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女性活躍の大きなハードルとなっている「管理職の罰ゲーム化」に解決策はあるのか?

2023.03.07

女性活躍推進の流れの中で、企業は自社の女性管理職の比率を上げるための施策をさまざまに検討している。現在注目が集まる人的資本開示の中でも、ジェンダーギャップの解消は大きな要素のひとつだ。しかし今、その施策の「前提条件」が変わってきているという。

この件に関してパーソル総合研究所から、調査コラム『「管理職の罰ゲーム化」が女性活躍を阻む』が発表されたので、その概要を紹介していきたい。

執筆者はシンクタンク本部 上席主任研究員 小林 祐児氏。

減り続ける管理職の数と処遇

バブル崩壊後、「組織のフラット化」という名の下に、多くの企業で管理職の削減が行われた。部下なし管理職などの昇格のためだけのポストを用意しなくなったり、管理職を中心とした早期退職募集も不景気が来るたびに頻繁に行われてきた。

管理職の減少とともに、マネジメントをしながら個人目標も抱えるプレイングマネジャー化が進行した。外出した部下の帰りをオフィスでのんびりと待っている牧歌的なマネジャーの光景は、もはやはるか遠い昔話だ。

そしてもうひとつ減ってきたのは、「賃金」である。正確にいえば、一般職層と管理職層の賃金の差、つまり管理職になることによって上積みが期待できる金額が、長期的に減少してきている。

「賃金構造基本統計調査(厚生労働省)」のデータを見れば、1981年から2015年の30年ほどで、課長級でも部長給でも一般職層とのギャップが縮まっていく推移が安定的に見られる。

一般従業員を100としたときの管理職賃金推移

なんでもかんでも「管理職頼み」

このように、人の数も賃金も減ってきたにもかかわらず、現在の管理職が束ねる現場は「課題のデパート」状態にある。

例えば、代表的なものが2015年ごろから議論が進められた「働き方改革」だ。働き方改革の一丁目一番地としてあった長時間労働是正によって、特に大企業においては正社員の残業時間が減少した。

しかし、そうした働き方改革が進んでいる企業ほど、管理職の負荷が高くなる、という逆説的な傾向がデータからも見られている。なぜそのようなことが起こるのだろうか。

その理由は、働き方改革の「二重の矮小化」だ。働き方改革に伴って、労働基準法が改正され、2019年4⽉から大企業を先行して時間外労働の上限設定が導入された。

これによって働き方改革は、労働生産性の向上といった本質的な変化ではなく、多くの企業で単なる「労働時間上限設定への対応」へと矮小化された。

施策の中心は、残業の承諾制や原則禁止、またはノー残業デーといったトップダウンで行われる「労働時間管理」タイプの施策となっていった。

例えば、最近のパーソル総合研究所の調査でも、「退勤管理の厳格化」は7割の企業が、「残業の原則禁止」「ノー残業デー」は4割以上の企業が実施しており、上からの「管理的」な残業施策の実施率は高い。

一方で、「時間あたり成果での人事評価」や、マネジメントへの研修まで踏み込んだ「組織開発」的な要素を含む残業施策の実施率は3割に満たない。

残業施策の実態

そしてもうひとつの矮小化は、企業が行う働き方改革が、職場全体ではなく、労働時間管理の対象である「一般メンバー層」を中心にしてしまう点だ。多くの企業で、メンバーを早く帰らせる分、管理職が仕事を引き取らなければならなくなった。

法改正という「外圧への対応」の発想は、働き方改革の本質を見失わせ、「労働基準の上限」と「メンバー層」に二重に矮小化されることで、管理職の負荷を逆に上げてしまうことになった。

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