MATANAとは?
加速度的にデジタル化が進む世界で活躍するハイテク企業のトップランナーが変わりつつある。4大テック企業として「GAFA」がそこに君臨していたが、2023年以降は「MATANA」の時代となりそうだ。MATANAとは米シリコンバレーのテック企業をリサーチするコンステレーション・リサーチ創業者のレイ・ワン氏が生み出した造語であり、左図の6社の頭文字をとっている。これらの企業が今後の世界経済を牽引するビッグテック企業という見方だ。
米国のマクロ経済に詳しいソニーフィナンシャルグループのシニアエコノミスト・渡辺浩志さんがこう解説する。
「いずれも高い成長が期待できるばかりでなく、DXや人工知能といった旬な経済テーマとの関連も深く、投資家も関心を寄せている企業です。
例えば、テスラはクルマに『移動を楽しむ空間』として新たな価値を提供してくれますし、半導体メーカーであるエヌビディアは、AI関連では欠かせないGPU(※)で高いシェアを誇っており市場を牽引すると期待されています。株式時価総額は売上高で同社に勝るインテルを上回っています」
スマホ・PCと、それらで利用するアプリ・サービスはもはや〝生活必需品”。歴史や規模にかかわらず、社会課題を解決するソフト・ハードを提供できる企業に期待が集まる。
テスラとNVIDIAが加わりFacebookが抜けた新生ビッグテックの〝頭文字〟
「GAFAからFacebookが外れたのは、同社が掲げる〝メタバース〟への投資の勝算や市場の成長に、投資家たちが懐疑的になっているからかもしれません」(渡辺さん)
半導体市場は上昇と減衰を繰り返しながら成長を続ける
(注)2022年および2023年は予測値。(出所)WSTS、CEICをもとにジェトロ作成。
ハイテク企業に欠かせない半導体の需要は右肩上がりだ。「需要は2年間で上下しておりしばらく低迷しそうですが、今年末には復調が見えてくるでしょう」(渡辺さん)
※Graphics Processing Unitの略。画像や映像処理を担うPCのパーツ。
取材・文/久我吉史
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