「清水いはら道の駅」の可能性
高速道路は地域の物産にも多大な影響を与える。
この記事を読んでいる読者諸兄諸姉には、ぜひ一度中部横断道の南部IC付近にある道の駅なんぶへ足を運ぶことをお勧めする。ここでは静岡と山梨、両県の物産がまさに隙間なく陳列されている。
静岡産の茶と山梨産のワインが肩を寄せ合う場面など、ここでしか見られないのではないか。山梨県南部町は文化圏の境目にあるため、このようなハイブリッドな光景が実現するのだ。
そして最近では、清水いはらIC付近に道の駅を作ろうという構想も徐々にではあるが具現化しつつある。
静岡市清水区には「庵原地区道の駅社会実験実行委員会」という組織が存在し、1日だけ道の駅を実現する「道の駅社会実験」という取り組みも行なわれている。最終目標は、もちろん本物の道の駅を建てることだ。
そして仮に実行委員会の願望が実現した場合、ここは静岡・山梨両県だけでなく東海甲信越地方全域の物産を取り扱う大型スーパーマーケットになる可能性もある。
清水いはらICが南部ICと違うのは、ここには新東名道も通っているという点だ。
中部横断道に沿う地域の物産、そして新東名道に沿う地域の物産を集合させた一大販売拠点。そのようなものが本当に実現すれば、今後回復するであろうインバウンドにも多大な影響を与えるに違いない。外国人観光客がここを訪れ、各地の名産を大量に買っていくという近未来図だ。
いずれにせよ、中部横断道は高速道路の開通が物流の状況を大きく変えるということを証明してくれている。
【参考】
新鮮な静岡県産水産物の長野県向け越境ビジネスマッチングの取り組み-清水銀行
取材・文/澤田真一