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【深層心理の謎】一度不快に感じた音は音量が下がっても気になり続けるのはなぜ?

2022.12.10

都会の住宅街にある町中華のお店で腹を満たす

 通りを進む。姿は見えなくなったものの、自転車の音はまだかすかかに聞こえてくる。あのノロノロ運転ならまだそれほど遠くへ行っていないのは明らかだ。

※筆者撮影

 それはそうと早く入る店を決めよう。このご時世だと夜9時で閉めてしまう店も少なくない。少し先の左手には黄色い看板の飲食店がある。見たところ町中華のお店のようだ。町中華ならサッと食べて帰ることができるだろう。入ってみよう。

 店内は思ったよりも広い。1人なのでカウンター席に案内される。飲んでいるグループ客が3組ほどいて賑やかだが、カウンター席もあるので食事利用もしやすいといえる。

 メニューよく見ると長崎ちゃんぽんを推したお店であるようだ。しかし普通のラーメンやご飯ものもある。長崎ちゃんぽんは嫌いではないが、ホワイトボードに記されていた本日のサービスメニューである「豚肉ほうれんそう玉子炒め定食」が気になりそれを注文した。1杯くらいならいいだろうと角ハイボールもお願いする。

 ちゃんぽんと聞くと、個人的には皿うどんのほうを思い浮かべてしまう。長崎の中華街で食べた皿うどんは確かに美味しかった。もっちりした太麺のものと、揚げた細麺のものもどちらも食べたが、個人的にはカリカリに揚った細麺のほうが好きだ。思い出したら何だか皿うどんが食べたくなってきてしまったがもう後の祭りだ。目の前の厨房では自分が注文した炒め物を作りはじめてしまっている。そしてハイボールが届く。

※筆者撮影

 ハイボールをチビチビと飲んでいると定食がやってきた。美味しそうだ。さっそくいただこう。

 ホウレン草にニンジン、タマネギ、豚肉、そして卵が中華料理店の厨房ならではの強い火力で手早く炒められている。味付けも何もいうことはない。単純に火力という面からも家庭では再現できない味だ。

 高温で熱した中華鍋で食材を炒める音は、本来はなかなか物騒で危険さえ感じる音だとは思うが、それが美味しい料理を作る最中の音であることを学習してしまっている我々にはむしろ心地良く、期待感を抱かせる音色になっていそうだ。錆びた自転車のブレーキ音とは大違いである。自転車に乗ったあのお父さんは今頃は家に着いているのだろうか。

 そういえばこの辺に来るのも久しぶりだった。少し離れた都庁には免許書の更新で来ることが続いているが、今はゴールド免許なので次はだいぶ先になる。それでもこの近くに来た際にはちょっと散策してあわよくば美味しいものを食べてみたいものだ。

文/仲田しんじ

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