この数年の経済状況や働き方の変化により、「早期退職」という言葉を多く耳にするようになった人も多いのではないでしょうか。今後の自身の選択肢のひとつとして考えている人もいるかもしれません。
本記事では、早期退職のメリットやデメリット、年代別の注意点などを解説していきます。
早期退職とは?
早期退職とは、定年を迎える前に自主的に会社を退職すること。「アーリーリタイア」とも呼ばれています。会社のほうから一方的に退職を言い渡されるリストラとは違います。
一口に早期退職といっても、様々な種類があります。
例えば「早期退職制度」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
早期退職制度とは、業績悪化などを受け、会社が退職者を募集する制度。多くの場合「〇歳以上」「勤続〇年以上」といった条件のもとで行われます。会社側が一方的に言い渡すリストラと異なり、対象社員が自主的に制度を利用して退職する流れです。会社都合の退職となるため、退職金の割り増しなど、通常よりも良い条件で退職できるケースが多いようです。
また、退職する年齢を自分で決められる「選択定年制」を設けている会社もあります。会社の業績とは関係ないため、自己都合退職とされることが多いですが、会社によっては取り扱いが異なることもあるようです。取り扱いについては会社側に確認するようにしましょう。
早期退職して良かった!メリットとは
早期退職という選択肢をとった場合、どのようなメリットがあるのか、見ていきます。
会社都合の場合、退職金や失業給付金の面でメリットがある
前述の通り、会社都合による早期退職の場合、退職金が割り増しされた状態で受け取れる可能性があります。また、失業給付金を受ける際も、会社都合なら待機期間が短いほか、受給期間も長くなります。
ただし、自己都合であっても正当な理由で退職した場合は扱いが変わります。自分のケースが正当な理由になるかは、ハローワークの担当者に相談してみましょう。
セカンドキャリアをスタートできる
これまで積み重ねてきたスキルや経験をもとに、セカンドキャリアをスタートできます。転職や起業、進学、留学など、様々な選択肢があるでしょう。組織に属さなくなったからこそ、新たな視点でキャリアを考えられるかもしれません。今までできなかったことにチャレンジできるでしょう。
早期退職はやめたほうがいい?デメリットとは
早期退職にはデメリットもあります。メリットとデメリット、両方を理解するようにしましょう。
収入が不安定になることも
次の就職先が決まってから退職する人は別ですが、そうでない場合、退職後に次の仕事がすぐに見つかるかはわかりません。起業してすぐ軌道に乗るとも限らないでしょう。また、無職の状態が続いたり、転職して給料が下がったりすると、将来の年金支給額にも影響があります。
退職金などまとまった額が入ると、気が大きくなってしまうかもしれませんが、収入が途切れた状態がずっと続くとどうなるか頭に入れておくことが大切です。今の貯金でどれくらい生活できるか、シミュレーションをしてみましょう。
再就職できない…転職難易度が高くなる
専門性の高いスキルや経験を持つ人材は別として、多くの場合、年齢とともに転職難易度は高くなります。確かに近年ではミドル・シニア世代の転職市場も盛んになっていますが、現職と同様の条件の仕事を見つけられるとは限りません。たとえ再就職しても、新しい職場や仕事に馴染むのが大変だったという人もいます。
特に同じ企業に長年勤めていた人が転職を考えている場合、自分のスキルや経験の市場価値を客観的に判断してから、早期退職を決断することをおすすめします。