その道を究めた職人の作業環境には、これまで紹介したガジェット専門インフルエンサーのデスクとは違った魅力にあふれている。個性豊かな「プロ」のデスクを徹底取材、仕事を最適化するための秘訣に迫った。
声優 小岩井ことりさん
声優、作詞家、作曲家。自他ともに認めるオーディオマニアでもある。MIDI検定1級を所持するほか、ASMRボイスドラマをリリースする「kotoneiro」を主宰。へビーメタルバンド「DUAL ALTER WORLD」のメンバーとしても活動している。
幅180cmの横長デスクが幅広い仕事を支える!
声優やDJをはじめ、マルチに活躍している小岩井ことりさん。外部のスタジオと自宅の作業机を、仕事の拠点にしているそうだ。
「本格的な録音はスタジオですが、そのほかのことを行なうのは、大抵ここ(自宅)ですね。DTM(PCを使った音楽制作)や、アニメ映像と台本を見ながらのアフレコ練習をはじめ、DJのセットリストを組んだり、曲のつなぎ合わせを考えたりもします。絵を描くことがあれば文章も書くし、3Dモデリングも映像編集もできる環境を整えているんです」
そんな幅広い作業に対応できる小岩井さんのデスクは横幅180cmの広さ。もともと外部のスタジオ用に購入したものの、大きすぎたために自宅の仕事部屋へ導入することになったとか。広々とした天板の左側にはアームがガッシリと埋め込まれていて、先端に付けたマイクの位置を自由に動かせるようになっている。
「DJ卓やラップトップPCなど、接続する機器が増えたのをきっかけに、オーディオインターフェイスの『Apollox4』にオーディオモニター・コントローラーの『SPL 2Control』も追加しています。PCは高性能タイプのものも自作し、液晶モニターは映像の美しさ、キーボードは打鍵感の良さに惚れて購入しました。ケーブルはORBブランドのカスタム品と、オヤイデ製が多いですね。『アーロンチェア』もお気に入りです」
現在は作業に合わせて机上の配置を変更しているという小岩井さん。
「将来的には作業ごとのデスクを用意するか、L字形デスクにもっと多くの機材を置けるようにするのが夢です。その実現には、まず広い家を建てる必要がありますね(笑)」
〈こだわりポイント〉機材がたくさん載せられる広いテーブルが不可欠!
ディスプレイの両サイドに備わるスピーカーは、数多くのスタジオで使われているGENELECの『8020B』(モニタースピーカー)(1)と『HT206B』(2)。「耳の高さに高域用のツイーターがくるようにセッティングしているのが、こだわりのポイントです」
小岩井さんは作業内容に合わせてセッティングを変更!
アフレコ練習SETTING
マイクアームをデスク中央に引き出して、スタジオマイクの定番ノイマン『U87Ai』(1)を使用する。ほかにはソニーの業務用ヘッドホン『MDR-CD900ST』(2)や、業務用ヘッドホンアンプの定番Neve『Rupert Neve Designs』(3)も用意。自宅でありながら、収録スタジオにいるかのような環境だ。
DTM制作SETTING
MIDI鍵盤のローランド『A-49-WH』(1)を中央に置き、正面のディスプレイにはDAWソフト『Steinberg Cubase Pro 12』(2)を起動するのが、DTM制作時の基本スタイル。ウルトラゾーン『Signature NATURAL』(3)とともに、ASMR用のダミーヘッドマイク(4)も、すぐに使える状態だ。
DJ SETTING
向かって左側には、DJ卓のパイオニア『DDJ-800』(1)をセット。DJ卓は外に持ち出すことも多いため「2台持ちしたいけど、本番でも同じモノを使ったほうが安心感はあるし、どうするか悩み中」だとか。右側のノートPCは、声優オリジナルパソコン【Type:YOU(タイプ:ユー)】小岩井ことりモデル(2)。
取材・文/ゴン川野
DIME2023年1月号では「マネしたくなる!最強の仕事基地」を大特集!
2022年11月発売のDIMEでは「マネしたくなる!最強の仕事基地」として、ガジェット系YouTuberやインフルエンサー、さらには家具メーカーに「理想のデスクの作り方」を総力取材! 作業効率が超アップするガジェットや、一気に見栄えがよくなる工夫などを紹介しています。
付録は「携帯型スティック加湿器」! スリムな形状なので持ち運びやすく、必要なのは水を入れた容器とUSB電源だけ。勢いよく噴射する強力ミストで、身の回りの潤いを保つようにしてください。
文/DIME編集部