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遊びながら楽しく学ぶ時代へ、大型テーマパークが挑むSDGs達成への取り組み

2022.12.23

日本を代表するテーマパークでは、買い物袋の有料化、照明のLED化、PETボトルの再資源化、再生可能エネルギーの使用などを行い、持続可能な開発目標であるSDGsへ取り組んでいる。その他にも、国内には特徴的な取り組みをしているテーマパークがある。今回は3つをピックアップ。その取り組み内容を見ていこう。

1.「レゴランド・ジャパン・リゾート」~海ごみを水槽内で展示!

©2022 The LEGO Group

愛知県名古屋市にあるファミリー向けテーマパーク「レゴランド・ジャパン・リゾート」は、屋外型テーマパーク「レゴランド🄬・ジャパン」や水族館「シーライフ名古屋」、「レゴランド・ジャパン・ホテル」で構成されている。

リゾート全体のSDGsへの取り組みが評価され、名古屋市が事業活動においてSDGsの実現に向け取り組む事業所を認定する「なごやSDGsグリーンパートナーズ」の認定エコ事業所に定められており、2022年には最上クラスである「認定優良エコ事業所」の認定を目指し、SDGs目標達成への取り組みを強化している。

●SDGsへの取り組み

1.プラスチック使用量削減

環境に配慮した素材を使用したカトラリー ©2022 The LEGO Group

同テーマパークでは、飲食施設やホテルでの使用するプラスチック量の削減に取り組んでおり、リゾート内の飲食施設では2019年よりプラスチック製ストローを紙素材に変更、2020年には、ショップのレジ袋を有料化した。

2022年4月からは、飲食施設におけるプラスチック製フォーク、スプーン、ナイフなどの使用を一部使用中止し、再生可能なバイオマス資源を原料にしたバイオマスプラスチックなど、環境に配慮した素材に変更。レストランではサンドイッチなどの軽食を紙トレーで提供するところもある。ホテルでもプラスチック製アメニティの利用を低減し、設置型に変更、素材変更も実施している。

「リサイクルミルクジャグ」で作られたベンチ ©2022 The LEGO Group

興味深いのは、パーク内にあるベンチが「リサイクルミルクジャグ」という牛乳用の容器をリサイクルし、再生プラスチック化して作られていること。思わぬところにエコがある。

2.海岸ごみ問題を学べるコンテンツ提供

「シーライフ名古屋」©2022 The LEGO Group

水族館「シーライフ名古屋」では、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の達成に向け、海洋ごみについて学べるエリアを常設し、啓発も行っている。面白いのは、高知県の海で保護されたウミガメのお腹から出てきた海洋ごみを展示していること。まるでクラゲのようにも見えるその水槽内にゆらゆら浮かぶ物体は、プラスチックだという。

そのプラスチックを誤って食べてしまったウミガメは保護され、水族館内で療養している。

また、不定期で、プラスチックごみにより汚れた海をきれいにするレゴブロックを使ったワークショップの実施も行っている。

●今後の展望

スタッフの意識が統一され、一丸となって実に多様な取り組みを行っているレゴランド・ジャパン・リゾート。今後の展望を広報の山本芳美氏は次のように述べる。

「私たちには、これからの未来を担う子どもたちに“持続可能な社会とは何か”について伝えていく大切な役割があります。そのために、リゾート全体での資源節減、循環、そして環境負荷低減を意識し、目標を達成していくことで、一人でも多くの子どもたちと家族の笑顔を守れる企業でありたいと願っています」

2.「ハウステンボス」~修学旅行生にSDGs講話・EVバス

オランダの街並みを再現した長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」は、ブランド総合研究所の住民による評価が分かる「第4回地域版SDGs調査2022」(5月20日~26日)において、地域住民によるサステナビリティ貢献度の評価がトヨタ自動車に次ぐ第2位にランクインしている。

SDGsにも貢献するそのサスティナブルな取り組みのうち、注目の取り組みを見ていこう。

●SDGsへの取り組み

1.修学旅行生向け「SDGs講話」

目標4「質の高い教育をみんなに」の目標達成のため、修学旅行生を対象に、SDGs講話を実施しハウステンボス含めたSDGs活動の普及に努めている。

所要時間は約1時間で、1987年のハウステンボス開業プロジェクト開始以来の取り組みから、2度に渡って経営危機を乗り越えたV字回復の軌跡やウィズコロナ時代への対応、典型的な都市発達史に沿ったストーリーや建物の設計思想にまつわる秘話を通して学べる。

2.EVバス10台導入

大型バス「K9(ケーナイン)」

目標13「気候変動に具体的な対策を」の目標達成のために、EV(電気自動車)バスを10台導入。EVバスは、走行時の大気汚染物質や二酸化炭素の排出がゼロであり、環境に配慮する。さらに低騒音・低振動であり、周辺環境や利用者への影響を低減するという。

車両は大型バスK9(ケーナイン)と、日本市場向けに初めて開発された小型バスJ6(ジェイシックス)の2種類。K9は園内ホテル宿泊者専用送迎バスとして2020年2月から、J6は園内を走行するパークバスとして同年12月4日より運行を開始した。

