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今こそ考えたい「教育移住」という選択肢、見えてきたメリットと課題

2023.02.09

子どもにとってより良い教育環境を求めて移住を行う「教育移住」。かつては子どもに英語を習得させたいと海外に移住する家庭が多かったが、最近では自然との共生や環境教育を目的としてのびのびと過ごすことができる地方への移住を選ぶ家族が増えている。

「世界一素敵な過疎のまち」を目指してまちづくりを行ってきた北海道厚沢部町は、食と暮らしを軸に地方創生事業を展開していた株式会社キッチハイクとタッグを組み、2021年11月から認定こども園『はぜる』で「保育園留学」の受け入れを始めた。すると、「保育園留学」を希望する家庭から申し込みが殺到し、2022年4月から2023年3月までに計144組(23年2月~3月の予約分含む)の家族が保育園留学を体験することになったという。

多くの家庭が体験を望む「保育園留学」とはいったいどのようなものか、また子育て家族が一時的とはいえ地方に移住を行う厚沢部町とはどのような場所か、北海道厚沢部町役場 政策推進課 係長木口孝志さんに話を聞いた。

「また通いたい!」と子どもが訴える「はぜる」の魅力

2019年に開園した厚沢部町認定こども園「はぜる」。90人近い地域の子どもたちが通う。

厚沢部町で展開している「保育園留学」とは、1~3週間、0歳から6歳までの子どもを認定こども園『はぜる』に通わせながら、親はテレワークを行えるようにWi-Fiの整備された移住体験住宅で仕事をし、農作物の収穫などの生活体験を行える短期留学プログラムのこと。

留学受け入れ自体は年間を通して行っているものの、「保育園留学」を正式に開始してから1500件以上の問い合わせを受けており、内容は「保育園留学を希望しているが、予約がいっぱい。キャンセル待ちは可能か」というものがほとんど。特に夏は避暑需要も重なり、現在ある移住体験住宅をフルに活用しても同時に6家族までしか収容できる住居がないため、致し方なく1週間で受け入れて多くの人に体験してもらえるよう調整していたほど。今年4月からの募集も開始しているが、現時点で人気の夏場は既に予約で埋まっている状況だという。

「保育園留学」が人気な理由の1つとして、まず子どもの受け入れ施設である認定こども園「はぜる」の魅力があげられる。

「『はぜる』の立ち上げ当時、設計部分から園の先生にも参加してもらってました。子どもたちが解放的な気持ちで自由に遊べることができるように、もともと公園の敷地だった園庭だけでなく、屋内の遊戯室を含めて広く空間を確保することを意識して作りました。第三者評価機関であるミキハウス子育て総研に、全国で初めて『子どもを通わせたい認定こども園』と評価していただくなど、安心して預けられるこども園だと認知していただけているのではないでしょうか」

「はぜる」の魅力はハード面だけではない。保育園留学の利用者からは、「プログラム最終日に、子どもが『これからもはぜるに通う!』と言っていました」「先生方が本当に素晴らしくて、なんで2週間プランにしなかったんだ、と後悔中」といった声が上がっていたという。

プログラム参加者は厚沢部町に訪れる前に、子どもの性格や困りごと、保育園留学に対する思いについて、「はぜる」の職員とオンライン面談を行う。面談があるとはいえ、実際に留学して外から来た子どもを特別扱いするわけではなく、地元の子どもと同じように対応しているのだそうだ。

「保育園留学ではぜるにやってきた子どもたちに対して、何か特別なプログラムを組むといったことはしていません。『はぜる』では、主体保育を取り入れて”子どもたちが遊びの中から学ぶ”ことをコンセプトにしているため、子どもたちが安心して自由に遊べる“場”を作るために先生たちは奔走しているんです」

地元の子どもたちが外部から来た子をきちんと受け入れられるのかという大人たちの懸念をよそに、地元の子どもたちから積極的に訪れた子どもに声をかけてあっという間に友達の輪が広がる光景を目にしたという木口さん。「子どもたちの凄さに気づくことが多い」と、「はぜる」に訪れるたびに感じるのだとか。

「地元の子どもたちにとって、多様な地域から訪れた子と接することで未知の世界への好奇心も刺激されるみたいです。厚沢部町には高くても4階建ての住宅しかないので、散歩していると『この間来た子は40階に住んでるって言ってたよ、どれだけ大きい家に住んでるの』って驚いていたり、フェリーに車を載せてきたと聞いて初めて自分たちの住む北海道が海に囲まれていることに気づいたり、地元の子どもにとっても保育園留学はプラスに働いていると感じています」

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