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何と読む?座右の銘としてもよく使われる言葉「知行合一」の意味と正しい使い方

2023.01.15

仕事を上手く進めるためには、理論だけではなく経験も必要不可欠。「知行合一」はそんな物事への姿勢を表す四字熟語だ。経営者やリーダーが座右の銘として掲げていることも少なくない。

そこで、本記事では知行合一の読み方や意味、歴史的な背景について簡単に解説する。ビジネスシーンで出会った時に役立つので、ぜひ覚えおいて欲しい。

知行合一とは?

知行合一は、物事への考え方や姿勢を表す四字熟語の一つ。はじめに、知行合一の読み方や意味、由来について解説する。

知行合一の読み方と意味

知行合一の読み方は、「ちこうごういつ」。知は知識、行は行為、合一は一つにすることを指す。元々は「何かを体得するには知識だけではなく同時に実践も必要である」という意味を持つ言葉だったが、現代では「知識ではなく実践こそが重要」といった意味でも使用されている。

知行合一の由来

知行合一は、中国の儒学者、王陽明の教えがまとめられた『伝習録』に由来する言葉だ。本書に「知行合一」という表記はないものの、次の部分が知行合一に通ずる教えの一つであると言われている。

「知は是れ行の主意、行は是れ知の功夫、知は是れ行の始にして、行は是れ知の成なり」

現代語訳すると「知識は行為の目的であり、行為は知識の修行でもある。知識は行為の始まりであり、行為は知識の完成である」となる。知識と行為は切り離せないものであり、行為によって知識が完成することが述べられている。

知行合一の歴史的な背景と例文

ここからは、知行合一という言葉が生まれた歴史的な背景や、知行合一を使った例文を紹介する。ぜひこの言葉への理解を深めるのに役立ててほしい。

知行合一は陽明学の命題

知行合一は陽明学の教えに由来する言葉。陽明学とは、行動や実践を重視する儒学者の王陽明によって開かれた学問の一つだ。中国の明代の初めに考え方が生まれ、官学に採用されていた朱子学に対してのアンチテーゼとして大陸中に広まった。

当時の中国では、朱子学の「先知後行」が重視されていた。「先知後行」の読み方は、「せんちごこう」。行為を身につけるためには、まず知識を身につける必要があるという考え方だ。

「先知後行」の考え方でも、「知行合一」と同様に行為が重視されている。しかし、この考え方が広まるにつれて、「知識を先に身につける」という部分が一人歩きしていった。結果、当時の中国王朝で知識の偏重が起こり、官僚化が進んでいく。

実践を伴わない朱子学の考え方に疑問を持った王陽明は、自身で修行を重ね、実践を重視した「知行合一」の考え方に辿り着く。その後、王陽明の思想は「陽明学」と名付けられ、中国・韓国・日本へ広まっていった。

座右の銘として使われてきた知行合一

陽明学の考え方は、幕末の日本に普及した。その時、知行合一の考え方も広まり、以来、多くの偉人が座右の銘として掲げるようになる。例えば、吉田松陰は、自身の私塾である「知行合一」を掲げていた。他にも、大塩平八郎や西郷隆盛など幕末に活躍した偉人陽明学に師事しており、「知行合一」を重視していたと言われている。

知行合一の例文

使い方の難しい「知行行一」という四字熟語。より具体的な使い方をイメージできるように例文をいくつか紹介する。

「ビジネスにおいては、知識を得るだけではなく実践していく知行合一の姿勢が重要だ」

「理想論ばかりで結果が伴わない、彼には知行合一の考え方が欠けている」

「社長は知行合一の人で、知識も行動も備わっている」

知行合一と言行一致の違いは?

「言行一致」の読み方は、「げんこういっち」。言葉と行動が一致することを表す四字熟語だ。「彼は言行一致している人物なので、信用できる」というような使われ方をする。

一方で、「知行合一」は、知識と実践を同時に行い、何かを体得する姿勢を指す。「知行合一」は学びの姿勢を、「言行一致」は自らの振る舞いを表す言葉であるため、2つの言葉の違いをよく理解し、適切に使い分けられるようにしたい。

文/編集部

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