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産業廃棄物処理施設と里山が共生するサステナブルフィールド「三富今昔村」誕生秘話

2023.03.15

1日中遊んでも飽きない!多彩なコンテンツが揃う「三富今昔村」

石坂産業の敷地面積約20万㎡のうち、約8割が緑地帯と環境対策施設に使われており、生物多様性保全の取り組みにより、日本生態系協会「JHEP」認証で、再高評価AAAを取得した森に成長した。現在1300種類ほどの動植物が生息している。

三富今昔村は石坂産業の本社ビル、プラントと共存する形で村内に8つのエリアがあり、入村する際は大人のみ里山保全費(平日500円、土日祝と特定日800円))の協力をお願いしている(「くぬぎの森交流プラザ」「語りべ館」「オークリーフ」のみの利用の場合は無料)。

「産廃の企業が運営していると知らずに三富今昔村に来られた方から『産廃業者は立ち退かなかったのか?』と言われることもあります。この里山は税金や行政の補助金ではなく、民間企業である当社が支えており、来られた方には一緒に保全活動をして欲しいという思いもあり保全費をいただいています。最初は理解していただけない方もいますが、私たちの活動を知ることでファンになる方も多く、そうしたリピーターから口コミで広まっています」(石坂氏)

三富今昔村には再利用、リサイクル製品が多く使用されている。階段や通路に使われている木材は線路の枕木を再利用。かつてはステータスシンボルとして邸宅に置かれた庭石も昨今はマンション住まいが増加したこともあり、廃棄物として持ち込まれるようになった。遊歩道や親水池など村内の随所に利用されている大きな石は、廃棄物として出された庭石だ。

同社のプラントで資源に再生したリサイクル製品の「エコセラブロック」は屋根瓦から再生したブロックで、水はけがよくヒートアイランド防止にもなる。再生ブロックは埼玉県内の越谷レイクタウンでも採用されている。

遊歩道に敷き詰められている「エコモアチップ」は木材から再生された敷材で、足裏にやわらかくあたる触感で吸水性にも優れている。

くぬぎの森の玄関口となる「くぬぎの森交流プラザ」では、自社農園の有機野菜や地元産の野菜を使ったメニューを提供。自社農園の有機小麦を使ったパンや自社ブランドの土産品も販売する。テラス席、BBQエリアも併設。

落葉樹の里山では落ち葉を使って肥料を作り、敷地内にある「石坂オーガニックファーム」で落ち葉の肥料を使い、年間約100種類の野菜を育てている。

「10000の丘」は かつて1万トンの不法投棄のごみが埋まっていた場所で、それをすべて片づけてハーブ園に生まれ変わらせた。ミモザ、オリーブ、エディブルフラワーなど様々なハーブを育てている。

3つのツリーハウス、里山を一周するミニトレイン「やまゆり鉄道」、重機に乗って撮影ができるフォトスポット、素足で遊べるアーシング、4つの神社を合祀した「しあわせ神社」、足湯など、1日遊んでも飽きないコンテンツが揃っている。

食関連の充実も三富今昔村の楽しみのひとつ。屋外のテラスが心地よい「くぬぎの森カフェ」では、埼玉県内の酪農家が作った無添加牛乳とフェアトレードの砂糖を使用した「こだわり牛乳ソフト」が人気。自家製シロップで作ったボカニカルドリンクや、自社農園の有機小麦を使った薪焼きオーガニックピザ、里山プレートランチ、三富ラーメンなどドリンク・フードが充実。

たき火ができる「ファイヤーサークル」(冬季のみ)では、焼きいも、焼きりんご、スモア、ホットドッグなどが楽しめる。

また、古民家を再利用した資料館「三富今昔語りべ館」の近くに今年2月、地元の旬の野菜と自家農園の有機野菜を使った、土と発酵をテーマにした和の料理を提供する「納屋茶寮 MEGURU」がオープンした。

【AJの読み】産廃処理場と自然が共生した稀有な施設

自然の宝庫の里山で、森林浴、散策、アスレチック、水遊び、BBQやたき火、食事、足湯など、1年を通じて子どもから大人まで楽しめる場所が三富今昔村。同じ敷地内にトラックが頻繁に出入りし、廃棄物再生プラントがあることが信じられないほど、心地よい場所だ。

所沢ダイオキシン問題の誤報をきっかけに、2代目の石坂典子社長を筆頭に社員一丸となり自然、地域との共生に向き合って取りくんできた成果が、三富今昔村という形に結実している。

2月下旬に訪れた際、高木エリア「風」には、堆肥にする落ち葉の山がたくさんあった。発酵して温かくなるため、カブトムシやクワガタなど昆虫が育つベッド代わりになり、夏には多くの昆虫観察もできる。

4月中旬ぐらいから芽吹き始め、ゴールデンウイークあたりはまぶしい新緑が楽しめるそうだが、季節ごとに異なる楽しみ方を社員の方に教えていただいた。

春~萌黄色の芽吹き、黄緑色の新緑から初夏の力強い深緑に変化する色彩を楽しめる。地面に咲く草花は最も種類が多くなる季節。

夏~ドクダミ、ヤマユリ(石坂産業のシンボルフラワー)、ヒヨドリバナ、シラヤマギクなど白い花が多い季節。今年伐採した区画には必ず潜んでいる、タマムシ探しがおすすめ。木陰のある林内は林外の日陰と比べて-5℃の差があるので涼しさをより感じられる。

秋~「育」エリアの山に群生するヤマジノホトトギスは一見の価値あり。リンドウやツリガネニンジンなど可愛らしい花も見られる。落ち葉堆肥置き場に多くいるコオロギは、鳴き声に耳を澄ますと3種類ほどの異なる鳴き声に気づく。

冬~落葉している時期だからこそ観察しやすいのが野鳥。白くて尾が長いエナガ、お腹がオレンジ色のヤマガラ、お腹にある黒い縦線がネクタイのように見えるシジュウカラ、小型のキツツキのコゲラたちが群れを作って行動している愛らしい姿も見られる。

文/阿部純子

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