だんだん癖になるニューウェーブの単気筒
正直に告白すると、走り始めてすぐの時は「GB350ってスカスカしたバイクだな」という印象を持ちました。
エンジンをかけて驚いたのは、あまりにも振動が少ないことです。走り始めてもその印象は変わらず、アクセルを開けるたび350ccのバイクに乗っているとは思えないほどに軽くエンジンが回るのです。
これまでの単気筒のバイクには、トコトコドコドコという鼓動感を楽しんでこそという印象がありました。
筆者自身、かつてカワサキのエストレヤを所有しており、のんびり走りながら心地よい振動を楽しんでいた記憶があります。しかしその半面、長時間乗ると手が痺れたり体力の消耗を感じたりというデメリットがあったのは事実です。
──しばらく乗るうちに気が付きました。GB350は振動ではなく、全体的なフィーリングで単気筒を楽しむバイクなのではないでしょうか。
どの速度域においても感じる走りの軽やかさ、アクセルを回すとゆっくり追いついてくるトルク感、シート下から静かに伝わってくるエンジンの鼓動。
特筆すべきは、排気音の気持ち良さです。令和の時代の新車とは思えないほどに爽やかでキレのある「ドゥトトトトッ」といったサウンドは、単気筒のバイクに乗っているという満足感をこれでもか!というほど高めてくれました。
「これは初めての感覚だ…!」
30分も乗れば最初のスカスカという印象は薄れ、どんどん走る気持ち良さが見えてきたのでした。
個人的にはギアを3速か4速に入れて50km/hほどで走っている時が、バイクと一体になったような感じがして満足度が高かったです。峠を攻めるというよりも、峠を駆けるといった乗り心地かもしれません。
ちなみに、自動車道での走り心地も悪くありません。追い越し車線を走ると流れに乗るのが苦しいため、走行車線をマイペースに走るぐらいがちょうど良いように感じました。
通勤通学からツーリングまで楽しめるバイクです
今回は合計で4時間ほどのツーリングでしたが、帰り道で渋滞にはまった際に有難かったのがアシストスリッパ―クラッチです。
アシストスリッパークラッチとは、リアタイヤのホッピング(リアタイヤがロックする直前の跳ねるような動き)を抑制するための機能。副産物としてクラッチ操作が軽くなるため、ストップ&ゴーや半クラッチが断然楽になるのです。
帰り道にはすっかりこのバイクが好きになっていたのですが、街中での走りやすさに一層の魅力を感じました。
平日は通勤や通学、休日はツーリングをして使うことを考えると、GB350は間違いなく有力候補になるはず。スペックだけで見ると非力に思われがちですが、乗った人にしかわからない面白さと味のあるバイクでした!
【GB350スペック】
全長2180×全幅800×全高1105 軸距1440 シート高800(各㎜) 車重180㎏
排気量348㏄ 空冷4ストロークOHC単気筒 最高出力20ps / 5500rpm 最大トルク3kgf・m/3000rpm
シーソー式のシフトレバーのおかげで靴を傷めずシフト操作ができます。ただしカブとは逆の操作でややこしいため、筆者は専らつま先で操作しました。(エンジンカバーのHONDAロゴもカッコいい!)
最近では逆に珍しいシンプルでオーソドックスなシルエット。このデザインに一目惚れした人も多いはず!
【車両協力:レンタル819名駅店】
〒451-0045 愛知県名古屋市西区名駅2-1-8
名古屋駅から徒歩8分。新幹線でスマートに移動してツーリングへ出かけてみませんか?
ヘルメット・グローブ・ツーリングバッグ等貸出あり(有料)。150cc以上のモデルはETC車載器・スマホホルダー・USB充電器が標準装備です。
【カブガールが行く】レンタルバイクの国内最大手「レンタル819」店長に聞いた試乗におすすめのバイク5選
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.