成績優秀・頭脳明晰な最上位の大学に通う学生たちは、就職先として、どんな企業に狙いを定めているのだろうか?
リーディングマークはこのほど、2022年5-6月に就職活動を実施していた最上位校生を対象とした「2024年卒夏期速報版/就職人気企業ランキング」を発表した。
最上位校生とは、旧帝大(北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大)、慶大、早大、一橋大、東工大、神戸大を指す。
総合商社人気堅調、コンサル/IT/通信の人気上昇が継続
23卒に引き続き、24卒も夏期段階から、総合商社の人気は好調。デジタル化の中での社会的注目や勤務地/待遇等での制度面での柔軟性の高さなどを背景に、IT/通信/コンサル業界の人気に拍車がかかる結果となった。一方で、コロナ禍などの影響が継続してか、食品/消費財/不動産業界の人気は低下傾向がみられた。
また、学生のキャリアで重視する要素として、スペシャリストとなることを重視する傾向が強まっていることが明らかとなった。ジョブ型雇用が導入されつつある中で学生のキャリア観の変化が見られる。
順位の変動(昨年の夏期調査との比較)
・コンサル/通信/IT業界は昨年来からの傾向が継続し、順位上昇。例えば、PwCコンサルティング(13位→7位)、Google(46位→32位)、ヤフー(150位→83位)、NTT東日本(150位→88位)など。デジタル化の流れの中での社会的注目の高まり、報酬・待遇・勤務地等の制度面での柔軟性ある制度をとっている会社が多いこと、などが要因として考えられる。
・食品/消費財業界は一部企業を除き人気の低下傾向がみられる。例えば、サントリーホールディングス(6位→10位)、味の素(11位→19位)、ネスレ日本(26位→60位)、日清食品グループ(57位→67位)など。コロナ禍や物価高等に伴うリスク感が影響している可能性がある。一方で、P&Gジャパン(8位→8位)など順位を維持している企業もみられる。
・不動産業界は一部企業を除き人気の低下傾向がみられる。例えば、三菱地所(4位→15位)、三井不動産(7位→20位)、森ビル(26位→74位)、NTT都市開発(38位→56位)、東急不動産(39位→74位)、野村不動産(44位→88位)など。一方で、昨年の100位ランク外企業では、東京建物(136位→88位)、三井不動産レジデンシャル(354位→176位)など順位上昇の傾向がみられる。
職種スキルを重視するキャリア観の傾向
キャリアにおいて重視する項目についての調査では、昨年同時期に実施した同様の調査結果において「スペシャリスト」の項目が2位に上昇して以来、更にその選択者の割合が増えている。(23卒夏の調査では41.7%、24卒夏の調査では47.7%)
ジョブ型雇用への転換が進む社会的趨勢の下、終身雇用ではなく転職が当たり前という考え方が学生の間にも浸透しつつある中で、転職の前提となる職種スキルを重視したい姿勢が現れている可能性がある。
<「2024年卒 夏期 就職人気企業ランキング(5-6月)」調査概要>
1.調査対象 : 対象学生:
2024年卒予定の、東京大学、一橋大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学の大学生、大学院生
2.調査期間 : 2022年5月15日~2022年6月27日
3.調査方法 :
・株式会社リーディングマーク主催の合同説明会、または弊社会員へのWEBアンケートにより回収
・選社企業は、株式会社リーディングマークにてリストアップした約400社より学生1人につき第一志望企業群(5社)を選定
4.有効回答 : 1,408名(文系49.1%、理系50.9% / 男性68.9%、女性31.1%)
出典元:株式会社リーディングマーク
構成/こじへい