建築関連
建築業界において「木造建築」は2023年における注目のキーワードだ。鉄やコンクリートといった建築素材は製造の過程で多くのCO2を排出する一方、木材はその問題を解消でき、CO2を貯蔵する働きもあるのだ。課題であった耐火性や強度問題も新技術で解消され、木造高層ビルの建設が続々と始まっている。
木造高層ビル
2023年の着工・完成が進む
国内最大級となる木造賃貸オフィスビル計画
三井不動産と竹中工務店は、東京・日本橋に国内最大級の木造高層ビルの建築を計画中。ポイントは竹中工務店が開発した「燃エンウッド」と呼ばれる耐火性に優れた集成材だ。複数の層で形成され、火災が起きても熱から柱や梁を守る構造になっている。国土交通省の認可を受け、高層建築にも使用可能となった。2023年着工、2025年竣工予定。(※上写真のパースは現時点でのイメージ。今後、変更になる可能性がある)
地域密着型の工務店も環境の配慮に積極的
「木造のタワマン」と期待されているのが、千葉県鎌ヶ谷市で東洋ハウジングが進める「木のまちプロジェクト」だ。木の板をタテ・ヨコに組み合わせて耐震性を確保したCLTパネル工法で、世界初の14層、地上15階建ての木造高層建築に挑む。二酸化炭素の貯蔵量は約1678tで、一般の住宅(100平方メートル)の約100棟分に相当。2023年秋完成予定。
再エネ都市
2023年竣工予定
世界で進める〝RE100都市〟の日本モデルが誕生
森ビルが進める大型再開発プロジェクト「虎ノ門・麻布台プロジェクト」では、街全体で「RE100(Renewable Energy 100%)」に対応する再生可能エネルギー由来の電力で、100%の供給を行なう予定。また、エネルギー効率向上を図る技術を導入するほか、街の利用者の脱炭素を支援する。2023年竣工予定。
CO2排出量ゼロマンション
2023年8月に竣工予定
入居中のCO2排出量実質ゼロを実現!
三井不動産レジデンシャルと三井ホームが、2022年11月18日に着工した『パークアクシス北千束 MOCXION』は、人と地球環境に優しい木を構造材に用いることで、建築時のCO2排出量を約50%に削減。再生可能エネルギーの一括受電、オール電化、太陽光発電によって入居中のCO2排出量の実質ゼロを実現する、注目の賃貸マンションだ。また『パークアクシス北千束 MOCXION』が取得予定という米国のグリーンビルディング協会が運営する国際的な環境認証「LEED認証」についても、同賃貸マンションなどにより、2023年はさらに関心が高まり、周知が広がりそうだ。