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バイクブームが到来!ホンダ、カワサキの二輪事業が絶好調の理由

2023.02.12

オートバイブームが到来しています。警察庁が発表している「運転免許統計」によると、2021年に教習所の普通自動二輪コースを卒業した人は前年比16.5%増の21万4,000人。大型二輪も同11.4%増の9万1,000人でした。コロナ禍による反動増のようにも見えますが、2019年と比較しても普通二輪が26.8%、大型二輪が25.0%も増えています。

オートバイはかつて通勤や通学を支える足として使われてきましたが、現在はツーリングなどのレジャー目的で購入するケースが目立つようになりました。

小型二輪車の新車販売台数が10万台を超える

教習所の二輪コースの卒業者は、2017年に底を打って反転。増加の一途を辿っています。2021年の卒業者数は30万を超えており、過去10年で最も多くなりました。

※警察庁「運転免許統計」より

日本自動車工業会は毎年「二輪市場動向調査」を行っています。その結果が非常に興味深い内容となっています。2011年に公表された調査結果において、オートバイの使用用途を聞いたところ、「通勤・通学」が57%と過半数を占めていました。しかし、2021年の調査結果では26%まで下がっています。2011年では7%だった「ツーリング」が、2021年は19%まで増加しました。

この傾向はライダーが保有している車種にも表れています。通勤や通学に便利な50cc以下のスクーターなどのオートバイは減少し続けているのです。

※日本自動車工業会「二輪車」より

2021年から急速に人気を高めているのが、251cc以上の小型二輪車。2022年の販売台数は軽二輪車の販売台数を大幅に上回り、10万台を突破しました。2021年と比較して20.7%も増加しています。

※全国軽自動車協会連合会「軽二輪車・小型二輪車の新車販売台数の年別推移」より

二輪車新聞によると、2021年の販売台数トップはカワサキ「Z900RS」の6,803台。そして2位がホンダ「レブル1100」の3,972台でした。

ファンの心をくすぐる仕掛けを用意したカワサキ

Z900RSは5年連続で1位を獲得している圧倒的強者。カワサキを象徴するかつての世界的人気モデルZ1を彷彿とさせるデザインが、ライダーの心をつかみました。Z1は価格が高騰し、現在は300万円前後で取引されています。カスタムされていないもので状態の良いものともなると、700万円以上の値段がつくことも珍しくありません。Z900RSは新車で130万円ほどです。

Z1は空冷エンジン、Z900RSは水冷エンジンを搭載しています。空冷エンジンは空気で熱を冷ますため、オーバーヒートなどのトラブルを起こしやすい特性があります。しかし、空冷エンジンの凹凸のある外観は、オートバイらしさを象徴しているために根強い人気があります。

水冷は強制的にエンジンを冷やすため、熱によるトラブルを限りなく低減します。長時間のツーリングにも耐えられます。ただし、水冷はウォータージャケットをかぶせるため、オートバイらしさが奪われると、一部のファンから嫌われています。Z900RSは放熱フィンをエンジンの一部に備え、空冷エンジンの見た目を演出しました。ライダーに向き合う開発姿勢こそが、ヒットの要因でしょう。

ヨーロッパを中心にネオクラシックと呼ばれるレトロデザインのモデルに人気が集まっています。Z900RSも正にそのど真ん中に位置するオートバイです。カスタムパーツが多く、それもファンを喜ばせている一因です。

一方、ホンダのレブル1100は2021年に発売されて瞬く間にヒットモデルとなったオートバイ。アメリカンと呼ばれるスタイルで、長距離ツーリングに向いています。黒を基調としたカラーリングと、重心の低さが最大の特徴。レーシングモデルなどの場合、女性が乗ると車高が高くて運転しづらいと感じることがあります。低く作られているレブルは安心して乗ることができ、250ccのモデルは女性からも支持されています。

ホンダにはかつて、スティードというアメリカンのロングセラーシリーズがありました。レブルで再びアメリカンモデルをヒットさせました。

売上高が3割増となったカワサキ

カワサキ、ホンダともに二輪事業は絶好調です。カワサキの二輪事業2022年3月期の売上高は前期比33.1%増の4,479億円でした。ホンダは同22.3%増の2兆1,852億円となっています。

カワサキは国内だけでなく、アメリカやヨーロッパ向けのモデルも好調。特にアメリカの需要が旺盛で、アメリカ国内の工場の生産能力を増強し、メキシコの新工場稼働を控えています。

一時は半導体不足による供給不足に陥りましたが、サプライチェーンマネジメントを徹底することにより、生産計画を達成しました。

ホンダは圧倒的なシェアを誇るアジア圏での売れ行きが好調。2022年3月期のアジア圏での販売台数は1,500万台で、前年同期と比べて100万台以上も増加しています。

ホンダのスーパーカブは壊れないことで有名。かつてディスカバリーチャンネルでその強さを検証するため、食用油を入れて走らせたことがありました。カブはまったく問題なく走ったことで話題となりました。

アジア圏ではその信頼性が特に支持されており、スーパーカブの他、東南アジア向けに開発したCG125というモデルが息の長いヒットを続けています。このモデルもカブと同じく基本設計は初期のものとほとんど変わっておらず、堅牢さが高く評価されています。

カワサキ、ホンダに限らず、各二輪メーカーが目下力を入れている分野が電動化。ホンダは中国でスーパーカブやダックス、ズーマーといった小型モデルの電動二輪車を開発し、中国で発表しています。

カワサキもNinjaなど根強い人気を誇るモデルの電動二輪車を2022年にヨーロッパの見本市で発表しました。

現在の電動二輪車の主流はスクーターです。しかし、ハーレーダビッドソンから分社化したライブワイヤーは、スポーツやクルーザーの電動二輪車の大型モデルを日本に上陸させています。

二輪免許取得者の増加と電動化の波が重なり、二輪業界は大きな変革を伴うものと予想できます。

取材・文/不破 聡

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