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三菱重工、富士通、日油、防衛費の増額で恩恵を受ける企業は?

2023.01.13

2022年12月16日、岸田内閣は2023年度からの5年間の防衛費を、現行の計画から1.6倍となる43兆円程度に積み増すことで閣議決定しました。

ロシアがウクライナに侵攻し、世界の安全保障環境が変化。北朝鮮は弾道ミサイルの開発を進めて発射を繰り返し、中国の台湾侵攻という最悪の事態も現実味を帯びてきました。NHKが実施した防衛費増額に対する世論調査では賛成が55%で反対を上回っており、国民の理解もある程度は得られています。

増額された防衛費の具体的な使い道と、その恩恵を受ける企業はどこなのでしょうか。

スタンド・オフが防衛力強化の中核

43兆円は5年間の歳出の総額です。装備以外にも人件費や食糧費などが含まれます。そのうち、11兆円は人件費と食糧費で、期間外歳出16兆5,000億円を足した43兆5,000億円が防衛能力を高めるための装備費などに充てられます。

この金額は現行の計画の2.5倍に相当します。

防衛省「防衛力整備計画について」より

現行の計画からの積み増しが最も多い領域がスタンド・オフ防衛能力。これは航空機や艦艇、ミサイルなどに対処するためのもので、敵の射程圏外から攻撃できるミサイルやレーダー探知機、戦術無人機などを指します。当初の計画では2,000億円としていましたが、5兆円へと25倍に増額しました。

北朝鮮がミサイルの発射実験を重ねるごとに精度を上げていることからもわかる通り、諸外国はレーダーの探知範囲やミサイルの射程を飛躍的に伸ばしています。スタンド・オフ防衛能力の強化は、有事の際に自衛隊員や国民の安全を守るだけでなく、武力攻撃に対する抑止力にもなります。

防衛省「防衛力整備計画について」より

日本の防衛を陰で支える三菱重工業

スタンド・オフ防衛力強化の切り札とされているのが、12式地対艦誘導弾。宮古島などに配備されている新型国産ミサイルで、2012年度から運用がスタートしています。このミサイルは現在、敵の艦艇に向けて発射する誘導ミサイルで、射程は数百キロメートルほど。それを敵の射程圏外から攻撃できるスタンド・オフ・ミサイルに改良、量産しようとしています。

防衛省は予算として、地発で7,000億円、艦発で2,000億円程度を見込んでいます。

このミサイルを開発・製造しているのが三菱重工業。2022年3月期の売上収益3兆8,602億円のうち、防衛・航空・宇宙セグメントは6,052億円で、全体の15.7%を占めています。

三菱重工は日本の防衛産業の中核を担っていると言っても良い会社。レーダーに捕捉されにくいステルス性を備えた新型護衛艦もがみや、アメリカのシコルスキー社とのライセンス契約に基づいて国産化した救難ヘリコプタUH-60J、自衛隊の主力戦車10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)などを製造しています。

防衛省の「中期防衛力整備計画」で、装備品の単価を公表しています。それによると、戦車の単価が15億円、護衛艦の476億円、潜水艦が647億円、地対艦誘導弾は56億円、中距離地対空誘導弾は143億円。スタンド・オフ防衛力強化においては、地対艦誘導弾や中距離地対空誘導弾といった高単価の受注が増えると予想されます。

三菱重工の防衛・航空・宇宙セグメント売上収益は、新型コロナウイルス感染拡大で航空部門が打撃をうけ、2022年3月期は前期比13.8%減の6,052億円と大きく落ち込みました。

■三菱重工 防衛・航空・宇宙セグメント売上収益推移

決算説明資料より

防衛費の増大は三菱重工にとって恩恵の大きいものとなるでしょう。

伸び悩んでいた富士通が反転攻勢に出るか

防衛関連の企業は三菱重工のほかにも、防衛機器やシステム開発などを行う東芝、自衛隊向けの小銃を生産する豊和工業、火薬を製造する日油、ロケットシステムなどを開発するIHI、レーザー機器のシグマ光機などがあります。

この中でも優良企業の一つが日油。2022年3月期の営業利益率は18.5%。火薬類を扱う細谷火工の10.1%、小火器開発の豊和工業5.0%を大きく引き離しています。

日油は医薬用製剤原料を手掛けており、2022年3月期はコロナワクチン向けの原料需要が拡大。ライフサイエンスセグメントの事業利益率は41.8%と極めて高く、収益性の向上に大きく貢献しました。

火薬や爆薬類の売上高は300億円で、現在は全体の6.4%ほどに留まっています。しかし、弾薬・誘導弾の予算は当初の1兆円から2兆円へ引き上げられます。日油の火薬類の売上高はしばらく横這いが続いていましたが、防衛費の増額は文字通りの起爆剤となる可能性があります。

防衛関連において見逃せない分野がサイバーセキュリティの強化。1兆円の事業費を盛り込みました。防衛省の情報通信システムの研究や構築を行っている会社が富士通。作戦行動のシミュレーションを行う実動訓練や、航空機の任務遂行支援、サイバー攻撃対策、宇宙監視、防衛省と自衛隊の基幹システムなどを提供しています。富士通の売上高は縮小傾向にあり、サイバーセキュリティ対策の予算増額は朗報となるでしょう。

取材・文/不破 聡


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