いま、Z世代で巻き起こっている「ギャルブーム」。しかしそれはファッションやアイテムなどの見た目だけではない。考え方、生き方などの内面「ギャルマインド」が浸透しているという。
明るくポジディブで寛容。ダサいものにはダサいとハッキリ言える強さと忖度しない人間性がZ世代の価値観に響いているらしい。
さらにその勢いはZ世代を超え、一流企業にも波及している。
「ギャルマインド」でイノベーションをもたらすべく、東急建設株式会社は会議にギャルを迎え、未来の価値や新規事業を考えるアイデアブレストを実施。
結果、東急建設の社員からは「自社の良さを改めて感じられエンゲージメントの向上にも役立つと感じた」、「ブレストとして最高の時間を過ごすことができた」との声が寄せられたのだ。
一体、東急建設をも虜にしたギャルとは何者なのか?
実は、彼女たちは「ギャルマインドで世の中をアゲにする」ことをミッションに、さまざまな人の「自分らしさ」を引き出す組織『CGOドットコム』。
主力サービスの「ギャル式ブレスト」はもちろん、「ギャルマインド」も未だ理解できていない筆者にはなかなか入っていけそうにない境地に思えるが、今回、CGOドットコム総長のバブリーさんにギャルマインドの魅力、組織の未来について聞いた。
ーー東急建設さんと実施した「ギャル式ブレスト」とはどのようなサービスなんでしょうか?
「基本的には令和ギャルと企業の皆さまとの2者がディスカッションを行うサービスで、直感で忖度のないコミュニケーションを軸に意見を出し合うプログラムです」
「ちなみにギャル式ブレストには5つのルールがあります。『ため口で話すこと』『お互いをあだ名で呼び合うこと』『役職や肩書は公開しないこと』『5分以上沈黙しないこと』『持っている服の中で一番派手な服を着ること』。その中でみんながフラットになり、上司部下関係なく発言できる環境を作り出せると思っています」
なるほど。ルールも独特で魅力的だが、そんな「ギャル式ブレスト」は、今やさまざまな超大手企業が実践。好評を得ているとか。
しかし、まだ分からない。それはギャル式ブレストの根幹となる「ギャルマインド」だ。それもバブリーさんが丁寧に教えてくれた。
「ギャルマインドとは、『自分軸/直感性/ポジティブ思考』の3軸から成り立っていると考えます。他人ウケより自分ウケ!『自分はこれがしたい』という【自分軸】、 『それいいじゃん!』、『かわいい!』と自分の感情を素直に表現する【直感性】、そして、物事を前向きに推進していく【ポジティブ思考】、この3要素からギャルマインドは構築されると弊社では定義しています」
ギャルマインドの強みと魅力が世界を変える
停滞しがちな会議や凝り固まった脳内に刺激を与え、伝統や歴史だけを重んじる今の流れに衝撃的なスパイスとなって響いている「ギャルマインド」。
バブリーさんが考える「ギャルマインド」の強さをまとめたので参考にしてほしい。
■アイデア不足を変える社内コミュニケーション
現代社会は同じようなサービスで溢れかえっていますが、それは企業が実現可能な範囲でアイデアを出そうとしているから。
社内で既定路線を越えるようなアイデアを出すには、上司部下の関係性、実現可能性を超えて、自分の「アゲ=いいね!」をシェアハピできる環境が必要です。
■たとえ奇抜なアイデアでも視点を変えてみる
以前、大手企業様で行った「食の未来を考えよう」というテーマのブレスト。20代から50代管理職世代まで揃った会議は、ギャルちゃんたちからのリアクションで徐々に活発になり、最後には「クワガタとご飯を食べたい」というアイデアが出てきました。
それは、クワガタが大好きでペットとして飼っている社員さんが発表してくださったものです。「今の時代ではまだクワガタと一緒に食事はできないけれど、いつかそれを実現してみたい」と、自身の夢やワクワク感を持って話してくださいました。
そのアイデアは一見奇抜。でも少し視点を変えると「家族の在り方って人間同士だけ?」、「ペットと同じものを一緒に食べる未来があったら楽しい」など、食の未来について考える新たな視点を与えてくれたのではないかと考察します。