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リプロダクト、受注生産制による持続可能なものづくりで〝B Corp〟を目指す岡山のデニムメーカー「ナイスコーポレーション」の歩み

2023.02.01

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

国産デニムの聖地と呼ばれる岡山県倉敷市児島に縫製工場を構えるナイスコーポレーション。国内外のメゾン、アパレルブランドのデニムを製作してきた同社が、自社のプロダクトブランド「NC PRODUCTS」を立ち上げた。

NC PRODUCTSの最大の特長は、製造工程で発生する裁断くずや、残反を用いたリプロダクト製品で、受注生産制を採用し適切な製造量で売れ残りを出さないといった持続可能なものづくりを行っているということ。

ハードルが高いことで知られる国際認証制度「B Corp」認証取得に挑戦

再生デニムや環境に配慮したものづくりを行っているアパレルメーカーはすでにあるが、同社は取得までのプロセスが難しいとされる、アメリカ・ペンシルヴァニア州の非営利団体「B-Lab」が発行する国際認証制度「B Corp(=B Corporation)」に昨年10月末に申請しており、現在認証待ちの状況にある。

B Corpは社会・環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業を評価する制度。Governance(企業内統治)、Workers(従業員)、Community(地域社会)、Environment(自然環境)、Customers(顧客)の5項目が必要とされ、全社的に綿密な取り組みを行うことが必須で、取得後も3年ごとに点検と様々な書類提出が必要となる。

取得企業はグローバルでは2012年にB Corpを初めて取得したPatagoniaをはじめ、ALLBIRDS、THE BODY SHOPなど5951社(2023年1月現在)あるが、国内では十数社しか取得していない。

ブランドデビューに合わせて下北沢で開催されたポップアップショップにて、ナイスコーポレーション代表取締役社長の井筒伊久磨氏に、同社の取り組みについて話を聞いた。

「アパレルは環境汚染産業とも言われイメージが良くありません。20年ほど前から私自身もそのことにずっと疑問を持っていましたが、言われたままに仕事をしなくてはいけない環境にあったことから苦しさも感じていました。

2020年に自分が代表になるタイミングで変えようと決心し、祖父の代から培われてきた良い面は残しながらも、人が集まらないといった労働問題や、環境汚染、廃棄物の問題に取り組もうと、B Corp認証を申請することにしました。

B Corpの申請には膨大な資料を提出する必要がありますが、基本的なルールはすでに持ち合わせているので、それらをブラッシュアップして資料に落とし込む作業を行っています。全社をあげて取り組むことで、社内の意識も変わってきました。製造工程のすべてをトラッキングして課題を浮き彫りにし、それらの削減に取り組んでいます。客観的な指標が入ることで改善点がイメージしやすくなりました。

自社だけでなく地域として取り組んでいく必要があると考えており、私たちが先頭に立って行動することで、地域やアパレル業界にも波及してくれることを期待しています。とはいえ、B Corp認証が取れたのならそれで良しではなく、会社、地域、業界全体の意識を改革していくことが必要で、今はそのための発信を行っている状況です。

社内全体でB Corpに取り組みながら、会社の在るべき形を追い求めています。デニム工場としての在り方や姿勢をしっかりと伝えたいと、環境に対する配慮、労働環境改善といったことを中心に、会社の根幹となる姿勢を表現したブランドが『NC PRODUCTS』なのです」(井筒氏)

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