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セカンドキャリアの実現に向けて40代、50代から準備しておくべきこと

2022.12.01

セカンドキャリアコンサルタントの経験からのリアルな教訓を伝授

セカンドライフ、及びセカンドキャリアを40~50代から計画し、準備していくためには何が必要か。成功している先輩に尋ねてみよう。

セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏は、大手外資系製薬会社を57歳で早期定年退職し、セカンドキャリアを目指し定年活動を開始した後、62歳に独立を果たした。そのセカンドキャリアで成功するまでの自身の経験からくる教訓とは?

【取材協力】

高橋伸典氏
セカンドキャリアコンサルタント(定年活動の専門家)
大手外資系製薬会社に34年間勤務。営業、海外勤務を経て人事部門で研修、採用に従事する。57歳に早期定年退職を選択。セカンドキャリアを目指し定年活動を開始する。再就職、嘱託勤務を経て62歳に独立。モチベーション総合研究所を設立し代表となる。様々な転機と苦労を経験する中で、各人にとって幸せな生き方・働き方は何かという視点でサポート活動を行っている。
著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)。
https://www.takahashinobunori.com/

■新しい環境では新入社員になった気持ちで

「一つの会社で57歳まで働いたため、他の組織での文化、環境での経験がなかったこともあり、定年後、再就職をし、0からのスタートを切った際、前職の文化や立場を引きずってしまったことでトラブルを引き起こし、つらい目にあいました。前職では責任ある立場だったので上から目線で人に接したり、相手を理解する前に自分の存在感を示そうと思い、偉そうな態度をとり、うとまれたことがあります。歴史や文化や従業員が異なる会社で働き始める際は、新入社員になった気持ちでまずは相手を理解し考える気持ちが大切になると思います」

■パラレルキャリアの意識を持っておく

「私は副業や会社外での活動をしなかったので、退職後、何から始めたらいいかわかりませんでした。与えられた仕事をこなしていくスタイルだったので、副業など創業マインドが必要なシーンで苦労しました。いまや副業はできる環境が整ってきたので、一つに集中するのでなく、いくつかの違った種類の仕事を、小さくてもいいので、同時にこなしてく、いわゆる『パラレルキャリア』『複業』の意識を持つことが大切でしょう」

■独立後は自分の考えでチャレンジが可能に

「自分の得意を活かせる仕事を選択し探した結果、苦労はしたものの、好きで得意なことができるようになりました。最終的には再就職時の仕事を業務委託契約にすることで独立ができ、個人事業主になったことで仕事の時間や場所から解放され、自分のペースで仕事ができるようになりました。自分の考えでチャレンジができるようになり、いくつかの失敗はあったものの、失敗しても年金がもらえる逃げ道があるので、あまり気にしないで行動に移せるようになりました。失敗、成功、合う、合わないを繰り返すうちに、自然と人との縁ができ、自分の進みたい道が開けてきました」

セカンドキャリアを確立した事例

高橋氏は現在、主に定年退職後の人々のセカンドキャリアをサポートしている。そのうち、セカンドキャリアを確立した事例を3つ紹介する。

■大手企業から小企業に転身したケース

「定年退職後、自分の専門分野を活かしながら、他にやる人がいない、競争がない分野『ブルーオーシャン』で活躍し、前職以上にやりがいが持てた方のケースです。

この方は、従業員規模4,000人の大企業から40人規模の会社(旅館・ホテル業)の異業種に転身しました。大企業に勤務していた時代は、人事で組織構築と採用業務をしていましたが、転職先は小企業なので、何でもやらなくてはいけません。募集は経理業務でしたが、経験はないもののできると言って採用になり、採用後に簿記の勉強をしました。その後は経理から総務、人事管理、営業、ひいては社長のアドバイザー的な仕事も何でもこなしていきました。前職時の人事の経験が役に立ち、それを活かしながら足りないことはその場で勉強をするという姿勢により、社長や従業員の信頼を勝ち取り、高く評価され、採用時の150%の年収になりました」

