大問題に発展するアルカスイス互換
話が長くなるので別記事にする予定だが、世の中には2種類の雲台がある。アルカスイス互換とそうでない雲台である。アルカスイス互換とはアルカスイス社が考案したプレートとクランプを使い素早くカメラと雲台を固定できるシステムを示す。確かに便利である。近年、アルカスイス互換に対応した雲台が特に中国製で増加した。カメラ側には互換プレートをネジ止めする必要がある。これを付けると外すのが面倒なので、あらゆるアクセサリーをアルカスイス互換にしたくなる。自由雲台、ビデオ雲台、小型三脚など。さらに望遠ズームレンズの三脚座をアルカスイス互換プレートにするという日本のカメラメーカーやレンズ専業メーカーも増えてきた。
Leofotoはアルカスイス互換なのでカメラを取り付けるにはプレートが必要である。私が使っている「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」は三脚座がアルカスイス互換なので追加のプレート不要でビデオ雲台に装着できる。これはラッキーだ。アルカスイス互換の問題点は厳密な規格が決まっておらず、組み合わせによってはクランプが緩くてグラグラする可能性があることだ。レバークランプよりも幅の調整ができるネジ式の方が無難である。一番確実なのは同じメーカーのプレートとクランプを使うことだ。もう1つの問題はアルカスイス沼にはまってしまい出費がかさむことだ。
望遠レンズ側の三脚座がアルカスイス互換なのでプレート不要でレンズが装着できる
BV-5には専用プレートが付属するので手持ちの機材をアルカスイス互換にできる
スマホの取り付けはBV-5にある1/4インチネジ穴を利用して手持ちのクランプで固定
スマホ用クランプはアルカスイス互換なのでBV-5雲台にも装着できる
三脚は雲台込みで実測約1.6kg。ビデオ雲台付きとしてはかなり軽い
三脚には専用工具とカラビナ、スパイクの石突きが付属する
花火の撮影はOLYMPUS OM-1のライブコンポジットを活用
花火の撮影に使うミラーレスはOM SYSTEM「OM-1」と超広角ズームの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」の組み合わせで、ライブコンポジットを使って撮影している。スマホに関しては「iPhone11Pro」を使用。撮影はオートで画角を手動で切り替えている。ブレなければ全てオートで調整してくれるのでスマホも三脚でしっかり固定している。花火が明るすぎる場合は画面をタッチして表示されるバーを下方向にスライドさせやや暗めに調整している。
撮影場所が開場される16時を目標に、よみうりランドへ向かった
カメラとスマホを同時に固定できるビデオ雲台が活躍。レベリング機能も重宝した
地面を埋め尽くすLEDのイルミネーションを捉えるためにローアングルで撮影
LEICA DG 8-18mm F2.8-4 OM-1 0.5sec、F3.3、ISO800 ライブコンポジット使用
ビデオ雲台で上方向にチルトして撮影。光が上の伸びる効果が得られた
LEICA DG 8-18mm F2.8-4 OM-1 0.5sec、F3.3、ISO800 ライブコンポジット使用
高さのある花火が上がったので、カメラを上方向にチルトした
LEICA DG 8-18mm F2.8-4 OM-1 0.5sec、F8、ISO800 ライブコンポジット使用
LEDと噴水と花火の共演。これはなかなか珍しい組み合わせだ
LEICA DG 8-18mm F2.8-4 OM-1 0.5sec、F8、ISO800 ライブコンポジット使用
フィナーレに向けてかなり派手に花火が輝く。ライブコンポジットでなければ撮影は難しい
LEICA DG 8-18mm F2.8-4 OM-1 0.5sec、F8、ISO800 ライブコンポジット使用
写真家、小平尚典さんはKANIのハーフNDフィルターを使って撮影した
中判デジタルのGFX50S IIを使って撮影。花火の池への映り込み、観客の熱気が伝わってくる
FUJINON 35.0-70.0 mm f/4.5-5.6 FUJIFILM GFX50S II 12sec F10 ISO200
iPhoneは標準アプリ「計測」の水準器を使うとカンタンに水平が出せる
iPhoneの標準レンズで撮影。感度が自動的に上がるためシャッター速度は1/35secと意外に早い
iPhoneの広角レンズで撮影。13mm相当なのでカメラより広角で撮れるのだ
iPhoneで撮影した動画によるエンディングシーン。ビデオ雲台を使ってチルトしている
写真・文/ゴン川野