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Googleのインフォテイメントシステムを搭載したボルボ「XC40 Recharge Ultimate Twin Motor」の使い勝手を検証

2023.01.28

最新のGoogleの機能をフル活用

電気自動車で気になる、ドライブ中の充電についても、Googleはいい仕事をしてくれる。Google搭載のナビ画面で、近くの充電スポットを検索できるのは当然として、目的地を設定した場合、到着時の予想バッテリー残量も表示されるのだ。その数値はじつに正確で、もし、残量に不安があれば、途中で充電する予定も立てやすい。

今回は、東京から南房総鴨川に向かい、1泊して帰ってくる行程で、往復約300km。自宅で満充電にして出発すれば、途中充電なしでこなせる目的地ではある。が、せっかくのEV・ピュア・エレクトリックモデルでの試乗であり、犬連れでもあるので、観光がてら、あちこち回る可能性もある。あくまで実際の自動車生活、EV生活をシュミレーションした試乗としたい。そこで目的地の宿泊先を、駐車スペースに6台分の200V 6kWの充電設備があり、電気自動車ユーザーがほぼ安心して訪れることができるところを選択した。

ところで、ボルボXC40 Recharge Ultimate Twin Motor(Single Motorも)に始めて接すると、誰もがちょっと戸惑うに違いない。というのは、リモートキーの役割が一般的なクルマとは違い、携帯しているだけでドアを解錠できるだけでなく、ドアを開けたことで電気自動車のシステムがON(電源ON)になる仕組みなのだ。つまり、電気自動車でもフツーにあるスタート/ストップボタンは存在しない。一方、降車し、リモートキーでロックすれば、システムがOFF(電源OFF)になる。

目的地は初めて訪れる場所ゆえ、ナビに目的地設定をすることになるのだが、ここも基本的にAndroidのスマートフォン利用者なら慣れているGoogle検索を使う。そう、目的地の名称、住所などを発声すれば、かなりの正確度で認識。ちなみに発声を多少、噛んでも、理解してくれるのだから、最新のGoogleはすごい。また、各種音楽サービスにも対応していて、試乗車の場合、YouTube Musicから、例えば「松任谷由実が聴きたい」と発声すれば、ユーミンの楽曲がかかる。「90年代のポップスが聴きたい」と発声すれば、90年代ポップスのオンパレードとなる。

南房総鴨川へと出発したボルボXC40 Recharge Ultimate Twin Motorの走行性能は、電気自動車ならではの静かさが特徴だが、さすがに荒れた路面では20インチのスポーツタイヤが発するロードノイズが目立つ。が、高速道路など、良路になると、まるで滑走するようにスムーズかつ、硬めながら低重心によるフラットな乗り心地に徹してくれることになる。車内でどこかにつかまれない愛犬、愛犬家ドライバーにとっても、ボルボXC40 Recharge Ultimate Twin Motorは最適&快適無比な移動手段と言っていいだろう。

動力性能については、前後モーターによる大排気量ガソリン車に匹敵するパワー、トルクがあるのだから、あらゆるシーンで不足など感じるはずもない。何しろ0-100km/h加速4・9秒のスポーツカー並みの加速性能の持ち主なのだ。電気自動車の常として、市街地をゆったり流していれば、バッテリーの減りは穏やかだが、高速走行になるとバッテリーの減りは早い。が、ルート設定をしているとナビ上に周辺の充電スポットが表示されるし、今回のように片道150km程度のリゾート地へ向かう走行なら、小心者の筆者でも、心配は無用だった。

高速走行では、ボルボ自慢の先進運転支援機能が威力を発揮する。ステアリングのスイッチひとつで、それこそ半自動運転と言える走行、つまり前車追従、レーンキープが可能。ロングドライブでも運転に対するストレスは最小限で済む。

もちろん、出発時のバッテリー残量、走行距離によっては、ドライブ途中での充電は不可欠だが、その点は賢いナビの充電スポット案内に任せればいい。最初の画面では最小限の案内だが、タッチすれば細かい内容が表示される(空いているかの説明はないが)から、充電スポット選びにも自由度が増すというものだ。

そして、あちこち走り回り、バッテリー残量約60%で目的地に到着。直帰すれば帰れないでもないバッテリー残量だが、ここは、せっかくなので宿の200V 6kWの充電設備を使わせてもらうことに。間違いなく翌朝には100%になっている。筆者のように、くどいようだが小心者が電気自動車を使う場合、ドライブ旅行の目的地選びに、充電設備があるところを選ぶと、より一層、余裕をもってドライブが楽しめるということを実感した次第。充電に余計な時間を費やすこともなく、とくに愛犬連れの電気自動車によるドライブ旅行では、高速道路のSA/PAでの充電中の自由度が制限されるため、そうした目的地選びが理想ではないだろうか。

でなければ、充電設備とドッグランの両方があるSA/PAに立ち寄るといいだろう。充電している30分を、愛犬とのリフレッシュに使えることになる。

東名足柄SAは充電設備とドッグランが至近

そうそう、今回の愛犬連れボルボXC40 Recharge Ultimate Twin Motorでの試乗、ドライブ旅行では、ボルボ純正の愛犬用ドッグベッド(ハーフサイズ)を後席に設置。前後席のヘッドレストに頑丈なロープで固定する、縁の高いバスタブ形状で、各所に配されたジッパーによってシートベルト&犬用シートベルトの使用も可能な、ボルボらしい愛犬の安全・快適に配慮したアイテムだ。素材は表、裏ともに高級感ある合成皮革が使われ、底部分にはクッション板が入っていて、左右には通気性と飼い主とのアイコンタクト性に富む大きなメッシュ窓を配置。ジッパーによって側面を開くことができ、愛犬の乗降も楽々。犬の抜け毛がからまず、汚れにくさ、清掃性の良さも魅力となっている。この小型犬、中型犬用のハーフサイズに加え、後席全体をすっぽり覆ってくれる、多頭、大型犬にも対応するフルサイズも用意されている。

おかげで、ダブルコートで抜け毛も少なくないジャックラッセルを乗車させても、車内の抜け毛被害、動物臭の付着は皆無に近く、帰ってからも愛犬用ドッグベッドを外せば、きれいな車内のまま、クルマを使うことができるのである。ちなみにラゲッジスペースには、わが家で使っているドッグカートを真横に積み込むことができた。斜めにしか積めないラゲッジスペースだと、ほかの荷物の積載性が著しく悪化するのだが、XC40のラゲッジスペースは合格である。

ボルボXC40
ボルボ愛犬用ドッグベッド

文・写真/青山尚暉

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