自宅にいながらにして、スーパーマーケットの商品を入手できるとして人気のネットスーパー。現在、様々な企業・スーパーマーケットチェーンがネットスーパーを展開しているが、その中でも特に「友人や同僚に薦めたい」と思うほどの優良なサービスとは、いったい何だろうか?
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションはこのほど、ネットスーパー業界を対象に「NPSベンチマーク調査2022ネットスーパー部門」を実施し、その結果を発表した。
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを測る指標。欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれ、日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPSを活用する企業が増えてきている。
ネットスーパー部門のNPS1位はAmazonフレッシュ
対象のネットスーパー5社のうち、NPSのトップはAmazonフレッシュ(-6.2ポイント)となった。2位はライフネットスーパー(-9.6ポイント)、3位はイオンネットスーパー (-14.9ポイント)でした。対象5社のNPS平均は-14.3ポイント、トップ企業とボトム企業の差は16.9ポイントとなった。
業界全体では、商品情報の詳細さや正確さ、また商品の探しやすさでの改善に期待
ネットスーパーのロイヤルティの要因を20の項目別に分析したところ、業界全体では「生鮮食品の鮮度の良さ」や置き配、店舗受け取りなどの「商品の受け取りやすさ」といった項目のほか、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」がロイヤルティ醸成につながった。
一方でロイヤルティを阻害する要因としては、「商品の探しやすさ・見つけやすさ」や、「画像や説明文などの商品情報が詳細・正確」といった項目となった。
また、「お客様の声に沿ったサービス・商品の提供」、商品の価格や配送料といった「コストパフォーマンスの良さ」においても今後の改善が期待される結果となった。
NPS1位となったAmazonフレッシュは、業界全体の課題項目となった商品情報の詳細さや商品の探しやすさで評価されたほか、コストパフォーマンスや支払い手段の豊富さといった点もロイヤルティを高める要因となった。
次ぐ2位のライフネットスーパーは品揃えの豊富さや、特集・フェアの魅力といった点がロイヤルティ向上に寄与し、また3位のイオンネットスーパーでは、配達員の対応の良さに対する満足度が高くなったことから、それぞれNPS上位の結果となった。
欠品や売り切れ時に事前連絡や代替商品の提案などのフォローがあることがNPSを高める
対象のネットスーパーの利用において、注文した商品の欠品や売り切れの経験有無および欠品時に店舗からのフォロー経験があったか調査したところ、全体の42.0%が「欠品・売り切れの経験はない」の結果となった。
また、「欠品・売り切れの経験があったが、事前に欠品の連絡や代替商品の提案などのフォローがあった」利用者は41.0%、「欠品・売り切れの経験があったが、事前に欠品の連絡や代替商品の提案などのフォローがなかった」利用者は17.0%となった。
これら欠品や売り切れの経験、および店舗からのフォロー有無別にNPSを分析したところ、欠品・売り切れを経験したものの、フォローがあった利用者のNPSは-7.1となり、欠品・売り切れの経験がない利用者および欠品・売り切れを経験し、かつフォローがなかった利用者のいずれのNPSよりも高くなる結果となり、欠品や売り切れ時においてもフォローをすることにより、NPSが高くなることが示唆される結果となった。