◆チューナー部分をスピーカー部分から分離するとポケットラジオとして使用できるセパレート仕様
この製品の最大の特徴はチューナー部分とスピーカー部分を分離することができるセパレート仕様を採用している点である。
スピーカー部分にあるレバーをスライドさせながら両部分を上下逆にスライドさせることで分離することができる。
両者の接合面を見ると6つの接点で信号のやり取りがされていることが分かる。
この製品、当時のカタログを確認するとそのコンセプトが分かるが、“部屋で聴くポータルブルラジオの音を外出先で持ち出すこと”をテーマにしていたようだ。
外出先ではスピーカーは使わずにイヤホンでラジオを聴いているのであれば、いっそスピーカー部分を着脱式にしてみては、という発想から生まれた製品とのことである。
ちなみに発売された当時は、チューナー部分を収納し更に定期券ポケットまで付いた専用の携帯カバーが付属していたようである。
チューナー部分単体でのサイズは幅65mm、高さ101mm、奥行き23.5mmとなりワイシャツの胸ポケットに入るサイズを意識されていたことが推測できる。
外出先では携帯ラジオとして使用し、家に帰ってきたらスピーカーとドッキングする製品は平成の時代にも目にしているし、実際に私もそのような製品を購入したことがあるので珍しくはない。
だが、そのコンセプトを考え、すでに1970年代に製品化していたソニーの発想力と技術力には改めて舌を巻く思いだ。
『ICF-7500』を購入するには?
『ICF-7500』を購入したい場合、私のように蚤の市で偶然見つける以外はネットショップもしくはフリマアプリ等を利用することになることになると思われる。
ちなみにAmazonでも販売されており、こちらは1万円前後の価格になっているようである。フリマアプリではそれよりも廉価で出回っているものもあるようなので、見比べて購入を検討すると良いだろう。
個人的には、発売から50年近く経過しアンティークのような魅力を持ち、それでいてちゃんと現役の家電として使用できるこの『ICF-7500』を手に入れることができ大変満足している。これからも末永く使用していこうと思っている。
文/Wataru KOUCHI
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