交際費や生活費、趣味に費やすお金などを捻出するべく、多くの学生が取り組むアルバイト。では、イマドキの学生のうち何割くらいがバイト経験があり、また、学生から特に人気を集める仕事とは、いったい何なのだろうか?
リクルートの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター」はこのほど、学生を対象にした「求職者の動向・意識調査」を実施し、その結果を発表した。
アルバイト探しは大きく増えたが、アルバイト経験は70.0%から57.4%に減少
2018年の調査結果と比べて、最近1年以内(2022年1月~12月)にアルバイト探しをした学生の割合は、26.8%から55.2%に大きく増加した。一方で、最近1年以内にアルバイトをした学生は、70.0%から57.4%に約13ポイント減っている。
理由として、2018年は、1年以内にアルバイト探しをしていないが、アルバイトをしていた(それ以前に始めたアルバイトを続けている)学生が47.9%いたのに対し、2023年は14.2%に留まったことが考えられる。
コロナ禍でアルバイトを控えていた状況から、この1年でアルバイト探しをする学生が増えた可能性がありそうだ。
学生からは、以下のようなアルバイト探しに関するコメントが寄せられている。
・「自宅近くを条件に働いているが、自分がやりたいこと、時給が良いところも探したい」(大学1年生/コンビニ・スーパー店員)
・「遊びや趣味のためにお金が欲しい」(高校3年生/コンビニ・スーパー店員)
・「就職活動にあたって、アルバイト経験があったほうが良かった」(大学4年生/その他販売店員)
・「将来のための社会経験を積みたい」(高校3年生/調理人、コック)
※括弧内は学校種別・学年、現在のアルバイトの仕事内容
大学生等・高校生ともに、コンビニ・スーパー店員が最多に
1年以内に探した仕事内容(図2)、現在のアルバイトの仕事内容(図3)どちらも、大学生等・高校生ともに、コンビニ・スーパー店員が最多となった。
特に高校生では、1年以内に探した仕事内容では41.7%、現在のアルバイトの仕事内容では25.0%に上り、現在アルバイトをしている高校生の4人に1人がコンビニ・スーパー店員に従事していることがわかった。
また、コロナ禍で大きな影響を受けた飲食店のホールスタッフは、現在のアルバイトでは全体で2番目、大学生等に限ると、塾講師などに次いで3番目という結果となった。
アルバイト探しの重視項目で、働く場所が上位に
アルバイト探しで重視する絶対条件では、2018年と変わらず、学業や私生活などとの両立のため、勤務時間帯や勤務日数といった働き方関連に回答が集まった。今回特に目立ったのは、アルバイトをする場所だ。
2018年には働き方や給与、仕事内容よりも重視されていなかった、通勤時間(通いやすさ)を絶対条件に挙げた学生が38.6%から57.2%に、勤務地が45.0%から56.7%に大きく伸長した。
コンビニ・スーパーでアルバイトをする学生が多いのも、コロナ禍でも継続的にアルバイトを募集していたことに加え、比較的営業時間が長く、営業日数が多いためだろう。
学生が希望するシフトで働きやすいことや、自宅や学校周辺どこであっても、自分が働きたいエリアに立地している可能性が高く、通勤がネックにならないことが理由として考えられる。
<調査概要>
調査目的:
・労働市場における学生アルバイトの就業実態および意識を明らかにする
・学生のアルバイトに関する求職実態および意識を明らかにする
調査手法:インターネット調査
対象者条件:
・全国15~29歳の男女
・現在の職業が大学院生、大学生、短大生、予備校生、専門学校・各種学校生、高校生のいずれかの人※高校生以外を「大学生等」として集計した。
調査期間:2023年1月6日(金)~1月13日(金)
有効回答数:3,000人
※グラフと数表は、集計結果の小数点以下第2位を四捨五入して表示している。
構成/こじへい