好みを言えよ、言えば天国さ
さて、この『まるたけ』。この店には紙に書かれたメニューというものはない。客が自分の希望をご主人に伝えれば、その好みにあった、その日最高の料理を提供してくれるのだ。
そしてその晩にオレが伝えた好みはこんな感じ。
「酒が進む宮城県らしい料理を、量は少しずつでいいのでチョコチョコっといただきたい。ちなみに苦手な物は何もなし」
これは本当に自分の好みを伝えればいいんだと思いますよ。「お腹が空いてるんで、腹に溜まる物を」とかでもいいし。
そして酒ね。これももう、
「オススメのこの地方の日本酒を冷や(常温)で」
とご主人に丸投げしました。それが一番いいと思ったんですよね。
なにしろご主人一人で切り盛りしてるんですけど、カウンター中心で、店の全てにそのご主人の目が行き届いてる感がすごいんですよ。これはもう料理も酒も、何から何まで任せても安心ってことですよ。
ってことでいきなりお通しのようにやってきたのが『炊いたタコと根菜』。
このタコの味がまぁ~濃い! 柔らかく煮含められてて、一口噛むと、タコの味とダシの味がジュ~ッとスポンジ絞ったかのようにタコから染み出てくる。それが一噛みじゃ終わらない。何回噛んでも出てくる。柔らかいから、噛むごとにタコはどんどん砕けていくんだけど、それなのに味はまだまだ「永久か?」と思うほど染み出てくる!
そんな堪らないタコの味が舌に残っている内に、日本酒をクイ~ッといく。
↑日本酒は気仙沼の酒蔵『角星』の『金紋両国 壽栄(じゅえ)』。後で調べたら数量限定の販売店も限定の銘酒でした。
クィ~ッといった瞬間、天国見えたよ。
そして続いて出たのが『ナマコ酢』だ!
↑このキャプション、要らないと思いますが、一応書いておきます。ナマコ酢です。
もうさ、オレ。さっきのタコといい、ナマコといい、こういうの大好きなんですよ。で、こういうので酒を呑むのが人生で一番幸せ感じる時なんですよ、ホント。
ワタクシ、早くも高校に受かった時くらいの幸せを感じてます、この時点で。