副業として注目を集める「クラウドソーシング」のメリットとデメリットとは
最近話題となっている「クラウドソーシング」をご存知だろうか。クラウドソーシングとは、企業がインターネットを通じて色々な業務を不特定多数に対しアウトソーシング(外に発注)する業務形態のことを指す。
気軽に副業や在宅ワークとして始められるため、「気になっている」という人も多いのではないだろうか。
そこでベクトルは、10代~60代の男女500人を対象に具体的にクラウドソーシングでどういった仕事をしているのか、満足度など「クラウドソーシングについてのアンケート調査」を実施した。
人気のクラウドソーシングサイトTOPは「クラウドワークス」
もっとも多くの人が利用しているのは、「クラウドワークスであった」。500人中492人が利用しているという結果で、圧倒的な支持率となっている。幅広い仕事内容に対応している点も、利用率が高い理由なのだろう。
次点は「ランサーズ」。初心者向けの機能も充実していて、初めてでも利用しやすい点が魅力。どちらも歴史ある老舗サービスで、安定したサービスを提供している。案件を受注しない限り手数料が発生しない点も利用者に支持されているポイントだと思われる。
続いて、クラウドソーシングサイトを利用するきっかけについても聞いてみた。
・隙間時間も有効活用し稼ぎたいため:225人
・本業だけの稼ぎでは足りない・生活費の補填のため:147人
・時間や場所に縛られずに仕事がしたいため:139人
・自分が自由に使えるお金が欲しいため:127人
仕事の受注から納品まで、すべてをネット上で完結できるクラウドソーシングなら、自分の好きな時間、少しだけ空いた時間に稼げる。アンケートの回答などの簡単な仕事であれば、ちょっとした隙間時間でも収入を得ることが可能だ。
たとえ「1日15分」しか稼働できなくても、自分に合った仕事を見つけられるのがクラウドソーシングの特徴である。また「ちりも積もれば山となる」の諺どおり、着実に少しずつでも稼いでいける点が魅力なのだろう。
クラウドソーシングのメリットとデメリット
実際にクラウドソーシングに挑戦してみて、「良かった」と思える点を聞いてみた。
もっとも多くの人が選んだのは、在宅で仕事できるという理由であった。家事、育児、介護で外に働きに出るのは難しいという人でも、「自宅で好きな時間」であれば仕事ができるという点が魅力なのだろう。
また、本業を持っている人も、帰ってから自宅で副業であれば「両立がしやすい」というメリットにもなる。スキルや経験がなくても挑戦できる、「気軽さ」も魅力と言えそうだ。
クラウドソーシングでの作業に慣れてきたら、仕事の難易度を上げて収入アップを目指すことも可能。あらゆる意味で、「自分に合った働き方が選択できる」という点も支持されている理由と考えられる。
自分の好きな場所、好きな時間に仕事ができるクラウドソーシングは、自由度の高さは魅力だが、デメリットもある。そこでクラウドソーシングをしている人が、実際に感じているデメリットについて聞いてみた。
今回アンケートに回答した500人中、半数以上の272人が「仕事量や収入が不安定」である点を挙げた。仕事がある時期は非常に忙しいものの、仕事がない時期は、今後の収入に不安を感じる人も多いよう。
また気になるのが、237人が選んだ「思ったよりも稼げない」という意見。第4位の「資格やスキルがないと、あまり稼げない(167人)」からも分かる通り、誰でもできる仕事でしっかり稼ぐことは難しいようだ。
クラウドソーシングで充分なお金を稼ぐためには、自分の強みを理解し、成長させる工夫が必須と言えるだろう。
204人が選んだ「手数料がかかり、手元に残るお金が思ったよりも少ない」というデメリットについては、利用するサイト選びで最小限にできる可能性がある。
受注経験がある仕事内容第1位は「アンケート・モニター」
では実際に、今回アンケートに回答してくれた人たちは、どういった仕事内容に取り組んでいるだろうか。
「アンケート・モニター・感想など」の仕事経験がある人の割合は96%であった。ほとんどの人が「経験がある」と回答している。一般消費者の意見を集める目的で行われるアンケート・モニターであれば、特殊な技能や経験は必要ない。
比較的誰でも、手軽に挑戦できる仕事内容で、かつほんの数分でできるものが多いので、ちょっとしたスキマ時間を活用して行える点も魅力なのではないだろうか。
