昇進祝いのお返しは必要？お礼状の例文、お返し、マナーをおさらい

昇進祝いのお返しについて「そもそも必要？」という疑問も含め、知っておくべき基礎知識を解説します。さらにお返しの方法として2パターンを紹介するほか、お返しの際に必要なお礼状の例文・お返しに適した品物・守るべきマナーについてもお伝えしましょう。

そもそも昇進祝いのお返しは必要なのか？

昇進祝いのお返しはそもそも必要があるのかを解説し、送る際の簡単なマナーを紹介します。

必須ではないがお返しする方が印象がよい

昇進祝いのお返しは必須ではないとされているので、お返ししなかったとしてもマナー違反にはなりません。ただし、お返しした方が印象はよくなるので、今後も付き合いが続く上司・同僚などの会社関係者や取引先には、お返しを検討するとよいでしょう。

お返しにはお礼状のみを送る場合と品物を添えて送る場合があります。会社関係者や取引先などに品物をお返しするときには、もらったお祝い金額の半額程度を予算の目安にして品物を選びましょう。

お返しとしてお礼状のみを送るときの注意点

(出典) photo-ac.com

昇進祝いのお返しの方法の一つとして、お礼状のみを送る場合があります。お礼状を送る時期と内容について気を付ける点を解説します。

就任2週間以内にはがきまたは封書を送付

昇進祝いのお返しとしてお礼状を送る時期は、新しいポジションに就任してから概ね1～2週間以内が目安です。新しいポジションに就いた直後は、慣れない環境に加えて何かとやることが多いので、ある程度落ち着いた段階で送りましょう。

お礼状は『はがき』または『封書』で送付するのが礼儀です。この二つを比較すると、『封書』の方がより丁寧な印象を与えられます。特別親しいなど相手との関係性によっては、メールで返しても失礼にあたらないことも考えられますが、お祝いをもらったのであれば、やはりできるだけ『はがき』または『封書』を送付する方が印象はよくなるでしょう。

自分を褒めたたえる・卑下する表現は避ける

昇進するのは素晴らしいことですが、自分でそのことを誇らしく語るような文面では、お礼状を受け取った側が不快に感じてしまいます。

具体的には、『昇進』『栄転』などの自分を褒めたたえる表現は避けて、『就任』『着任』といった控えめな印象を与える文言を使うことが、昇進祝いのお返しのお礼状には求められます。

反対に、自分を卑下する『私ごときが』といった表現も、受け取る相手によっては不快に感じる場合があるため、お礼状での使用は避けなければなりません。

お返し用のお礼状の書き方と例文

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昇進祝いのお返し用のお礼状を書く際の注意点を解説します。さらに送る相手を関係性別にパターン分けして、それぞれのパターンに適した例文を紹介しましょう。

お礼状は5つのパートに分けて書く

お礼状で書くべきことを、手紙を構成する『頭語』『前文』『主文』『末文』『結語』の五つのパートに分けて紹介します。それぞれのパートの内容・注意点は以下の通りです。

＜頭語＞
手紙の冒頭の挨拶にあたる部分で、『謹啓』『拝啓』などの文言を記載します。『謹啓』の方が『拝啓』よりも高い敬意を示す表現です。

＜前文＞
季節に合わせた時候の挨拶（『盛夏の候』のように『○○の候』の表現を使った挨拶など）を述べた後に、相手の安否を気遣います。

＜主文＞
昇進祝いへのお返しのお礼状では、『昇進祝いに対するお礼』と『新しいポジションに就いた現在の心境や今後の意気込み』を主文として記載します。

＜末文＞
文書での挨拶になったことをお詫びし、今後の変わらない付き合いを願う言葉を記載しましょう。

＜結語＞
頭語に合わせた結語を記載します。『謹啓』には『謹白』『敬白』などを使い、『拝啓』には『敬具』を使いましょう。

例文1：お世話になった上司宛

まずは、お世話になった上司宛のお礼状の例文を紹介します。

「謹啓

〇〇の候、△△部長におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたびは私の◇◇への転任に際し、多大なるお心遣いをいただきまして、誠にありがとうございます。

△△部長からいただいたご恩やご期待に応えるべく、◇◇においても全力で職務にまい進する所存でございます。

今後とも変わらぬご指導ご厚誼のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

まずは、略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。

謹白」

例文2：親しい知人・友人・同僚宛

親しい知人・友人・同僚などに送るのに適した、お礼状の例文を紹介しましょう。

「拝啓

このたびは私の◇◇への就任に際し、△△さんの心のこもったお祝いをいただきまして、誠にありがとうございました。

現在、無事に新しい職場での勤務を×月×日より開始しております。

まだまだ新しい職務に慣れないこともあり、手探りの状態が続いていますが、新しい仲間と力を合わせて少しでも大きな成果を残せるよう取り組んでまいります。

今後とも変わらぬお付き合い・ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

まずは、略儀ながら御礼申し上げます。

敬具」

例文3：仕事の取引先宛

仕事の取引先に送るお礼状の例文を紹介します。

「謹啓

〇〇の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。

このたびは私の◇◇への就任に際し、素晴らしいお祝いの品をいただきまして、誠にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

貴社と弊社の取引を通して、1日も早く皆様のお役に立てるよう、引き続き全力を尽くす所存でございます。

今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。

本来であれば直接お会いしてお礼を申し上げるべきところ、略儀ではございますが、書中をもちまして御礼のご挨拶とさせていただきます。

謹白」

お返しとして品物を贈るときの基礎知識

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昇進祝いのお返しに、お礼状と一緒に品物を贈る場合があります。お返しする時期と贈り物の金額の目安について解説しましょう。

就任2週間以内に半額程度の品をお返し

昇進祝いのお返しとして品物を贈る場合には、就任してから1～2週間以内を目安にお返しをします。就任直後にお返しすると、相手に『忙しい時期なのに手間をかけさせてしまった』と気を遣わせてしまう可能性があるので、少し落ち着いたタイミングでお返ししましょう。

お返しする品物には細かいマナーはありませんので、相手の好みに合わせて品物を選びましょう。お返しに贈る品物の金額の目安は、お祝いでもらった金額の半額程度です。