DIME MAGAZINE
伝わりやすさにこだわった動画発信で半年で1000フォロワーに
取り上げる話題は、お茶を知っていく中で自分自身が面白いと感じたことや、お茶作りにまつわる農家のリアルな日々のことがメイン。夫婦でしっかり企画会議をし、もちろん撮影から編集までの全てを自らスマートフォンのアプリを駆使して行います。
そうして作られていった、リアルでありながら、見ていて楽しい気持ちになるショート動画は、じわりじわりと注目を集め、当初は10人程だったフォロワーも半年経たない間に1000人を超えるまでに…。
昔から仕事はトコトンやりたいタイプと語るみさきさんは、好きだというアメリカのコメディアン、ルシル・ボールさんの「あんなことをしなければよかったと思う方が良い。あんなことをしてみたかったと思うよりは。」という言葉を胸に、最初の三ヶ月は、毎日欠かさず動画を撮影し、投稿。半年経った今も頻繁に更新を続けています。
例えばある日の投稿は、「お茶の時期ではない時に、お茶農家はどんなことをやっているのか」を紹介する動画。
新茶の時期に、摘採したお茶の葉を少しでも早く工場へと持っていけるように、畑周りの整備も大切になってくるそうで、夫婦で黙々と茶畑の周りの整備をする様子が軽快な音楽とともに、早送りで紹介されています。テンポ良く、サクサク作業を進めていく様は見ていて気持ちが良く、つい何回も繰り返し見てしまうから不思議。
また別の日には「お茶の摘採の仕方には大きくわけて３つある」という話題。「折り摘み」「かき摘み」「こき摘み」といった、様々な手摘みの仕方を茶畑のお茶の葉で実践している様子や、はさみ摘みの時に使うはさみと袋が一体化したペリカンのような機械を色々な角度から見せてくれたりと、学びと心地よさがいい感じにマッチしたナイスな動画です。プチプチッと葉を摘む音が聞こえるなど、自然を感じる部分がたくさんあるところも癒し…。
その他にもみさきさん自らが実践する“お茶農家の嫁あるある”といったクスッと笑える動画や、干し芋やキムチ作りなどお茶作り以外の暮らしの風景もはさみつつ、様々な切り口でお茶農家の暮らしに触れることが出来る動画がずらり。どの動画も、地元の友達からお茶作りを教わっているようなゆるりとしたムードで、見ているだけで、こちらまでリラックスモードに包まれるものばかりです。
専門用語はできるだけわかりやすく言い換えて説明していたり、自らに突っ込みを入れるなどユーモアが散りばめられているところからも、「動画をきっかけにお茶に興味を持ってくれる人を増やしたい」というみさきさんの想いが伝わってきます。
1万フォロワーを目指しお茶の魅力を伝え続ける
「私の住んでいる掛川市でも、今お茶を栽培している農家の84％が後継者となる人がいないそうです。ホッとしたり、癒されたり…お茶って日本の素晴らしい文化なのに、悲しいなあと思っていて。私はまだお茶作りに携わって２年ですが、魅力的に感じることがたくさんあります。お茶作りに向き合っている様子を20代の私達が発信することで、お茶作りに興味を持ってくれる人やお茶を飲むきっかけになれたら嬉しいですし、それを目指して日々動画を発信しています。まずは、１万人のフォロワーを目指そうと決めたので（笑）１人でも多くの人にお茶の魅力を伝えられるように、これからも頑張ります。」
未経験でお茶作りの世界に飛び込んだからこそ、固定概念を持つことなく、お茶作りの面白さや変えていくべきところも感じると語るみさきさん。
自分の発信する動画をきっかけに、お茶作りそのものに興味を持ってくれたり、お茶を飲んでくれたらうれしいと笑顔で語る姿がとても印象的でした。
“自分ができることで、お茶業界を盛り上げる”
みさきさんは今日もスマホを片手に、お茶と生きる日々を発信し続けています。
■「お茶農家の嫁みさき」Instagramアカウント
https://www.instagram.com/ochanouka_misaki/
【著者プロフィール】
茂木雅世 もき まさよ
煎茶道 東阿部流師範・ラジオDJ
2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまう活動を開始。現在ではお茶にまつわるモノ・コトの発信、企画を中心にお茶“漬け”の毎日を過ごしている。お茶×音楽ユニットYuge〻のメンバーとしても活動中。
趣味は暮らしの中に取り入れやすいサステナブルアイテムを探求することとバスケ観戦。
Instagram：https://www.instagram.com/moki98per/
Twitter：https://twitter.com/ocharock
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