SNSで話題のメモ帳がある。なぜ話題になっているのか分かるだろうか?
合成皮革の表紙に堂々と【password】と刻印されている。そのメモ帳は紛れもない個人情報がそこにあることをあからさまに示している。大きさは手のひらサイズで、開くとこんな感じ。
サイト名、ID、パスワード、メモという項目がシンプルに並ぶ。そう、これは自分の大事な銀行口座やSNSなどあらゆるジャンルのID、パスワードを書き込めるメモ帳「ID・パスワードブック」。
忘れやすいパスワード管理には欠かせない逸品であり、ログインする度に思い出せず何度もはじかれてしまったり、何度もパスワードを再設定してしまう方にとってはありがたい商品!なのだが……。
手書きのアナログすぎるメモ帳って本当に大丈夫?
手に取るとわかるがあまりにも普通のメモ帳なのだ。
革の手触りは高級感があるものの留め具も無ければ当然カギもない。ネット上では「落としたらヤバい」という意見と共に「電子データで作るよりは安全そう」と賞賛の声も飛び交い、賛否両論状態。
一体、これって、どう使うのが正しいのだろうか?気になったので製品を企画した手帳メーカー、ダイゴー株式会社の広報担当・鞍留佳代子さんに話を聞いた。
ーー「ID・パスワードブック」開発のきっかけを教えてください。
「弊社では以前から手帳の付録ページにもID・パスワード欄を採用し非常に好評をいただいておりました。それを受けID・パスワードに絞ったブックを発売することになりました。
仕事用というよりも、個人スマホのアプリ設定やオンラインショッピング、WEBページでの美容院の予約など多くのID・パスワードを所有しなければならなくなった人の覚え書きとしてお使いいただければと思っています」
実はこの商品、2020年10月の発売当初から大人気。他製品の端材を有効活用して作られており、環境にも配慮したスグレモノ。現在、公式オンラインショップでは売り切れ状態で実店舗で購入するしかないヒット商品なのだ。
ただ、やっぱり、心配すぎる。誰にでも見られてしまうその仕様に……。
「もちろん記載することが禁じられている会社でのパスワードなどの場合は使用をおすすめはしません。人に見られる環境下でしたら一部の文字を伏せるなどご自身で工夫しながらご使用いただければと思います」(鞍留さん)