第1只見川橋梁ビューポイント(写真:奥会津郷土写真家 星賢孝)
行動制限が課されていたコロナ禍が収まり、久しぶりの旅行は一味違った楽しみ方をしたいと考えている人も多いのではないだろうか。そんな人におすすめなのが、絶景が楽しめるローカル線巡りだ。
ウェイブダッシュが運営する、みんなでつくる地域応援サイト「生活ガイド.com」は、みんなのランキング第42回で「絶景ローカル線ランキング」のトップ10を発表した。
絶景ローカル線ランキング トップ10
今回1位になったのは、福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ路線「JR只見線」であった。
只見川に沿って走る絶景列車で、全国でも屈指の秘境路線だ。雄大な山々の秋の紅葉と冬景色は人気が高く、心を鷲掴みにされる人も多いのだとか。特に只見川第1橋梁は高さも相まってスリルもあり、ドキドキと広大な景色の両方が堪能できる。
「JR只見線」を選んだ人からは「福島県民です。只見線は自慢のローカル線です。」(50代男性)、「もう50年前に、一度行ったことがあります。すばらしい絶景をもう一度経験してみたいと思います。」(70代女性)などのコメントがあった。
また、只見線管理事務所の担当者にもコメントをもらい魅力を語ってもらった。
1位の受賞コメント
この度は「絶景ローカル線ランキング」で、只見線を第1位に選んでいただき、誠にありがとうございます。只見線は、福島県の会津若松駅(会津若松市)と新潟県の小出駅(魚沼市)をつなぐ、JR東日本の路線です。
1926年開業の会津若松駅を起点とした「会津線」と、1942年開業の小出駅を起点とした「只見線」、そしてダム建設の資材輸送鉄道がつながり、1971年に現在の只見線となりました。2023年は全線開通52年となります。
東日本大震災と原発事故のわずか4ヶ月後の2011年7月、新潟県と福島県会津地方は豪雨災害に見舞われ、只見線も鉄橋や土砂崩れに伴う線路の崩壊など、甚大な被害が発生しました。
JR東日本の懸命な復旧により、被災の翌年には大部分で運転が再開されましたが、3つの鉄橋が流出し大きな被害となった会津川口駅~只見駅間は、2022年9月までバスによる代行輸送が続きました。
只見線を復旧したいという地元皆さんの強い思いが実を結び、上下分離方式(福島県が会津川口駅~只見駅間の鉄道設備を保有、JR東日本が列車を運行)という新たな形で、被災から約11年後の2022年10月1日、遂に全線での運転が再開となりました。
復旧した第7只見川橋梁を渡る列車(写真:奥会津郷土写真家 星賢孝)
只見線は秘境ローカル線としても人気が高く、只見川や河畔の集落、雄大な山々がおりなす車窓からの絶景は、多くの方々に愛されています。
今やその魅力は国外にまで及び、中国のインターネット上では「世界で最もロマンチックな鉄道」と絶賛され、また、日本在住外国人が選んだ「アフターコロナに行きたい日本の観光地」の第2位に選出されるなど、国内外から注目を集めています。
只見線の中でも特に人気が高いのが、第1只見川橋梁です。大渓谷、鉄橋と列車、川面をどんなバランスで撮るか…カメラマンでなくてもチャレンジしたくなります。
奥会津ビューポイント(写真:奥会津郷土写真家 星賢孝)
色鮮やかに、大自然が衣替えする秋を満喫したら、しんしんと雪が降り積もり、白銀の世界に包まれる冬、待ちわびた季節を謳歌する花々が渓谷をパステルカラーに染める春、やわらかな新緑、畑も森も清々しい緑に染まる夏。只見線には四季折々の魅力があります。ぜひ、只見線に乗って、大自然の絶景を楽しんでみてはいかがでしょうか。