一方で、翻訳やWEBデザインにプログラミングなど、専門知識を活かして活躍する人も多数。イラストや音楽制作など、センスを活かして仕事をしている人もいた。
初心者で特に資格がない人も、がっつりと専門知識を持っていて資格を活かしたいという人もどちらも活躍できる場があるという点も、クラウドソーシングという働き方に惹かれる人がたくさんいる理由なのだろう。
クラウドソーシングで仕事をするとき気をつけたいポイント
手軽さで人気のクラウドソーシングだが、「仕事」である以上、注意するべきポイントもある。
半数以上の人が「できる範囲でしか仕事を受けない、無理をしない」と回答。無理をして納期に間に合わなかったり、プライベートと仕事との境目が不鮮明という点からも、自己管理は必須だ。
2番目に多かったのは「評価を増やすため、簡単な作業で実績を積む」という意見。仕事を依頼したい人と受けたい人が手軽に出会えるクラウドソーシングだが、だからこそ「信用」が鍵となる。
登録してすぐの段階で、難易度の高い高額案件を受注するのは難しい。企業様も実績のない人よりは、実績がある人を探して依頼をしたいと思うはず。誰でもできる仕事から、コツコツと少しずつスキルを磨いていくのがコツのようだ。
クラウドソーシングで稼ぐお金は「~5,000円未満」、仕事年数は「~1年未満」が多数
続いては、気になるみんなの収入事情。クラウドソーシングで月にいくらぐらい稼いでいるのか、また仕事年数について聞いた。
収入については1カ月あたり「~5,000円未満」という声が圧倒的多数。やはり、クラウドソーシングで大金を稼ぐのは難しいと言えそうである。
3万円以上稼げているのは、全体のわずか4%。とはいえ、専門知識や自分だけの強みがあれば、充分なお金を稼げる可能性もありそうだ。
仕事の継続年数については、「~1年未満」という意見がもっとも多い結果に。半数近くの人は、この1年の間に新しくスタートしている。
コロナウイルス感染症の流行により、働き方を見直す人、失業やシフトが減ったことのよる収入減で副業をしたい人など、様々な人のニーズに合ったクラウドソーシングに目を向けた人が増えてきているのかもしれない。
5年以上の経験がある人の割合は、全体の7%。クラウドソーシングでの仕事を自分の中で定着させるには、自分なりのコツを掴み、無理なく自分のペースで仕事ができるということが大切だ。
そこで最後に、クラウドソーシングを今後継続するかどうか意見を聞いた。
97%と圧倒的多数が継続を希望している。継続したい人、継続したくない人にそれぞれの理由を自由回答で聞いた。
継続したい理由
・親の介護があり、外で長時間働きに行くのが難しく隙間時間で収入になるため
・小さな子どもがいるので、まだ働きに出られないが、食費の足しや、自分の自由に使えるお金が欲しいので継続したい
外に働きに行きたいけど行けない、でも稼がないと…という人に支持されているよう。
介護、子育て中といった「外に働きに行きたいけど行けない」という理由を持っている人にとっては、在宅で少ない時間でも収入に繋がる「クラウドソーシング」は大変使い勝手が良いサービスと感じているようだ。
隙間時間や好きな時間に少しでも収入アップに繋がるのであれば!という意見も多かった。また、自分のキャリアアップのためや新しい仕事やクライアントとの出会いを大切にしつつ仕事をしている人もいた。
継続したくない理由
・あまりにも収入が少ないため暮らしていけないから
・継続案件に多数応募しているが、なかなか面談までいけず安定しないため、お仕事がいただける他の方法に切り替えようと思い、継続を迷っている
・簡単にできる事しかやってないので収入にもならないのでたまにやるくらいでぜんぜん仕事にならない。続ける必要を感じない
「収入面」について折り合いが合わないという意見が目立つ結果となった。お小遣い程度の少額の報酬が貰えればOKではない場合、収入が不安定な中で働くよりも、外で働いたり他にもっと収入が良い場所に移ろうと思われているようだ。
調査概要
調査日:2022年10月04日~2022年10月18日
調査方法:インターネットによる選択・記述式回答
調査対象:クラウド上で仕事をしたことがある人
調査人数:500人
関連情報:https://www.vector-up.com/media/
構成/Ara