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2030年に8300億円まで市場が拡大すると言われる「A2ミルク」とは?自社農場を設立した化学メーカー・カネカの挑戦

2023.03.09

世界で注目されるネクストトレンド「A2ミルク」とは?

牛乳に含まれるタンパク質のひとつであるβカゼインには、遺伝子の違いによりA1タイプとA2タイプの2種類がある。乳牛は個体の持つ遺伝子の組み合わせによって、A1タイプかA2タイプかが決まり、A1A1、A1A2のタイプの乳牛が出すミルクは「A1ミルク」で、A2A2タイプが出すミルクを「A2ミルク」と呼ぶ。

ジャージー牛や原種に近い牛はA2A2タイプが多いと言われているが、日本の乳牛の大半を占めるホルスタインは、遺伝子の特徴からA1ミルクを出す個体が圧倒的に多く、A2のタイプは3割ほどと言われている。

A2ミルクは、通常の牛乳(A1ミルク)よりも消化しやすいと言われ、たんぱく質、カルシウム、必須ビタミン、ミネラルが豊富などの栄養学的な利点があると報告されている。

オーストラリア、ニュージーランドを中心にA2ミルクが多く商品化され、現在約2600億円の市場規模だが、2030年には約8300億円まで拡大の見込みで、市場が急拡大している注目のネクストトレンドだ。

別海ウェルネスファームでは、120頭(ホルスタインと一部ジャージー種)全頭にA2A2 の遺伝子を持つ牛を飼育している。

「海外ではA2ミルクの人気が高まっていて将来的には8300億円市場まで成長する見込みとされ、ポテンシャルを秘めたミルクです。カネカでは生乳の質を上げることに価値を見出しており、全頭にA2A2遺伝子の牛を導入しました。

A2ミルクの栄養学的な利点は論文も発表されていますが、エビデンスが揃っていない状況で確証が取れていないため、現在当社でも検証中です。A2ミルクの機能性については、化学メーカーである我々の得意領域であるので、今後研究を進めていきたいと考えています」(吉岡氏)

【AJの読み】A2ミルクの可能性に期待

構想から数えると足かけ5年をかけた別海ウェルネスファームのA2 生乳で作った、カネカの有機推進第一弾の商品「ピュアナチュールオーガニック ヨーグルト」が、3月1日から発売される。ベルギーの伝統に基づく、長い時間をかけて発酵させる2段階発酵で、なめらかで濃厚な独自の食感で、生乳本来の甘みを感じる味わいとのこと。

日本人に多いとされる牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする「乳糖不耐症」でも、A2ミルクだと緩和されるという説もあり、牛乳やヨーグルトを飲食するとお腹の調子が悪くなる筆者にとって、A2ミルクでできたヨーグルトが体に合うのか興味がある。

A2ミルクは栄養的な利点や機能性は検証中の段階だが、その効果が明らかになれば日本でもA2ミルクの注目度はさらに加速していくと思われる。

文/阿部純子

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