国内のスタートアップ企業は約1万社。その中でプロが注目している企業とは? 個人投資家、ベンチャーキャピタリストに聞くと、知られざるすごい会社が続々上がった!
宇宙
星評価について
下記の3点を編集部が判断。星の数の基準は次の通り。三つ星:素晴らしい。二つ星:とても良い。一つ星:良い。
新規性:サービス、プロダクト、事業モデルの目新しさを採点。将来性:トレンドの観点から将来性を予想。インパクト:社会に与える変化の大きさを消費者目線で評価。
民間初・宇宙ゴミ除去サービス提供「アストロスケール」
設立/2013年5月 資本金/1億円 従業員数/390名
世界No.1になり得る領域(シニフィアン・朝倉さん)
衛星軌道上のスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去を含む軌道上サービスを行なう世界初の民間企業。「革新的な技術を持ち、安全で持続可能な宇宙空間の利用に貢献。世界トップ領域を走る日本発のオンリーワンスタートアップです」(朝倉さん)
地球に収まらないスケールで挑戦を続ける元官僚起業家がすごい(ジャフコ・井坂さん)
CEOの岡田光信さんは1973年生まれ。東京大学卒業後、財務省などの勤務を経て同社創業。高校時代にNASAの宇宙飛行士訓練プログラムに参加。
衛星を飛ばして宇宙ゴミを回収
衛星は運用終了後に宇宙ゴミになるが、除去作業でそれを回収。写真は同技術実証衛星のイメージ。
〈DIMEの読み〉宇宙開発は世界各国が競って行なう成長産業。市場規模拡大に伴って宇宙ゴミ除去のニーズは高まる。宇宙の環境問題に貢献する点でも存在価値は大きい。
新規性/★★★ 将来性/★★★ インパクト/★★★
衛星データを用いた広域の地盤変動解析「Synspective(シンスペクティブ)」
設立/2018年2月 資本金/1億円 従業員数/186名
世界的に需要が高い衛星データの商用化に挑戦(ジャフコ・井坂さん)
小型SAR衛星の開発・運用と、同衛星の観測画像を解析したソリューションサービスを行なう。「解析データは政府から民間まで幅広いニーズに対応する。2020年代後半までに計30基の小型SAR衛星打ち上げを予定」(井坂さん)
2022年9月に打ち上げた同社衛星の画像。イタリアのベネチアとその潟が鮮明にわかる。
〈DIMEの読み〉小型SAR衛星による観測データは災害の予測や被害把握、環境問題などにも役立つ。衛星開発力も含め世界規模で重宝されるだろう。
新規性/★★★ 将来性/★★☆ インパクト/★★☆