日本人旅行者が素通りしてしまうような場所に、実は本当のアメリカ旅の魅力が隠されているもの。現地ライターならではの目線で、そんなおすすめのアメリカ旅行先をガイドしていくシリーズ、第5回はレイクタホ。
サンフランシスコ郊外にある巨大湖を囲む雪山群
ようやく「5類」移行決定の日本と違い、すっかりアフターコロナのアメリカでは、コロナ前のように各地のイベントが再開され、施設も通常営業。人々はマスクなしでアクティブに動き、コロナ禍の空白を取り戻すべく人生を謳歌しいている。
この冬から春にかけてのアメリカ旅では、日本とはスケール感がまるで異なる、非日常のゲレンデ体験を楽しんでみてはいかがだろう。
今回紹介するレイクタホ(Lake Tahoe)は、カリフォルニア州とネバダ州の境にあり、カジノの街として知られるリノから車で約1時間、サンフランシスコからは車で約3時間の距離。
と聞くと、「そんな暖かそうな地域でスキー?」と驚く方も多いだろう。日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、じつは1960年に冬季五輪も開催された豪雪地帯で、シーズン中は世界各地からスキーヤー、スノーボーダーが訪れる。平均降雪7メートル以上の積雪を誇り、周辺には15ものスキー・リゾートが点在する。
レイクタホは北米最大の高山湖で、北岸のノース・レイクタホ(North Lake Tahoe)には特にオリンピアン仕様のゲレンデが集まる。
中でも有名なのは、規模が大きく競技向け超難関コースを持つパリセーズ・タホ(Palisades Tahoe、旧スコー・バレー)。かつて冬季五輪会場にもなった場所だ。
そして、スノーボード界のレジェンド、ショーン・ホワイト選手の練習用ハーフパイプを擁するノーススター・カリフォルニア・リゾート(Northstar California Resort)も存在感は絶大。そう、冬季五輪アメリカ代表のオリンピアンたちは、このレイクタホで技を磨き、大きく成長するのである。
「そこまでスキーやスノーボードにシリアスじゃないんだけど…」というビギナーさんは、南岸のサウス・レイクタホ(South Lake Tahoe)に広がる世界最大級のスキー・リゾート、ヘブンリー(Heavenly Ski Resort)へ足を向けてみよう。
山麓に数々の飲食店、アウトドア用品店、ギアのレンタルショップが並び、カジノ合法のネバダ州ではギャンブル三昧の1日を過ごせる。
宿泊施設も高級ホテルからエアビーの別荘タイプまで豊富で、雪山を出たあとはすぐ暖かい屋内でぬくぬくと過ごせるはずだ。日本人の観光客を全く見かけないのが不思議なくらい、アメリカ西海岸の一大保養地となっている。
雄大な雪山が迫りくる風光明媚なハイウェイをドライブ。雪道に対応したレンタカーも充実する。
レイクタホは世界屈指の透明度。宝石のように輝くグリーンがかった青い湖水と澄んだ空気に、『トム・ソーヤーの冒険』で知られる作家のマーク・トウェインも絶賛したと伝わる。
夜中までにぎわうヘブンリー・ビレッジ(Heavenly Village)界隈。食事のお供には、地元のおいしい水で仕込むクラフトビールをぜひ試して欲しい。