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CanCam編集長に聞く、SNS時代に20代女性が求める「私らしい」の正体

2023.03.23

1981年11月(1982年1月号)に創刊した、女性ファッション誌『CanCam』。以来、40年以上、ファッションや美容を中心に女性のライフスタイルにまつわる情報を発信。常に時代をリードしてきた。その人気を牽引してきたのは、専属モデルの存在も大きい。元『CanCam』専属モデルをあげれば、女優・藤原紀香さん、米倉涼子さん、長谷川理恵さんなど枚挙にいとまがない。全盛期は、モデル蛯原友里さん、山田優さん、押切もえさんが登場していた2000年代だ。当時の発行部数は80万部に達し、金字塔を打ち立てた。その後も人気企画を次々と世に送り、現在は「社会人になったらCanCam!」を合言葉に、20代を応援するエンタメファッションマガジンとして今でも絶大な支持を得ている。

時代と共に変化していく女性の心をいかにつかんできたのか、激動の時代の中で変わり続ける雑誌の作り方、仕事術について、CanCam編集長・安井亜由子さんに伺った。

『CanCam』安井亜由子さん
2004年小学館に入社し、『CanCam』に配属され、その後、『Oggi』を担当。欅坂46公式ビジュアルブック『KEYAKI』(小学館)などを手がけ、2020年10月から現職。

20代に最も響く言葉は「私らしい」

――入社以来ファッション誌を手がけてきたという安井さん。この20年間の女性の意識の変化についてお聞かせください。

入社当初は「キラキラしていてかわいい服やコスメ、ライフスタイル」の情報が求められている時代でした。『CanCam』は読者との距離が近いのも特徴のひとつ。SNSがない当時、読者の“今”を取材することもが、大切な仕事でした。

2000年代当時、20代の読者や読者モデルの方々とお会いしていると「素敵な彼がほしい」「いずれ素敵な人と結婚したい」という願望が根底にある人が多かったように思います。

当時の『CanCam』を見ても、「めちゃ♥モテ」「職場の華」「商社マンの彼を作る方法」「彼ママに好かれる方法」などの言葉や特集が並んでいます。

雑誌は時代を反映する鏡でもあるので、「モテて、愛される」ことにみんなの興味・関心が高かったのだと思います。

5年目に『Oggi』に異動して、「仕事をしてキャリアを積み上げていく」とか「働くかっこいい女性」「ベーシック」という、CanCamとは別の女性像の雑誌を作ることになりました。

それまで、ファッション誌は「トレンドのアイテムを紹介し、それを着ていれば正解」という選択肢を提示する要素が強いと思っていた部分もあります。でもそうではない。様々な女性の考えや状況に寄り添うことが大切だと感じるようになりました。

――2003年6月、小泉内閣時代の「男女共同参画推進本部」で2020年までに女性管理職を30%にするという目標が掲げられました。2000年代から、2010年代前半にかけて、「女性とキャリア」がファッション誌のテーマにもなっていました。

はい、それと同時にSNSが浸透し、雑誌のメディアとしての力が問われるようになったのもこの時代です。2008年にスマートフォンが登場し、誰もが自分たちで発信するようになりました。

そんな時代の20代に最も響く言葉のひとつが「私らしい」です。自分を大切に、誰かにこびることなく、好きなことを追求する。加えて、自分のことをよく知っています。

肌はイエベ(イエローベース)かブルべ(ブルーベース)か、骨格タイプがストレートか、ウェーブか、ナチュラルか……。

かつてのように、自分に似合わなくても「流行しているから着る」ということはありません。ですから私たちも、以前のような「指名買い」という見せ方はあまりしません。読者が数ある中から、自分らしいものが選べるような誌面作りを意識しています。

こう振り返ってみると、私のキャリアのうち、ほとんどは「雑誌に求められるものってが何だろう」ということを考え続けているかもしれません。

時代に合わせたメディアのかたち

――そのひとつの回答が「ナイトプール」のことですが、どういうことでしょうか。

イベント参加型のエンタメに力を入れているのも『CanCam』ならではだと思います。

その代表格が「ナイトプール」です。2022年の『CanCam×Tokyo Prince Hotel Night Pool』も大盛況でした。レトロかわいい空間で、シェルやペガサスの浮き輪に乗る。ノスタルジックをテーマにした、コラボフードも登場しました。

いつもよりステキな写真が撮れれば、SNSに上げたくなりますし、思い出になります。

また、写真や動画の撮り方ひとつとってもそうですが、情報のエビデンスは徹底しています。「その道のプロ」が解説しますので、「なんとなくの口コミ」にはない知見があります。これこそが、媒体だからこそできること。その切り口と見せ方については、日々考えています。

ムビジェニなナイトプールで動画を撮ってみた♪|【公式】CanCamナイトプール

―――誌面のイメージもだいぶ変わりましたね。

今、多くの人が膨大な情報を浴びています。以前の『CanCam』は誌面に隙間がないほど情報を載せていましたが、今はかなり絞り込み、わかりやすいように掲載しています。読者も忙しいので情報のキュレーションのセンスも雑誌に求められていると感じます。

――「見る」エンタメにも力を入れています。男性アイドルのグラビアは、群を抜いています。

直近では、3月号の企画で俳優の綱 啓永さんと八村倫太郎さんにご登場いただいた「見るだけでととのう『サ活』のすすめ」が好評でした。ここでおふたりは裸のサウナトークを披露。ファンの方がSNSに感想を上げてくださり、盛り上がりました。

この企画の背景は、「なんかサウナが流行っているね」と編集部で雑談しているときに、おふたりがサウナーだという情報をキャッチ。そして、オファーをしたら快諾いただいたのです。

雑誌は、撮影現場の空気が強く誌面に出るもの。スタッフも全員サウナーでチームを組み、楽しく撮影をしました。綱さんも八村さんもInstagramで紹介してくださり、読者以外の方にも興味を持ってもらえ、幅が広がりました。

流行っていることと、著名人を組み合わせて読者層に向けて表現する。これも雑誌ならではの提案だと思っています。

――情報収集はどのようにしていますか?

毎日、SNSはチェックしています。夜眠る前と、朝起きたらTwitterを見るというのは、習慣としてしみついています。Instagramもこまめにチェックします。

エンタメの情報はかなり細かく見ています。アイドルのコンサートにも行き、来ているファンの方たちが、何を着て、何を持っているかをよく見て、企画のヒントを得たりもします。

コンサートはある意味“推しとのデート”みたいなものですから、皆さん気合が入っています。“推し”も一つのトレンドキーワードですが、20代と話していると、「リアルな恋人とのデートよりも、推しとのデート(ライブや舞台など)のほうが、ファッションやメイクに気合を入れる」と語る人もいます。

後編では若手の登竜門『CanCam』専属モデルの審査基準や20代女性の「楽しい」みつけるヒントを伺った。

https://www.shogakukan.co.jp/magazines/series/048000

取材・文/前川亜紀 撮影/関口佳代

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