのはとてもパワーが必要です。そんなときこそ、“5分だけ”が有効に働きます。5分だけなら「とりあえずやってみるか」という気持ちにさせてくれませんか? 5分だけ集中して行動してもやる気のスイッチが入らない場合はやめてOKです。無理して続けようとしても、今のタイミングではモチベーションが上がらない可能性が高いからです。そんなときは「今じゃなかった」と割り切ることで、その行動自体に悪いイメージをつけずにすみます。
「とりあえず5分」、行動からスタートさせてみてください。
2.小さな目標を設定する
やる気のスイッチを入れたいときは、何か最終的に達成したいことがあることがほとんどです。その目標が大きい、達成できる日までの期間が長いなどの場合には、そもそもモチベーションを最終目標まで維持することはとても大変です。
そんなときには、その大きな目標に向けて、その過程にある小さな目標を設定して、それをクリアしていくことでやる気スイッチを入れていきましょう。そのときに大事なのが、比較的簡単に達成できる目標を設定して、できた場合には自分を褒めてあげることです。
例えば、資格取得のために最終の目標が試験に合格することであれば、小さな目標は、前述した5分だけのように「5分だけ問題集と向き合う」という簡単なものを設定しましょう。
褒め方は、「〇〇ができた」と言葉にして発する、日記などで一文「〇〇を達成することができた」追加してみるなどです。どちらの方法でも、自分に対する褒め言葉や文字を認識することが大切です。
達成することができたという成功体験を積み重ねていくことで、やる気スイッチを入れ方を自分の中にインプットすることができます。
3.耐えられるストレスを自らに与える
ストレスと聞くと悪いイメージを持つ方がほとんどかもしれませんが、実はいいストレスもあります。それがやる気のスイッチが入るきっかけをくれる場合があるのです。こちらは、周囲からの刺激(ストレス)によってやる気のスイッチを入れるという方法となります。
例えば、スポーツをしているとき、大会などでは自分の能力以上のものを発揮できる人がいます。この人は周囲からのプレッシャーを刺激に変えて、自分の能力を高めているのです。
しかし、こちらの方法は、ある程度自分のストレス耐性がわかっている人でなければおすすめできない方法でもあります。そのストレスによって「疲れが取れなくなった」「眠れない日が続く」などの身体症状があった場合にはあなたには適していない方法ですので、ストップしてください。
以上の方法は日常で簡単に取り入れることができます。ぜひチャレンジしてみてください。
文・構成/藤野綾子