弔問時のマナー「言葉編」
悲しみに暮れている遺族に、どのような言葉をかけたらよいのか悩むものです。適切な言葉をかけられるよう、お悔やみの言葉の例や注意点を紹介します。文言はある程度決まっているため、状況に合わせてアレンジして使ってみましょう。
お悔やみの言葉の例文
お悔やみの言葉は、状況に合わせて使い分けます。訃報の連絡を受けた際は、悲しみの中、連絡をくれた遺族への感謝やねぎらいの言葉を伝えましょう。例えば、「御傷心の中、ご連絡をくださりありがとうございます。心からお悔やみ申し上げます」などです。
弔問の際は、「この度は本当に残念でなりません。心からお悔やみ申し上げます」などが一般的です。「生前は大変お世話になり、感謝しております」のように、より個人的な気持ちを述べてもよいでしょう。
なお、キリスト教や神道など宗教によって、お悔やみの言葉は異なります。とはいえ、基本的に「お悔やみ申し上げます」は宗教にかかわらず使用できる言葉です。
忌み言葉は避ける
お悔やみの言葉を述べるときに注意しなければいけないのが、『忌み言葉』です。意図せずに使ってしまわないように、避けるべき言葉を把握しておきましょう。
主な忌み言葉の一つが、不幸が続くことを連想させる言葉です。例えば、『続く』『重なる』『再び』『繰り返し』『何度も』などです。
『度々』『重ね重ね』『ますます』などの重ね言葉も、同様に続くことを連想させるため使わないよう注意しましょう。『苦しむ』など不幸・不吉なことを連想させる言葉も避けます。
また、「元気を出してください」「がんばってください」など、つい励ましの言葉をかけたくなるかもしれません。しかし、相手を思ってのことだとしても、励ましの言葉がプレッシャーを与えてしまったり、より悲しい思いをさせてしまったりすることもあるため、控えましょう。
亡くなった理由は聞かない
それまで元気だった人の突然の訃報だと、動揺してつい理由を聞いてしまいがちです。しかし、亡くなった理由は聞かないのがマナーとされています。
気落ちしている遺族に、当時の悲しみ・つらさを思い出させてしまわないように配慮しましょう。
また弔問の際に、遺族から亡くなった理由を打ち明けられることもあります。その際も、根掘り葉掘り聞くのは避け、相手に失礼にならないようさりげなく受け流すようにしましょう。
弔問時のマナー「線香編」
弔問の際に、遺族から線香を勧められることもあるでしょう。仏教では、故人を清める意味を込めて線香を供えます。線香の作法は難しいわけではありませんが、宗派によって作法が異なるので、基本的な作法と併せて紹介します。
線香をあげる作法
線香をあげる基本の作法は、以下の通りです。
- 仏壇の前に座り、一礼する
- ろうそくに火がついていない場合は、ろうそくに火をつける
- 線香を取り、ろうそくから火をつける
- 焼香に線香を立て(または寝かせ)、おりんを1回鳴らし、合掌する
- 最後に遺影に一礼し、遺族にも一礼する
注意点として、線香にライター・マッチで直に火をつけないようにしましょう。煙が出てきたときが、線香に火がついた目安です。火を消す際は口で吹かず、左手で軽くあおいで消すのがマナーです。
なお、おりんは鳴らさなくても構いません。宗派によっては、おりんを鳴らさないこともあります。
宗派別の線香の作法
線香の本数や置き方は、宗派によって異なります。特に線香の置き方は、『立てて置く宗派』と『寝かせて置く宗派』があり、大きく異なるため注意しましょう。
例えば、『臨済宗』『曹洞宗』『日蓮宗』は、1~2本の線香を立てて置きます。『天台宗』『真言宗』は3本の線香を立てて置き、『浄土宗』は1本の線香を2つ折りにして立てて置くのが作法です。『浄土真宗』は本数に決まりはなく、寝かせて置きます。その際、香炉に入らなければ線香を折るとよいでしょう。
このように作法が異なるため、事前に故人の宗派を確認してから弔問すると安心です。
構成/編集部