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2040年には100兆円市場!知っておきたい宇宙ビジネス用語「SAR衛星」とは?

2023.02.05

そもそも「SAR衛星」って何?

最近、様々な分野のニュースで「SAR衛星」というワードを目にすることが多い。例えば、「ウクライナ、日本に衛星データ要請 情勢見極め政府判断」(日経新聞、2022年3月17日配信)という記事では、ウクライナがロシア軍の動向把握のために、SAR衛星による地上データの提供を日本政府に求めたことが報じられている。また「新潟大など、観測値の少ないガーナでの水害をSAR画像などから高精度に予測」(TECH+、2022年12月19日配信)では、SAR衛星による画像を用いることで水害の予測モデリングが可能となるという研究結果を報じている。

世界情勢から防災、もちろん宇宙ビジネス関連でもホットワードである「SAR衛星」であるが、私たちの生活にはまだまだ馴染み深い言葉ではない。宇宙関連ビジネス市場は、2040年には100兆円規模と言われている。ビジネスの潮流を掴むためにも、こうしたトピックは是非とも押さえておきたいものだ。

SARとは、Synthetic Aperture Radarのことであり、日本語では「合成開口レーダ」と訳される。観測衛星の多くは光学センサ、つまりカメラによる観測が主流である。しかしカメラでは、夜間や人工衛星と地表との間に遮蔽物がある時、つまり悪天候の時には地上の様子を観測できないという問題があった。一方でSARは光学センサではなく、電磁波を地上に照射し、跳ね返ってきた電磁波を捉えることによって地上の状態を観測する。そのため24時間、いかなる気象条件でも地表の状態を観測できるのである。電磁波のカメラに比べ識別範囲が狭いのだが、複数の跳ね返ってきた電磁波を組み合わせることでこの問題を解消し、カメラと同程度の観測が可能となっている。これが「合成開口」という名前の理由だ。

SAR衛星に関連する注目企業を紹介

なるほど、そんな最新技術なのか……と思うかもしれないが、実はSAR衛星は最新技術というわけではない。日本初のSARを搭載した地球資源衛星「ふよう1号」が打ち上げられたのは1992年だ。その後も2006年に陸域観測技術衛星「だいち」、2014年に陸域観測技術衛星2号「だいち2号」とSARを搭載した衛星は定期的に打ち上げられている。

(出典:宇宙航空研究開発機構(JAXA)公式ホームページ「陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)」より)

では、なぜ今注目なのか。宇宙ビジネス市場の広がりとともに市場に参入する企業が増えた結果。SAR衛星の小型化、低価格化が進んでいるからである。これによりSAR衛星が打ち上げられること増え、観測範囲も拡大。そして、衛星データプラットフォーム「Tellus」のように、SAR衛星が観測した衛星データ利用へのアクセスも年々拡大している。これにより、多方面、他分野でのビジネス、研究での活用が進んでいるというのが現状である。

最後にこうしたビジネスのフロントランナーたちでもある国内のSAR衛星を開発・運用を行なう注目の企業を紹介しておきたい。

一社目は福岡県福岡市にある株式会社QPS研究所だ。2005年に設立された宇宙開発ベンチャーである同社は、「Q-shu Pioneers of Space」の名の通り九州を拠点に小型人工衛星の開発に携わる企業である。SARを搭載した人工衛星の打ち上げの実績としては、2019年に1号機である「イザナギ」、21年には2号機の「イザナミ」を打ち上げ、昨年10月にはイプシロン6号機にて3、4号機を打ち上げたばかりである。さらに今年度初頭には5号機、6月以降に6号機の打ち上げをすでに予定している。QPS研究所のリリースによれば「2025 年以降を目標に 36 機の小型 SAR 衛星コンステレーションを構築して、地球のほぼどこでも任意の場所を平均 10 分間隔という準リアルタイムでの地上観測データサービスの提供を目指しています」とのビジョンを掲げている。

参考:株式会社QPS研究所

二社目は2018年に設立された株式会社Synspective(東京都江東区)だ。2021年12月に小型SAR衛星「StriX-α」を皮切りに、22年9月にはすでに3機目の小型SAR衛星「StriX-1」を打ち上げている。2022年3月には、損害保険ジャパン株式会社、野村スパークス・インベストメント株式会社などから119億円の資金調達をするなど、注目のスタートアップ企業の一つでもある。

参考:株式会社Synspective 

デキるビジネスマンとしては「SAR衛星」というワードとともに、こうした企業の動きにもアンテナを張っておきたいところだ。

取材・文/峯亮佑

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