自社のWebサイト内でユーザーが熟読している箇所や、逆に離脱している箇所を知りたいと思ったことはないだろうか。そんなときに役立つのがヒートマップだ。ヒートマップでは、Google Analyticsなどの分析ツールで把握できないユーザーの動きを捉えることができる。
そこで本記事では、ヒートマップとは何か、どのように使われるものなのかといった基礎知識から、実際に導入する前に注意すべき点までを解説する。Webサイトの最適化を目指す方はぜひチェックしてほしい。
ヒートマップとは
まずはヒートマップとは何か、どのようなことに使われるものなのかといった基本的な部分から見ていこう。
データ解析方法の一つ
ヒートマップとは、Webサイトなどに訪れたユーザーの動きを色の強弱で可視化する解析手法のこと。利用頻度が多い箇所を赤、利用頻度の低い部分を青で表し、色の濃淡によってユーザーの細かな動きを視覚化する。数字を追わなくても、直感的にユーザーの動向を把握できるのが最大の利点だ。
ヒートマップはどのように使われるのか
ヒートマップは、Webサイトの解析や株の取引などの場面で使われることが多い。Webサイト解析の場合、最も閲覧されている箇所やクリックされている箇所は濃い色で表示され、あまり見られていない箇所は薄い色で表示される。Webサイトのページとヒートマップの色の変化を組み合わせて見ることで、ユーザーの思考や心理、数字だけでは発見できない課題の把握が可能だ。
また、株取引でヒートマップが使用される場合、株価の上昇・下落は色の違いや濃淡、時価総額の規模は各銘柄の大きさで表現される。証券会社が取り扱っている国内外の株価の相場状況をリアルタイムで確認することで、株売買のタイミングを判断する材料として活用できる。
Webサイト解析にヒートマップを活用するメリットとは
では、実際にWebサイト解析にヒートマップを導入することでどのような恩恵が受けられるのだろうか。ここでは代表的なメリット3つを紹介する。
ユーザーの細かい動きを把握できる
ヒートマップを使えば、アクセス分析ツールでは計測できないユーザーの細かい動向を把握できる。例えば、リンク以外の箇所のクリック数の集計やページ内の離脱したエリアの特定、コンテンツ内で熟読されている箇所などの細かい情報収集が可能だ。
Webサイトの最適化に役立てられる
さまざまな種類のヒートマップを利用して、ユーザーが「見にくい」「使いにくい」と感じるポイントを特定することにより、ユーザーにとって最適なページ作りに役立てることができる。
また、ユーザーが使いやすいWebサイトが作成できれば、Webサイト自体を検索結果に上位表示させることにも繋がり、アクセス数の上昇が期待できる。
CVRの向上が期待できる
ヒートマップを使ってユーザーにクリックされやすいリンクのデザインやユーザー好みの情報内容の傾向などの把握し、施策を検討することによって、Webサイトからの商品購入や問い合わせなどの件数の割合「CVR(Conversion rate)」の上昇が期待できる。
ヒートマップを使う際の注意点は?
ヒートマップはユーザーの動きを分析するためのサポートツールの一つにすぎず、導入するだけで自動的にWebサイトの改善ができるわけではない。最後に、ヒートマップを効果的に活用するため把握しておくべき2つの注意点を紹介しよう。
ヒートマップツール単体でサイト全体の傾向を把握することはできない
ヒートマップは、ページごとのユーザー動向を解析するために使われるツール。そのため、Webサイト全体の分析を行う場合はGoogle AnalyticsやGoogle Consoleなどの他の分析ツールを使用する必要がある。
製品によって細かい機能に違いがある
ヒートマップにはさまざまな種類の製品が存在するが、中には解析できるデータ量や保存できる期間に制限があるものもある。必要な機能を満たした製品を選択できるよう、導入前にはいくつかの製品の詳しいスペックを確認した上で、比較検討するようにしたい。
※データは2023年2月下旬時点のもの。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/編集部