2022年は、インフレ高進に伴う中央銀行の金融引き締めと先行きの景気悪化を懸念して、世界の株式市場が大きく調整した。こうした中、ひとり気を吐いたのがインド株だ。
主要な株価指数のSENSEX指数の年間リターンは4%のプラスだった。生産年齢人口の増加やデジタル化の進展などを背景に、今後も高い経済成長を維持できるとの見方から、堅調な『企業業績』を見込んでインド株に資金が流入した。
そんな中、三井住友DSアセットマネジメントは「高い経済成長を背景に堅調なインドの『企業業績』」と題したマーケットレポートを公開した。
欧米の企業業績が悪化する一方でインドは好調を持続
インド株堅調の背景には、経済の高い成長に伴う業績期待があるとみられる。インドの『企業業績』の見通しは、世界経済が大きく減速することが見込まれているなかでも、着実に拡大することが予想されている。
ブルームバーグによれば、SENSEX指数の今後12カ月の予想1株当たり利益(EPS)は増加を続けている一方、米S&P500種指数の予想EPSは、22年7月以降減少傾向が続いている。この企業業績の見通しの違いが、22年の株価パフォーマンスに現れたとみられる。
バリュエーションは割高ではない
一方、SENSEX指数のバリュエーションをみると、『企業業績』の見通しが堅調なことから、一時の割高感は後退している。SENSEX指数の予想株価収益率(PER)は足元で19倍台に低下しており、コロナショック前の水準に概ね戻っている。SENSEX指数は最高値圏にあるものの、必ずしも買われすぎとは言えない。
【今後の展開】23年も企業業績は堅調続く
23年のインドの『企業業績』見通しは堅調だ。より銘柄数の多い株価指数「MSCI INDIA」の予想EPSでみても、前年比+19%と高い伸びが見込まれている(ファクトセット、1月16日)。これは米S&P500種指数の予想EPSの同+4%を大きく上回っている。
インドの高い経済成長に伴う堅調な『企業業績』は、今後もインド株市場に投資マネーを呼び込みそうだ。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい