災害や新型コロナウィルス感染症の影響など、やむを得ない理由により消費税を納税できない個人事業者や企業が多くあります。では、消費税の納税時期はいつなのでしょうか? 詳しい時期と納税猶予についてまとめました。
令和4年分の消費税の納税時期は?
令和4年分の消費税納期限は次の通りです。
個人事業者:令和5年3月31日(金)、振替日は令和5年4月27日(木)
法人事業者:課税期間終了日の翌日から2か月以内
納付期限を過ぎると、延滞税が課されます。
なお、個人は前年、法人は前事業年度の消費税の年税額が48万円を超えると、中間申告と納付が必要です。納税額の計算には、前年実績による方法(法人は予定申告方式)と仮決算に基づく方法があります。
前年実績による方法は、中間申告の納付税額を、前年度の確定消費税額に応じて算出したもの。確定消費税額に応じて、金額が記載された申告用紙が所轄の税務署から送られてきます。
仮決算に基づく方法では、各中間申告対象期間を1つの課税期間とみなして仮決算を行い、中間申告の納付税額を算出します。当期の業績が悪化している場合にメリットのある方法といえます。
【参考】個人事業者と法人で期限が違う!?消費税の申告期限はいつ?
消費税の納税猶予を受けるための条件
消費税の猶予制度とは、期限内の納税が難しい場合、期限後に納税ができる制度です。
一定の条件を満たし、申請して税務署長の承認が得られれば、猶予期間中は延滞税が年8.7%から年0.9%の割合(令和4年分の場合)に軽減されます。
条件は、以下の通りです。
・一時の納税により、事業の継続・生活維持が困難となるおそれがある
・納税について誠実な意思がある
・納期限から6か月以内に申請がある
・消費税以外に国税の滞納がない
猶予期間は原則として1年以内ですが、状況に応じてさらに1年猶予されるケースもあります。猶予を申請するためには、国税庁のホームページより「猶予申請書」をダウンロードし、所轄の税務署に提出しましょう。郵送やe-Taxでも申請できます。
事情があってどうしても延ばしたい時、消費税の申告期限は延長できる?
消費税の納税方法5種
消費税を納付する方法は以下の通りです。
金融機関で振替納税
振替納税を利用するには、指定した金融機関にあらかじめ口座振替の依頼書を提出する必要があります。依頼書の提出はe-Taxでも行えます。
電子納税
e-Taxを利用してインターネットで電子納税するためには、事前に開始届出書の提出が必要です。
クレジットカード
「国税クレジットカードお支払いサイト」から納付できます。
コンビニエンスストア
国税庁のホームページからQRコードを作成・印刷し、コンビニエンスストアで納付できます。
窓口で現金納付
納付書を添えて、現金で金融機関(日本銀行歳入代理店)または所轄税務署で納付します。
【参考】e-Taxホームページ
消費税を納税する義務者とは誰?
消費税を納税する義務のある「納税義務者」は、次の通りです。
・国内で課税資産の譲渡、貸付け、サービスの提供などを行った事業者
・外国からの課税貨物を保税地域から引き取った者
(事業者に限らず個人が輸入した場合も納税義務者になる)
基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超えたら、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を所轄税務署長に提出する必要があります。
1000万円以下であっても、特定期間(個人事業者は前年の1月1日から6月30日までの期間、法人は前事業年度開始の日以後6か月の期間)における課税売上高が1000万円を超えた時は「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を提出しなければなりません。
なお、特定期間における課税売上高1000万円の判定の代わりに、給与等支払額の合計額からも判定できます。
消費税の納税義務者でなくなった場合はどうする?
事業者は、消費税課税期間の基準期間における課税売上高が1000万円以下の場合、納税義務が免除されます。ただし、特定期間の課税売上高が1000万円以上になった時には、その課税期間から課税事業者となります。納税義務者でなくなった時は、届出書の提出が必要です。
消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書
基準期間における課税売上高が1000万円以下になった時に提出が必要な書類は「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」です。国税庁のホームページからPDFファイルをダウンロードして届出書を作成し、納税地を所轄する税務署長に提出しましょう。
【参考】国税庁|消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書(PDFファイル)
消費税・地方消費税の納付期限をチェック
消費税の納付期限について、詳細は国税庁のホームページで確認しましょう。事情があって期限までの納税が難しい時でも、納税猶予などで負担を軽くする方法はあります。国税局では電話相談も受け付けているので、困った時には利用してみてはいかがでしょうか。
【参考】国税庁|税についての相談窓口
※データは2023年1月初旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※詳しくはお近くの税務署、税事務所、税理士など税のプロに相談して下さい。
文/ねこリセット