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「DIMEトレンド大賞」家電部門賞に輝いたドン・キホーテの担当者に聞く〝テレビを見れないテレビ〟を作った理由

2022.12.28

2022年のトレンドを総括する、ビジネストレンドマガジン『DIME』の恒例企画「2022 第35回 小学館DIMEトレンド大賞」が決定した。各部門に今年の〝顔〟が出そろう中、異彩を放っていたのが家電部門で金賞に輝いたのがドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの『AndroidTV機能搭載 チューナーレス スマートTV』だ。

審査のウラをちょっとお話しすると、この商品、一つだけで〝引っかかる点〟があった。それはチューナーレスのネーミングの通り、本体にTVチューナーがなく、テレビでありながら地上波放送が映らないということ。「テレビのようでテレビじゃない!!」、〝あえて〟テレビチューナーを外したネット動画専用のスマートTVなのである。とはいえ、時代に合ったトレンド性と堂々たるヒット指数をもち、読者アンケートでも上位に入る健闘ぶり。無事に予備審査を通過すると、最終選考委員4名の評価も高く、見事大賞を獲得した。2022年末、公式キャラクタードンペンの交代→撤回がネットで盛り上がったドン・キホーテの開発者にバズった理由などをうかがってみた。

『AndroidTV機能搭載 チューナーレス スマートTV』を企画したパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスPB企画開発の鷲津啓介さん

ネットで動画や映画を視聴することの多いZ世代も大注目!やさしい価格とゲームやPCにつなげる汎用性の高さも◎

付属のリモコンには主な動画配信サービスのダイレクトボタンを搭載。ワンタッチで起動できる。

「チューナーレススマートTV」はドン・キホーテのPBブランド「情熱価格」から発売されたドン・キホーテの専売商品だ。「ありえ値ぇ!情熱価格」は、これまでにも激安4Kテレビをヒットさせるなど、テレビの自社開発には並々ならぬこだわりをもっている。

「本商品はもともと、企画担当者がテレビドラマ好きでよく見るものの、リアルタイム視聴することはほぼほぼなく、もっぱらキャッチアップ配信で視聴していたことが開発のヒントになりました。自身と同様のライフスタイルを送っている人も多いのではないかと考えたことがきっかけで商品化がスタートしました」と、開発背景をPB企画開発の鷲津啓介さんは語る。どのような仕様にするかを考える過程で、テレビチューナーのない、スマートTVに割り切ることとなった。

Chromecast機能でスマホ画面をテレビ画面に表示が可能。動画やゲームを大画面に映し出せる。

インターフェースにはHDMI端子を3機搭載。ノートPCやゲーム機のモニターとしても活用できる。

「ここ数年、YouTube や、Netflix、Amazon プライムビデオなどの動画配信サービス、コンテンツの充実によりインターネットで、動画や映画を日常的に視聴する人が増えています。本製品では〝あえて〟チューナーを外して、アンドロイド OSを搭載したインターネットでの動画視聴に特化した商品としました。それぞれがリモコン一つで楽しめるので一般的なテレビと同じようにコンテンツを楽しむことができます。また、インターフェースを充実させることで、ネットでの動画視聴以外に、家庭用ゲーム機を接続して大きな画面でゲームを楽しむことや、DVD・ブルーレイプレイヤーに接続して映画を鑑賞したり、ノートパソコンを接続してデュアルモニターとして活用したりするなど、ニーズに合わせて様々なシーンで使用できる、汎用性の高さも備えています」(鷲津さん)

外されたのはTVチューナーだけで、ゲーム、DVD/ブルーレイ、PCなどつないで多目的に使えるということだ。テレビというよりデジタル系万能モニターというところか。

鷲津さんによれば、第一弾として2021年12月10日に、24型と42型のフルHDモデル2タイプを発売すると、初回生産分6000台が何と1か月でほぼ完売に。好調な売れ行きに手ごたえを感じ、2022年8月には4KモデルとフルHDモデルの販売をスタートさせた。4K対応は43V型(3万8280円)、50V型(4万3780円)、フルHD対応は24V型(2万1780円)、32V型(2万7280円)と価格の安さも強みに、シリーズ累計で2万2500台が売れたという。

ヒットの要因について、ひとつに自社のHPやSNSなど、あらゆるオウンドメディアを活用いたとしながらも、「一番の要因は2021年12月の発売からWEBを中心とした多数のメディア取材いただき、取り上げられたことで、記事を見たユーザーがSNSに投稿し、情報が拡散されていったことと考えています」(鷲津さん)

「NHKの受信料を払わずに済む」「TVerを利用すれば地上波番組もチェックできる」と、ネット界隈では〝祭り〟状態に

気になるのはTVチューナーを〝あえて〟外したという一文。この〝あえて〟にもヒットの秘密が隠されていると@DIMEスタッフは読む。まずはTVチューナーがないため「NHKの受信料を支払わなくてもいい」こと。加えて「TVerアプリをダウンロードすれば地上波の番組も見られる」安心感も、販売を伸ばすことにつながったはず。読者アンケートでもココをチューナーレスTV導入のメリットと推す人は多かった。もちろん、低価格で4K画質ということもポイントで、テレビ視聴よりもゲームやストリーミングによる動画視聴を楽しむ人には大きな魅力。テレビ好きとしては「スマートTV」が広がることで、これ以上〝テレビ離れ〟が加速しないことを願うばかりだ。

パシフィック・インターナショナルホールディングス
上席執行役員・森谷健史さん

見事に成功をおさめた『AndroidTV機能搭載 チューナーレス スマートTV』。贈賞式で登壇したパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの上席執行役員の森谷健史さんは、「大手メーカーなどでは〝NG〟になることも、弊社では〝正解〟となることが多いのです。もちろん『他者でやっていないから』という理由ではなく、『お客さまはそれを望んでいる』という裏づけがあってのことなので、リクエストが確実にあるとわかればどんどん製品化していきます。今後の『情熱価格』に期待してください」と語った。

2023年も話題の製品が登場することを期待したい。

DIMEトレンド大賞をYouTubeで配信中!2022年のトレンドとヒット商品を総まとめ

今年はヒット商品発表だけでなく、代官山T-SITEにて受賞各社をお招きして贈賞式も行いました! それらの模様をすべてまとめてYouTubeで公開中です。ぜひ、ご覧ください。 

取材・文/安藤政弘

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