小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

Noteシリーズの使い勝手を継承したフラッグシップスマホ「Galaxy S23 Ultra」先行レビュー

2023.02.23

ズームも優秀で、チップセットの処理能力は過去最高に

 カメラでもう1つ言及しておきたいのが、ズーム機能だ。Galaxy S23 Ultraは、3倍、10倍の望遠カメラを備えており、3倍、10倍で撮影した際にはデジタルズーム特有の劣化がない。3倍から10倍の間や、10倍超のズームは切り出したあと解像感を上げているため、画質は落ちるものの、これまでのモデルと比べると、その仕上がりも向上している。中でも、最大となる100倍ズーム時の画質には目を見張るものがある。

広角カメラで撮った1倍の写真と、100倍ズームの写真。デジタルズームも組み合わせているが、思いのほか、看板の文字がはっきり写った

 100倍ズームを備える端末はほかにもあるが、デジタルズームの比率が高く、画質はかなり低下してしまう。これに対し、Galaxy S23 UltraはAIでの補正が強力で、かなりハッキリとした写真を撮ることができる。特に、看板や建物の外壁などを撮った際に、その傾向が顕著だ。100倍ズームで撮られることが多い写真を分析し、機械学習をかけた結果と言えるだろう。このクオリティで撮れれば、100倍ズームもかなり実用的だ。

 こうした画像の処理を支えているのが、Galaxy S23 Ultraに搭載された「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」だ。Snapdragon 8 Gen 2は、クアルコムのフラッグシップモデル向けのチップセットだが、Galaxy S23シリーズには、Galaxy専用にカスタマイズされたものが採用されている。CPUの周波数が底上げされているほか、GPUの性能も上がっているのが特徴だ。「Geekbench 6」でベンチマークを取っても、そのスコアの高さがわかる。

Geekbench 6で計測したスコア。シングルコア、マルチコアともに、トップクラスの性能だ

 とは言え、このレベルになってくると、グラフィックスに凝ったゲームでも動かさない限り、違いは体感しづらい。サクサク感という意味では、前モデルも十分な仕上がりだからだ。そこまでのパフォーマンスが必要ないという人は、あえて処理能力を落とし、放熱やバッテリーの持続時間を優先してもいいだろう。利用するアプリに合わせて、こうした設定を柔軟にできるのもGalaxyシリーズの魅力だ。また、ゲームプレイ時のみ、パフォーマンスを最大化する「Game Booster」という機能も搭載されている。

ゲーム時に処理能力を高める、Game Boosterに対応

指紋認証、Sペン、One UI……Galaxyならではの使い勝手は健在

 使い勝手の面では、超音波式の指紋認証に対応しているのも見逃せないポイントだ。指紋を素早く読み取れるため、画面内でも困ることが少ない。画像読み取り式の場合、画面に表示された指紋マークに指を正確に合わせないと失敗が増えてしまうが、Galaxy S23 Ultraのそれは、指をサッと押し当てるだけで、すぐにロックが解除される。

指紋センサーは超音波式。読み取りが速く、ストレスを感じない

 先に触れたSペンも、前モデルから変わらず、書き心地がいい。筆圧も検知するため、まるで紙とペンを使って筆記しているかのように、画面上に線を描くことができる。筆者はどちらかと言えばメモなど、文字中心の使い方が多いが、イラストを描くことも可能なスペックだ。追従性も高いため、画数の多い漢字を素早く書いても、文字がつぶれない。手書きができるスマホを求めている人には、いい選択肢になるだろう。

Sペンに対応しており、手書きがしやすい。書き味は、従来機譲り

 サムスンが独自にカスタマイズを加えたOne UIは、バージョンが5.1に進化した。現状のモデルは5.0のため、大幅な変更はないが、カメラアプリからRAWで撮影できる「Expert RAW」を直接呼び出せたり、「睡眠」や「運動」「仕事」といったシーンに合わせた「モード」に切り替えた際に壁紙を連動させることが可能になったりと、細かな使い勝手が増している印象だ。

カメラアプリからRAW撮影可能なExpert RAWを直接呼び出せるようになった

 もちろん、「カレンダー」や「電卓」「時計」など、スマートフォンの基本となるアプリにはしっかりカスタマイズが加えられており、Galaxyとしての世界観や使い勝手が追求されている。かゆいところにも手が届くUIは、スマホとしての歴史が長いGalaxyならではだ。また、レビュー用の端末では未確認だが、発表会で展示されていた端末は、eSIMの転送機能に対応していた。機種変更が簡単になるだけに、日本でもぜひ導入してほしい機能だ。

日本での導入予定は未定だが、同モデルから、eSIM転送機能が搭載されている

 見た目が大きく変わらず、一見するとマイナーチェンジにも見えるGalaxy S23 Ultraだが、実はチップセットやカメラを大きく刷新しており、特に写真の仕上がりには目を見張るものがある。完成度の高さは健在。そのぶん、価格は少々高めだが、トップクラスのスマホを使ってみたい人には、オススメできそうな1台だ。日本での発売も期待したい。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち(※通信未使用のため検証外)
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。