名刺交換の際、名刺を忘れてしまうのはビジネスにおいてマナー違反となりますが、その後のフォローにより相手に好印象を与えることも可能です。本記事では、名刺を忘れたときのお詫びメールの書き方や対処法について解説していきます。
名刺を忘れたことに気づいたときの対処法
名刺を、いつどんなときでも交換ができるよう常に携帯しておくことは、ビジネスパーソンとしての基本的なマナーです。名刺を忘れてしまったことに気づいたとき、どのような対応をとることが適切なのでしょうか。
正直にお詫びの気持ちを伝える
名刺を忘れたことに気づいたときは、まず相手に謝罪することが最優先事項です。
「申し訳ございません。ただいま名刺を切らしております」とはっきりと落ち着いて相手にお詫びを伝えます。このとき、必要以上に低姿勢な態度をとってしまうと、相手に『頼りない人』という印象を与えてしまう可能性があるため、話のトーンや態度には注意が必要です。
加えて、名刺ケースを忘れた場合や新しい名刺が支給されていない場合であっても、「名刺を忘れた」ではなく「名刺を切らしている」と答えるようにしましょう。これも、相手に対して『忘れっぽい人』という印象につながり、ビジネスパートナーとしての信頼性に欠ける印象を与えてしまうことを回避するためです。
後日メールで送る旨を伝える
名刺を忘れたことに対するお詫びを伝えた後は、すみやかにフォローメールを送る旨を相手に伝えましょう。その際きちんと口頭で、会社名と自分の氏名を相手に伝え、もらった名刺のメールアドレス宛に後日メールを送ってもよいかどうかを確認します。
もしも相手が「次回商談の際にいただければ結構です」や「資料と一緒に送ってください」などの意向を述べた場合は、無理強いせずに相手の意向に従い、「ではお言葉に甘えて後日正式にお渡しいたします」と告げましょう。
名刺忘れのお詫びメールを送る際のマナー
名刺を忘れることは、ビジネスパーソンとして重大なマナー違反であるため、相手に対しては口頭でお詫びするだけでなく、すみやかにフォローメールを送る必要があります。ここでは、お詫びのフォローメールに関して、注意すべき三つのマナーを解説します。
当日中にメールを送る
名刺の渡しそびれに対するお詫びのメールは、当日中に送りましょう。先述のとおり、名刺を忘れるのは相手に対して大変失礼な行為であるため、そのお詫びはすみやかに当日中に送ることが基本的なビジネスマナーです。
メールの返信が早い、何でも素早く対応するという印象は、相手からの信頼を獲得するうえで重要な姿勢となります。「この人は自分のことを気にかけ、誠実に対応してくれている」と相手が感じられることは、良好な関係の構築・維持に大きく関わってくるのです。
当日中のメールがどうしても難しい場合は、遅くとも翌日の朝までを期限に丁寧に対応しましょう。
件名に名前・用件を明記する
メールを送る際には、件名欄に送信者の名前と会社名、そして用件を明記します。なぜなら、相手は自分の名刺を持っていないため、送信者が誰であるかを判断することができないからです。
情報セキュリティの観点から、送信者不明の不審なメールの開封を禁止している会社も多いので、最悪の場合、迷惑メールやゴミ箱に振り分けられてしまう恐れもあります。
件名欄には『名刺切れに関するお詫びとご挨拶【〇〇株式会社営業部◇◇】』といったように、わかりやすく送信者情報と用件を明記するようにしましょう。
改めてお詫びの意を伝える
名刺交換当日に口頭で伝えていたとしても、メールでは改めてお詫びの意を伝えます。
メールの流れとしては、本文中冒頭で『いつ』『どこで』会った『誰か』ということについて明確に記したうえで、お詫びにつなげていく形が基本です。
口頭でのお詫びと同様に、丁寧な口調で誠実な姿勢が伝わるような文面にすることで、相手に好印象を与えられるでしょう。
名刺忘れのお詫びメールの書き方
ここからは、お詫びメールの書き方について、実際の文例を用いて解説していきます。
お詫びメールを書くときのポイント
お詫びメールは『名刺を切らしていたことに対する謝罪』と『名刺情報の送付』の二つに趣旨を絞って、すっきりとまとめることが大切です。ダラダラと謝罪を続ける内容では逆効果となるため、長文になり過ぎないように注意が必要です。
お詫びメールは、以下のような流れを基本として進めていきましょう。
- 冒頭の挨拶
- 前回会った際の日時・場所
- 前回会った際のお礼
- 名刺を切らしていたことに対するお詫び
- 名刺情報
- 締めの挨拶
名刺情報に関しては、名刺に記載されている部署名や連絡先などを文面でメールに転記するか、デジタル名刺のURLを送ります。
近年では、MAやSFA・CRMなどの業務システムの導入により、名刺管理もデータで行うことが浸透してきているため、名刺データを交換する方が相手の手間の軽減につながります。
ただし、メールによる名刺データの送付は、目上の人に対しては失礼ととられる場合もあるので、その場合は、後日改めて名刺本体を郵送するように手配し、メールではお詫びの意だけ伝える内容にとどめておきましょう。
名刺を忘れたときのお詫びメール
ここでは、実際に相手に送信するメールの文例を紹介します。デジタル名刺を送ることを想定していますので、お詫びメールが必要になった際には、参考にしてください。
【文例】
件名:名刺切れのお詫びとご挨拶【株式会社〇〇営業部◇◇】
株式会社△△ 営業部 〇〇 〇〇 様
お世話になっております。
●月●日(水)の11時に、貴社に商談のお約束で伺いました、株式会社〇〇の◇◇と申します。
その節はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、当方の不手際により名刺をお渡しすることができず、大変失礼いたしました。
下記にてデジタル名刺を添付させていただきますので、ご確認いただければ幸いです。
<デジタル名刺のURL>
商談の際にお話にあがった商品につきましては、別途郵送にて資料を送付させていただきます。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社〇〇 営業部 ◇◇
構成/編集部