■自身の深い経験から導かれ行きついたケース

「この方は、前向きに誠実に仕事をしていたものの、40歳半ばで病魔に侵される経験をしました。高い重症度でしたが、何とか働きながら組織に貢献し、幸いに病気もほぼ回復するまでに至りました。定年退職後は、この病気と仕事を両立してきた貴重な経験を、同じことで苦労しているサラリーマンの役に立ちたいと、病気と仕事の両立支援をしている組織で働くようになりました。自分にしかできない仕事としてやりがいを持って行っています」

■自分の信念に基づき行動したケース

「小学校と中学校で校長先生をした方が定年を迎えました。再任(再雇用)として美術館での名誉職として勤務することになりました。しかし、そのとき自分が置かれている立場に疑問を持たれました。なぜならこの先生はいわゆる金八先生のような人で、生徒に『人生、チャレンジすることが大切』ということを言い続けてきたからです。

そんなとき、友人と行ったビール工場見学の体験ツアーでビール作りに興味が湧き、生徒たちに希望を与え、地元活性化にも貢献したいという思いからビール工場を建てるというキャリアを選択されました。当初の3年間は赤字で苦労しましたが、仲間に支えられながら3年目に黒字に転換し、現在も頑張っておられます」

セカンドキャリアのために40~50代から準備しておきたいこと

自分が最も輝くことができ、満足できるセカンドキャリアを成功させるには、40~50代からどんな準備をすればいいか。

■専門として人に語れるものを決めて勉強・経験を積む

「何か一つでもいいので、自分の専門として人に語れるものを決め、それについて勉強を深め経験しておくことをおすすめします、そうすると定年前後の再就職や起業のときに役立ちます。

自分の進みたいと思う分野に関する資格、できれば国家資格を40代から時間を作り、勉強し取得しておくと大きな武器になります。もちろん資格があるだけで経験がなければ役立ちませんが、持っておくだけで優位に働くことも多々あります」

■副業を複数経験しておく

「メインに従事している仕事以外に、副業をいろいろと経験しておくことも大切です。規模は問題でなく、経験するだけで将来的につぶしがききます。起業する際にも役立つでしょう」

■趣味と友達を作っておく

「仕事以外に自分が楽しめる趣味などを持ち、それに興味を同じくする友達を作っておくことは、定年後人生を楽しめる土台になるので、ぜひ仕事にかける情熱と同じように取り組んでください」

セカンドキャリアを検討する際の「考え方」

では考え方についてはどうか。高橋氏は次のように語る。

■「どんな自分になりたいか?」をまず決める

「目先のことにとらわれてやることを決める『What to do』ではなく、まずどんな自分になりたいか、『What to be』を決めることが大切です。シニアは、若者ほど残された時間が多くはないので、自分にとって大切なことをよくよく吟味して行動することが大切だと思います。

自分が本当にしたいこと、本当になりたい自分、若い頃はやろうと思ってもできなかったことを行うことでストレスもなくなり、楽しい人生になると思います」

■自分にとってプライオリティーの高いことを優先してキャリアを選択する

「今までの常識や人の目を気にするのでなく、自分にとってプライオリティーの高いことを優先してキャリアを選択することが大切です。

例えば住まいで言えば、賃貸にするのか、中古・新築物件でローンを組むのか。住まいのサブスク『ADDress』を利用して全国を住み渡るのか、あるいは田舎に移住するのかなど、自分に合っていること、自分が心地よく思うことを大切にし、選択しましょう。

仕事についても同様に、起業するのか、個人事業主になるのか、あるいはアルバイトで年金を補っていくのか、またはボランティアをやっていくのかは人それぞれで、自分にとって心地いいことを選択していくことをおすすめします」

セカンドキャリアを成功させるには、まず考え方の部分が非常に重要であることがわかる。ぜひ現役のいま、自身が本当になりたい自分探しから始めよう。

【調査出典】パナソニック「仕事や将来(セカンドライフ)への意識」についての調査

取材・文/石原亜香利

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