パナソニックの超音波式水素流量濃度計は何ができる?
パナソニックの超音波式水素流量濃度計は、なぜ画期的なのでしょうか? それは、循環水素を〝見える化〟することで、燃料電池を実働状態のまま評価できるようになるからなんです。
加えて、流量計測は1分間で2000Lまで、濃度計測も0%から100%まで計測できる上、マイナス30℃から85℃まで使えるんです。
また、圧力、温度、湿度センサーがあり、燃料電池を開発するために必要な様々なデータを常時モニタリングできます。
従来は濃度、温度、圧力、露点を別途測定する必要がありましたが、この製品は単体でデータを収集できます。実にラクチンです。
超音波式水素流量濃度計は暮らしにどんな変化をもたらすの?
パナソニックの超音波式水素流量濃度計は、製品単品で使ったり、評価システムに組み込んで利用することが想定されています。また、燃料電池以外の分野でも、水素ボイラーやタービンでの水素計測といった用途があります。
こちらの製品は、あくまで開発向けのものですから、燃料電池にそのまま搭載されるわけではありませんが、より高効率な燃料電池の開発をサポートしてくれます。これって、カーボンニュートラル化をさらに加速させるための、重要な〝パーツ〟のようなイメージではないでしょうか。
というのも、燃料電池システムは、世界市場において2030年に5兆円超、2035年には12兆円超になることが予想されています。燃料電池が進化していく裏側には、パナソニックの超音波式水素流量濃度計の活躍が大きく作用しているかもしれませんね。
取材・文/佐藤文彦