連載/FIREの向こう側
世はすっかり「FIREブーム」。資産運用でお金を殖やし、「経済的な自由を得よう!」とうたう記事やテレビ番組がずいぶんと増えた。が、それらに現実味を感じることができずうんざりしている人も多いだろう。
どうしてFIRE(Financial Independence,Retire Early)は遠いものに感じてしまうのか――『投資をしながら自由に生きる』の著者で、自身もFIREしたという投資家の遠藤洋さんに、本企画では素朴な疑問をぶつけてみることで「自由に生きる」ための方法を探っていきます。
Question「毎日忙しくて、仕事以外にやる気が起きません……」
「毎日忙しくて、仕事が終わったら疲れ切って、何もやる気がなくなってしまいます。このままでは現状から抜け出せないし、どうしたらいいのでしょうか?」(34歳・会社員・男性)
Answer「人生が大きく変わるのは『息抜き』や『余暇』の時間から。意識的に自分と向き合う時間を作ろう」
前回はポーカーや釣りなど、経営者が好む趣味についてお話ししました。こういった「息抜き」や「余暇」はすごく重要で、何か新しいビジネスアイデアが思い浮かぶのも新しい人脈が広がるのも、息抜きとか遊びの中であることが多い印象があります。自分の人生や会社のビジネスが大きく動くときって、やっぱり会議室じゃないんですよね。
今回はそんな「息抜き」や「余暇」の重要性について、お話ししたいと思います。
隙間や余白があるからこそ新しいものを生み出せる
僕も会社員時代に経験があるんですが、余暇がないとずっと忙しくてその日が終わってしまうんですよね。目の前の作業に集中するのに精いっぱいで、立ち止まって考える暇がない。仕事の区切りがついたら疲れきっちゃって、あとはもう考える余裕がない……。
これだと毎日が同じ作業になって、新しいチャレンジをしたり新しいものを生み出すことができませんよね。こんな同じ作業の繰り返しを防ぐためにも、やはり「余暇」ってすごく大事だと思います。
余暇の過ごし方は「1人で過ごす」のと「人と過ごす」がありますが、僕は移動中とかにぼんやり考え事をしたり、本読んだりする「1人で過ごす時間」を作って、そこでいろいろなアイデアが生まれたり、次に繫がるビジネスが生まれたりするんですよね。ほかにも、今やっていることが本当にあってるんだろうかとシミュレーションしたり、自分の今後の人生について自問自答したり、進む方向性のベクトルを調整するのに、1人の時間はけっこう必要だと思います。
隙間や余白があるからこそ、そこに新しいものが入ってくるんです。