「小型バスJ6(ジェイシックス)」

●SDGsへの取り組みに関する思い

SDGsに取り組んでいることの想いや意義について、ハウステンボス株式会社 社長室 須田健太郎氏は次のように回答する。

「ハウステンボスは、創業時から『エコロジーとエコノミーを共存させる環境未来都市』をつくろうとしていました。土壌改良や護岸工事、共同溝を作るために、たくさんの金額を投じています。30年も前から環境への配慮をしてきたハウステンボスだからこそSDGsの取り組みに共感し、取り組むべきであると考えております」

●今後の展望

今後は、どのような取り組みへの展望があるだろうか。

「創業当初から取り組んでいるハウステンボスだからこその取り組みに加えて、一個人、一社では大きな効果・達成をすることは難しいと考えておりますので、お取り組み先企業とのパートナーシップによる連携やハウステンボスにご来場いただけるお客様にも、SDGsの取り組みを身近に感じていただけるように地域と連携して推進していきたいと思います」

3.「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」~子どもが遊びを通してSDGsを体験!

伊藤忠商事が2022年7月、東京都港区北青山に開設した「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」は、子どもが遊びを通して、SDGsの考え方を体験できる施設だ。

もともと2021年4月に開設した「ITOCHU SDGs STUDIO」はSDGsに関する取り組みや思想の発信拠点として、同社の取り組みだけではなく、外部の団体・個人の取り組みにも幅広くスポットを当て、企画展示やラジオ番組などの多様な形で「自分に合ったSDGsに出会うきっかけ」を提供してきた。

やがて大人だけでなく「未来をつくっていく“こども”たちにも夢中のきっかけを提供したい」という想いが生まれ、新たに乳幼児~小学校低学年向けに「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」を開設したという。

●SDGsへの取り組み

同社のコーポレート・ブランディングを推進する部門Corporate Brand Initiativeに所属する菰田有花氏は同施設について次のように解説する。

「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARKでは、SDGsをテーマにした4つのオリジナルエリア、SDGsを学べる玩具や絵本などで遊ぶことを通して、ふと見つかる自由なアイデアや工夫が、生活の中でも活かせるSDGsのアクションになる。そう信じて、子どもたちにとってより良い機会を提供しています。

入場料無料(事前オンライン予約制)としておりますので、誰一人取り残さないというコンセプトのもと、すべての子どもたちに質の高い遊びと学びを提供しています。また、あらゆる団体に場所を無償でお貸出しをし、子ども向けのワークショップを開催していただいており、生活者ひとりひとりが自分なりのSDGsとの関わり方に出会える場所として様々な企画を展開しています」

子どもたちに質の高い遊びと学び、そして安心安全な施設を提供するための協力パートナーとして「ボーネルンド」が参画し設計。

プラスチックゴミが漂う海が映し出されたスクリーンや廃材アート体験の場、様々な動物たちがシルエットで描かれた壁に近づくと、その動物たちの鳴き声が自分だけに聞こえてくる不思議な森、7色のボールプールや白い雲のトランポリンで遊んだり、色分けされたカゴにボールを投げ入れてみんなで虹をつくったりすることができる場所など、多様な体験の場が作られている。

「ヒラメキオーシャン」
プラスチックゴミが漂う海が映し出されたスクリーンに、ブロックを自由に組み合わせてつくった「海の生きもの」をスキャンすると、浮いていたプラスチックゴミが一つ消えて、きれいになった海へ生きものが泳ぎ出す体験ができる。

「ステナイアトリエ」
捨てられるはずだった廃材を組み合わせて、文字や絵、立体などで「大切にしたい・好きなモノやコト」を表現する廃材アート体験。身の回りで、”ステナイ”アイデアを活かせる場面があることに気付くきっかけを提供する。

「キコエルフォレスト」
様々な動物たちがシルエットで描かれた壁に近づくと、その動物たちの鳴き声が聞こえてくる不思議な森。多種多様な動物たちが共存する自然豊かな森の楽しさを体験することができる。

「ナナイロスカイ」
7色のボールを色分けされたカゴに投げ入れることで、みんなで虹をかけられる空。「分別することで、いい未来になること」を楽しく体験し、身近にできる分別の大切さや、協力することの楽しさへ気付くきっかけを提供。

●利用者の反応

開設以来、どのような反響があるだろうか。

「毎月15日に翌月分の予約を受付開始しておりますが、毎月、即日予約満員をいただくほど好評です。平均一日300人、月間約1万人のお客様にご来場いただいており、『自然とやってみたくなる“遊び・PLAY”がある。その中にSDGsに通じる学びや体験がある。』という設計のもと、『自分に合ったSDGsに出会うきっかけ』を提供しています」

●今後の展望

菰田氏は今後の展望として、次のように回答した。

「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARKの開設によって、ITOCHU SDGs STUDIOが掲げるキャッチコピー『わたしが夢中のSDGs、はじまる。』にある“夢中”の入口を、次世代を担う子どもたちとその親世代に向けて広げることができました。今後も、より多くの生活者に向けて自分ごと化できるSDGsに出会うきっかけを広げていきたいと考えております。その一つ一つの夢中がうねりとなって持続可能な社会に貢献しうるものだと考えています」

3つのテーマパークの特徴的なSDGsへの取り組みを紹介してきた。テーマパークは、訪れる利用客がSDGsに関して、遊びながら楽しく学べるというメリットがある。いずれの施設も、その特徴を活かした取り組みがあった。

取材・文/石原亜香利

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