「クエリ」という言葉をご存知だろうか。IT業界やマーケティングに関わりがない方には聞きなじみがない用語かもしれないが、覚えておいて損はないはずだ。
そこで本記事では、SEO対策やIT用語としても頻繁に使われる「クエリ」の意味と活用事例について解説する。データ管理の効率化を図るために必要な基本的な知識や誤解されやすい「SQL」との違いについても押さえておこう。
クエリとは?
英語の「query(クエリー)」に由来する「クエリ」という言葉。もともとは「質問」「疑問」を意味する言葉だが、IT分野では違った意味で使われる。まずは、IT分野における「クエリ」の詳しい意味と、主な種類を確認していこう。
IT分野での意味
IT分野では、ソフトウェアに対するデータの問い合わせ内容を表した文字列を「クエリ」と呼ぶ。分かりやすく言えば、コンピュータ内のデータベース(データの保管庫)に対する命令文のことだ。クエリを使うことで、データベース管理システム(DBMS)に対してデータ検索などの処理を要求できる。
クエリにはさまざまな種類がある
「クエリ」は「〇〇クエリ」のように他の単語と組み合わせて使われる機会も多い。ここでは、よく使われる「検索クエリ」と「パワークエリ」の2つの意味を紹介したい。
・検索クエリ
GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使う際、検索窓に入力する検索ワードのことを「検索クエリ」と呼ぶ。この時、クエリと混同されやすいのが「キーワード」だ。「検索クエリ」と「キーワード」の大きな違いは、誰が使用するかということ。
「検索クエリ」は、ユーザーが検索する時に、実際に入力する検索ワードを「キーワード」は、Webマーケティングの担当者が広告を表示させるために設定する言葉を指す場合が多い。サイトのSEO対策(検索エンジン最適化)を強化したい場合、検索クエリを洗い出すことで、ユーザーのニーズを理解することができる。クエリの数が多い言葉に関するコンテンツを充実させることで、ユーザーにとって価値の高いサイトに改善が可能だ。
・パワークエリ(Excel)
Excel上で使われるクエリのことを「パワークエリ」と呼ぶ。パワークエリとは、Excel 2016から登場した機能のこと。
以前は各種データの読み込み(収集、接続)や、データの整理、加工(変換、転記、結合、レイアウトの変更)などの作業には、専用のプログラミング用語を要する「マクロ」を使う必要があった。しかし、パワークエリ機能の誕生により、プログラミングの知識がなくても簡単にこれらの作業ができるようになった。
SQLとの違いは?
似た意味を持つ「SQL」とクエリを混同してしまう人も多い。両者ともにデータベースに命令を出すために使われるものであるという点においては共通しているが、SQLはデータベースに命令するために使われる「言語」を表すのに対し、クエリはSQLを使って指示を伝えるための「命令文」のことを指す。また、SQL言語を用いた命令文のことは「SQLクエリ」とも呼ばれる。
クエリの使い方と活用のメリット
次に、クエリでできることと用いるメリットについて見ていこう。
クエリでできること
クエリには、以下のようなデータ管理の機能がある。
・データの取り出し
・特定の条件に合ったもののみ抽出
・集計(グループ別・クロス)
・項目の追加
・2つのデータの結合
・必要なデータを異なるアプリケーションで読める形に変換。
インポート(取り込み)やエクスポート(書き出し)、自動更新も可能。
これらの機能を活用すれば、帳簿の作成や年間の売上データの集計を自動化し、業務効率化を図ることが可能だ。
クエリの主な活用事例
ビジネスの現場では、主にWeb広告の解析・マーケティングやWeb通販サイトの販売促進・顧客の最適化を行う際にクエリが使われている。
身近な例では、普段インターネットで知りたい情報を検索するワードの「検索クエリ」が挙げられる。マーケティング分野では、多くの検索クエリを集めて、ユーザーのニーズを分析し、ユーザー満足度の高いサイト運営に役立てられている。
※データは2023年2月中旬時点のもの。
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文/編集部