様々な年齢の社員が働く職場では、必ずといって良いほどジェネレーションギャップが生じるものだ。特に、イマドキの「Z世代」に対し、マネジメントの難しさを痛感しているという人は多いことだろう。
そこで月刊総務はこのほど、全国の総務人事担当者を対象に「Z世代のマネジメントについての調査」を実施。回答結果をグラフにまとめて公開した。
なおZ世代とは、1990年代後半〜2010年代前半生まれのことを指す。
上の世代の社員が価値観のシフトができていない
Z世代社員のマネジメントに難しさを感じるか尋ねたところ、「とても感じる」と「やや感じる」が合わせて55.7%と、半数以上がZ世代社員のマネジメントに難しさを感じていることがわかった。
<どんな難しさがあるか / 一部抜粋>
・モチベーションアップのために、どのようなアプローチが効果的なのかがわからない
・言われたことはとりあえずこなすが、それ以外はしないし、自分で考えない
・上の世代の現場の社員が価値観のシフトができていない
・自己評価が高く、正当な注意・指導も「パワハラで心療内科に行く」などと発言する
・我々の世代の考え方と異なり、ハラスメント扱いされることが多い
<Z世代のマネジメントで工夫していること / 一部抜粋>
・興味関心の高い分野を任せてみる
・成功体験を積ませること、失敗させないこと、一人ではなく社内に必ず味方がいると認識させること
・見て覚えろとは言わないようにする。理解するまで教えてから作業させる
・傾聴することを意識する。成功へ自ら導けるようなコーチングを実施する
・言われたことしかしないので、1から10どころか50くらいまで教える。
・評価や賃金などの人事制度、多様な働き方への変更(リモートワーク、ドレスコース緩和など)
Z世代の9割以上が「ワーク・ライフ・バランス重視」、8割以上が「フレキシブルな勤務体制を重視」
Z世代社員の価値観にどんな特徴を感じるか尋ねたところ、「ワーク・ライフ・バランス重視である」は「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」が合わせて96.7%、「フレキシブルな勤務体制を重視する」は86.9%と、働き方の柔軟性を重視していることのわかる結果になった。
Z世代のスキルは約9割が「デジタルリテラシーが高い」「情報処理能力が高い」
Z世代社員のスキルにどんな特徴を感じるか尋ねたところ、「デジタルリテラシーが高い」は「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」が合わせて90.1%、「情報処理能力が高い」は86.9%という結果になった。
<Z世代社員の価値観やスキルの傾向で感じること / 一部抜粋>
・転職に対するハードルが低い
・完璧な自分であることのこだわりが強いと感じる
・仕事に対するこだわりが少なく効率的で負荷のないことを好む傾向にある
・言われたことを言われたようにすることはできるが、自ら考えての作業や行動はできない人が多いように感じる
・社外の会社などとも積極的に交流をしていてたり、様々なコミュニティを持っている
<Z世代社員とジェネレーションギャップを感じること / 一部抜粋>
・上下関係の意識が低い
・時間内はまじめに仕事をするが、定時になれば仕事が残っていても相談なく帰る
・仕事とプライベートのメリハリが大きい
・業務指示に対して、簡単に”できません”と言えるもしくは、”やりたくない”という
・福利厚生に対する要求が強く、会社負担がないと参加しない
約4割がZ世代の採用活動は難しいと回答
Z世代の採用活動に難しさを感じるか尋ねたところ、「とても感じる」と「やや感じる」が合わせて39.3%と、約4割が難しさを感じていることがわかった。
Z世代の採用で今後強化したいのは「SNSを活用した情報発信」「動画配信」など
Z世代の採用活用で工夫していることを尋ねたところ、「Webサイトの充実」が45.9%で最も多く、「選考のスピード感を上げる」が41.0%、「選考後のフィードバック」が39.3%と続いた。また、今後取り組みたいこと・強化したいことは「SNSを活用した情報発信」が42.6%、「動画配信」が36.1%と、上位に挙がった。
約半数が採用のための情報発信でSNSを活用していない
採用のための情報発信で活用しているツールを尋ねたところ、「Twitter」が26.2%で最も多く、「YouTube」が19.7%と続いた。また、「あてはまるものはない」が47.5%と、約半数が採用のための情報発信でSNSを活用していないことがわかった。
<調査概要>
調査名称:Z世代のマネジメントについての調査
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年10月12日〜2022年10月29日
有効回答数:70件
出典元:『月刊総務』調べ
構成/こじへい